60年代東映動画をどう歴史に位置付けるか

木村智哉氏の最新論文を拝見して抱いた違和感を言語化してみます。
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It happens sometimes @ElementaryGard

木村智哉氏の最新論文三つを拝読。喩えるならば私の羅針盤とぴったり同じ方向を向いている。彼もやはり感じ取ってるようですね磁力を。同時に彼の限界もくっきり浮き出た内容。ここから先は結局私がやるしかない。

2015-12-25 10:34:44
It happens sometimes @ElementaryGard

東映動画株式会社における「演出中心主義」の確立 waseda.jp/bun-arthistory… 講演の要約。これ、4年前に森田宏幸氏が私を相手に熱く語ってくださった論とたぶん同じ方向性です。

2015-12-25 10:36:30
It happens sometimes @ElementaryGard

木村氏による60年代東映動画分析ですが、私の見解は彼と反対方向を向いています。平行してるんだけど矢印の向きが違う関係。彼の論に欠落しているのは、労使双方の暗黙の共犯関係への踏み込みが足りないことです。

2015-12-25 10:45:39
It happens sometimes @ElementaryGard

「夢の国」はなぜ敗れたのか——日本のアニメはブラック業界 godo-shuppan.co.jp/img/K_yumenoku… 私のです。中堅~ベテラン層が使用者側と次第に共犯関係を結んで、自分たちの構造的矛盾を「修行」と称して新人~若者(それから周縁的現場労働者)に押し付ける仕組みを暴いた論です。

2015-12-25 10:48:03
It happens sometimes @ElementaryGard

いつだったかホリエモン氏が「修行を10年もやるすし職人の世界は異常。あれは修行の名で若いやつを安くこき使う代物」と喝破して話題になりました。アニメの世界でも同じメカニズムが働いています、この40年以上にわたって。

2015-12-25 10:49:27
It happens sometimes @ElementaryGard

で、木村論文を拝見するに、そういう裏システムがアニメの世界で完成する前の時代までで研究が終わっています。

2015-12-25 10:50:30
It happens sometimes @ElementaryGard

彼がいいたいのは要するに「60年代の東映動画を研究すれば現在に至るアニメ界全体の労使関係問題を理解するかぎとなるはず」ということですが、これ実は正しくない。方向性を180度展開しないといけない。「現在に至るアニメ界の問題を理解するには60年代東映動画の研究が必須」と言わないと。

2015-12-25 10:52:10

展開→転換

It happens sometimes @ElementaryGard

同じじゃないか?違うんですよ。木村さんは結局、ある限定された研究フィールドから外の世界を眺める方法論で、私は反対に、ある研究フィールドを遠距離射撃で射貫くやり方です。ベクトルの向きが180度正対している感じ。

2015-12-25 10:54:32
It happens sometimes @ElementaryGard

電子回路でいうと、彼の回路の設計は見事ですが電池の+-が逆さになっている印象です。

2015-12-25 10:58:01
It happens sometimes @ElementaryGard

津堅信之の虫プロ免罪説は詭弁の塊でした。失礼ながら木村東映動画論も、詭弁とはいいませんが表層的な分析にとどまってはいないか、と感じるのです。労使の暗黙の共犯関係を暴くには至っていない。

2015-12-25 11:01:43
It happens sometimes @ElementaryGard

data.jma.go.jp/svd/eqev/data/… 気象庁のHPにある津波の解説。間違ってはいないけれど誤解を招く説明をしている。

2015-12-25 12:40:49
It happens sometimes @ElementaryGard

津波の速さが最高で時速800キロとあります。ジェット旅客機並み。それは本当ですが海水そのものが時速800キロで高速移動するわけではありません。野球場でウェイヴするとき波がざーっと移動していくけれど観客は誰一人その場からは移動していないでしょ?あれですよ。エネルギーが移動している。

2015-12-25 12:44:16
It happens sometimes @ElementaryGard

木村智哉氏の最新論文も同じミスをしています。エネルギー伝播の波を理解できず、海水の移動イメージでモデル化を図っている。これではいけません。

2015-12-25 12:47:26
It happens sometimes @ElementaryGard

キャラクター・ライセンシングの理解にも不足があります。かつては人気まんがのキャラクターを勝手におもちゃにしようが文房具にしようが、まずとがめられることはありませんでした。無断で奪ってはならぬ知的財産とは誰も考えなかったから。インディアンに「土地」という概念がなかったように。

2015-12-25 12:57:20
It happens sometimes @ElementaryGard

そこに白人たちがやってきて「このガラス玉きれいでしょ?あげるから土地売ってね」と交渉。しかしインディアンにはそもそも土地という概念がなかった。ここからここまでは誰それのものという考え方がないところに「売ってね」と持ちかけられた。

2015-12-25 12:59:02
It happens sometimes @ElementaryGard

インディアンにすれば宝物をどっさりくれた相手でした。ところがそれと引き換えに「ここから先はお前ら入るんじゃねえ」と大きく出てきた。インディアンにすれば侮辱。なぜ入ってはいけないのか?大地は神の賜物ではないか、と。

2015-12-25 13:01:45
It happens sometimes @ElementaryGard

白人にすれば「買い入れた土地をインディアンどもが取り返しにきた!」と解釈されて、あいつら野蛮人だ皆殺しにしろーと考えた。

2015-12-25 13:02:43
It happens sometimes @ElementaryGard

キャラクターライセンシングの考え方が日本に入ってきたときも、これと同じことが起きたのです。ただディズニーは日本でも大変人気があって、そのディズニーが「キャラクターは知財である」と言うのだからよくわかんないけど世界標準なんだろうと日本では解釈され、根付いていった。

2015-12-25 13:04:34
It happens sometimes @ElementaryGard

津波のエネルギーが波となって押し寄せるイメージでお考えください。ああいう風にアメリカのキャラクター・ライセンシングの考え方が日本に伝播したのです。

2015-12-25 13:05:33
It happens sometimes @ElementaryGard

ただしエネルギーが伝播したのであって、海水そのものがどばーっと押し寄せたわけではありません。矛盾してるように思えるでしょうが、力学的には何も問題はないのです。

2015-12-25 13:06:40