サンノベル

twnovelです。私のな!
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zephy @zfta2017

空から垂れる文字数を順に削除していくと、中から荒縄が出てきた。手の届く範囲だけ剥いてつたってみるが、強度に問題はない。登っては削除してを繰り返し、やがて羽ばたくことを忘れた。衰退は全身に廻り、骨というものができ、肉という肉を貫いた。曲がるにも骨が邪魔をするの。 #twnovel

2015-11-13 21:00:59
zephy @zfta2017

蜂羽さんはかき氷にかけるシロップを入れたフラスコをゆっくり振り回している。退屈そうな顔でくどいことをする。「束くん。世界を救いましょう」「方法はどうしましょうか」「jpopが抱いている疑問に答えていきましょうか。まずは山崎まさよし」 「あの夜を超える方法ですね」#twnovel

2015-11-13 20:48:04
zephy @zfta2017

案外何もないものだね。とは言うもののあるだけで十分凄いことだし、前情報通り白い部屋じゃないか。上を見上げても果てしない白だが、その天井が低いことは解る。何してんの?砂がないか地面かき集めてる。甲子園!砂には見えない多少の結晶を、おそるおそる含んで見る。塩だこれ。 #twnovel

2015-09-02 02:24:13
zephy @zfta2017

いつからか言うことをきかないんですよ。そのガイノイドは頭を傾けることをシグナルサインにするよう、アナログにできていた。エアーコンダクターに届かない腕は、人の平均より数センチだけ長く、伸縮がきかない。私の言うことを聞かないんです。発せられる電波はリモコンの周波数。 #twnovel

2015-09-02 02:15:19
zephy @zfta2017

頭痛の種を取り除こうと、ピンセットをコップの中に突き立てる。水は銀のように滑らかで、波紋ひとつたてずにピンセットを飲み込んだ。慎重にかき混ぜると、赤い皺のよった実が底からゆっくりと浮かび上がり、水面で3度跳ね、また沈んでいった。これを水がなくなるまで繰り返す。 #twnovel

2015-08-05 22:31:23
zephy @zfta2017

サスペンダーの留め具が机の下に落ちたので、サスペンダーの許す限りぼくはかがんだ。ぼくの体型がなんだっていうんだ。より重い、ただの炭素生物さ。なんだって、サスペンダーはぼくを認めてくれないのかな。だからといって千切れてはくれないんだ。じゃあ、留め具よりもぼくを? #twnovel

2015-07-19 21:26:00
zephy @zfta2017

透明なコインのような形状をしているが、これをカプセルと言う。縦に噛むとプラスティックの潰れる音と共に表裏の膜が膨らみ、『金目鯛の眼』になるのだ。たちまちブルーの四角い波が膨らんだ表層に押し寄せ、それは、どこか地球にも見えた。白いラグが大陸と青いドットの海。 #twnovel

2015-07-15 22:29:54
zephy @zfta2017

四隅の間隔は時と共に変わっていく。原料はおそらく飴で、ということは、つまり、溶けているってことなんだろう。四角い漆喰に寄り添っているおかげで後ろに逃げることはないが、かといって前方に延びたとも思えない。雨は粘性で物語性空間に近く、ただひたすらに留まろうとしない。 #twnovel

2015-07-13 20:46:18
zephy @zfta2017

この屋上には天国への階段がある。掘立小屋は取り壊され、残ったのは小屋のほとんどを埋める尺度の階段だけだ。小屋をむいたのは業者だし、そう懇願したのは僕だ。この階段をへて屋上から飛び降りるには、数メートルの誤差がある。ではなぜ天国への階段だと言うのだろう。中層は。 #twnovel

2015-07-10 01:28:24
zephy @zfta2017

その場でくみ上げるまでは順調に進んでいたが、よく確認すると2ページ目が痛んでしまっている。本来その確認作業もホブで行うべきなのだが、5ページ目に余裕がない。レスターは彫ったペンでゆっくりと縁をなぞりだした。マークはその作業が何を示しているのか理解できないでいる。 #twnovel

2015-07-03 01:12:24
zephy @zfta2017

まず釣り針をワークフィッシュに飲ませ、2回転させてから無理矢理取り出す。ここで魚が吐き出すマトリは有用である。釣り針はデータを吸っているので、事前に記した重量と誤差が出ていることを確認しなくてはならない。悦の民はこれをストマカと呼び、課税と訳した。 #twnovel

2015-06-22 22:05:29
zephy @zfta2017

知り得ない壊れ方をしたので、男は落ち込み、考え込んだ。上部をつまむところを妻にも見られ、娘と息子は七転び八起き。修理がいったいどのような時速で自らを救ってくれるかは解らなかった。男は、状態を戻すことを受け入れしまうことに面倒な焦燥感すら覚えていた。男は、男は、 #twnovel

2015-06-15 00:20:36
zephy @zfta2017

これは作業工程の中で欠かせないことではあるのだが、一度折りたたんだ湿布をはがすのに気を使うのには無くさなければならない心がある。慣れは血管と神経にもう一つ青いものを通してしまうから、頭をふったところでもう遅かった。血管は液体であるわけだから、当然、揺れている。 #twnovel

2015-06-13 16:05:06
zephy @zfta2017

ゾンビたちは次々と死滅していった。必要以上に人を襲わないため、便宜上徘徊種と名付けたのだが、どうやらそれは餓死らしかった。それらは食人制御していたのだ。脳が機能を果たしていないのは明確だが、どうしてそのような抑制がきくのだろう。サンプルを説得することにした。 #twnovel

2015-06-06 00:54:33
zephy @zfta2017

便利でかっこいいアップルウォッチを振りかざす男に、私は銃を突きつける。アップルウォッチを離せ。離せばわかる。お母さんが妖怪ウォッチと間違えて買ってきてしまったのでなければ、やつはiPhoneも持っているはずだ。何故ならアップルウォッチはiPhoneがなければ #twnovel

2015-05-30 22:56:49
zephy @zfta2017

上からピアノの音が聞こえたが赤子が乗っただけだろう。そとから鳥の鳴き声が聞こえるが腹を空かせただけだろう。私の咳は微量の唾をともない、台紙を塗らす。咳をしても赤子と鳥が放っておいてはくれないのだ。このままではまずい。台紙はやめて、アップルウォッチを取り出した。#twnovel

2015-05-30 22:40:07
zephy @zfta2017

まずはスイングドアが前後に揺れて余韻を残す。右手に見える階段は使わず、目の前のエレベーターに乗り込み冷たい壁に背中を寄せた。次には階段。ドア。今度もエレベーター。いくつかのドア。スイングドアで終わるかと思ったが、観音開きのスチールドアだった。僕はビルを抜けた。 #twnovel

2015-05-30 02:31:56
zephy @zfta2017

扇風機の首を2つ音が鳴るまで傾け、ドライヤーの首を3つ音が鳴るまで持ち上げた。ゴミ箱の口を閉め、蛇口の首を惰性にまかせた。つれない魚を思い、許そうかとも思ったが、目の届かないところへやってしまったのだった。労力だけが私から寛容さを奪う。あとは、どのスイッチを? #twnovel

2015-05-29 01:34:45
zephy @zfta2017

ちょうど天地に正しく並ぶ空き瓶のように見えた。だが空き瓶とは頭尾が逆で、重心を考慮にいれて置かれているだけらしい。尾は当然持ち手で、指南のままに手のひらで包む。砂漠は西から流れているので、逆らわぬように、放物線を意識して投げ込むよう念を押される。破裂。 #twnovel

2015-05-28 00:41:34