人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 01 日本国の国立劇場による人形浄瑠璃文楽の保護・文化振興策を考察するに当たって、基礎となるのは、その公演内容の評価である。＞では公演内容を理解するに必要な資料は何か。＞本公演の一覧である、とRamin Karimloo公演の最中に思い当たった！

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 02 では文楽の本公演の一覧はどこに？＞まとまった刊行物は無い。＞自分で造らなければならない。＞どうやって造る？＞番付DBを活用できるだろう。＞典拠資料は？＞国立劇場の文化デジタルライブラリーの「公演記録を調べる」が使える！…続

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 03 国立劇場HP・文化デジタルライブラリー「公演記録を調べる」では、文楽の本公演を、上演した劇場ごとに、 「文楽公演（国立劇場）」 「文楽公演（文楽劇場）」 「朝日座文楽公演」 とまとめて示す。 ＞それぞれを集計すれば、本公演一覧は出来る！…続

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 04 東京「文楽公演（国立劇場）」194回 大阪「文楽公演（文楽劇場）」141回 大阪「朝日座文楽公演」71回 の406回が、国立劇場HPがまとめるところの文楽本公演の総数（ただしDBに未登録の、来年2月までの公演についてはわたくしに補った）。

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 05 わたくしのフォロワー諸氏は、何ヲ弾き出そうとしているか、もう察しがついておられますね？ 求める数字はたンだひとつ。総公演数に占める、通し・立ての回数の割合です。

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 06 ただしややこしいのは、国立劇場が（松竹以来継承して）用いるところの「通し狂言」という注記は、その公演が「通し・立て」であることを保証しない点です。近世期以来の判断基準としての「大序で始まること」を厳密に適用して整理しました。

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 07 速報値。　 総数４０６回 　立て・通し６８回（16.74％）　　見取３３８回（83.25％） 1966昭和41年9月興行以来の全体を、均してみた割合で、16％であります。

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 08 しかるにわたくし個人が大学生以来、文楽を見続けた二十数年の中でもその割合は変化している、と感じるところでありますから、三期に区切って数え直してみます。 第一期を文楽劇場開場以前。第三期を独立行政法人化以後。第二期はその間、です。

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 09 第一期　国立劇場設立1996年7月以後、文楽劇場開場1984年3月まで。 公演数１３９回 　立て・通し３１回（22.30％）　　見取１０８回（77.69％）

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 10 第二期　国立文楽劇場開場1984年以後、独立行政法人化2003年10月以前。 公演数１６７回 　立て・通し２６回（15.56％）　　見取１４１回（84.43％）

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 11 第三期　独立行政法人化2003年10月以降。 公演数１００回 　立て・通し１１回（11.00％）　　見取８９回（89.00％）

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 12 国立劇場史を考える場合に、区分を細かく・大きくすべし、などの御異見もあるところであろうと思います。この点、御批正賜りたく、ここにお願い申し上げます。

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 13 さて仮にわたくしに三期に区分してみた上での割合を詠むれば、 　通し・立ての割合は、22％＞15％＞11％と漸減。 　反対に見取の割合は、77％＜84％＜89％と漸増。 立て・通しの公演回数は、ハッキリと減っています。半減しているのです。

神津武男 @Izumonojyo

人形浄瑠璃文楽の国立劇場以後 14終 まづは速報値・ディスカッションペーパーとして、以上をここに記します（但し呟板といへども、無断引用ヲ禁ズ、不許翻刻千里必究）。 DBの内容を点検の上、来年3月には確定値を御報告したいと存じます。心ある皆様の御叱正を希う次第です。