【忍殺二次創作】ザ・エクスプロージョン・オブ・トゥウェルヴ・ニンジャ・ヘッズ#4【本編のみ】

とんぼがえり @lilivid

# ABHCH :kidnap: 時刻同期データ送信 | # ABHCH :hessian: カウント0と同時にフスマを開ける算段 | # ABHCH :dadbomb: 標的はB-timeで間違いないな？ | # ABHCH :kidnap:Ya-ya- |22 #tmbnj

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短い最終確認シークエンスを終えたダッドボムはカザグルマ北側入り口に到着。豊満な金髪女中が深々と頭を下げて出迎える。符牒もなく、離れに繋がる自動ドアが開く。キッドナップが苦心して行った誘拐の成果だ。ダッドボムは堂々とトンネルめいた離れに足を踏み入れ、進む。23 #tmbnj

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心臓の鼓動はハヤイ。僅かな武者震いもある。今宵のイクサはダッドボムがこれまで経験してきた中でも最も辛く、苦しい物になるだろう。だが、それを乗り越えられねばイモチ・ヤクザクランに明日はない。ネオサイタマは蟲毒だ。より強く、より大きい毒を保たねば生きては行けぬ。24 #tmbnj

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ダッドボムは固く拳を握りこむ。渡り廊下の果て、殺人インドゾウの美しいフスマがあった。殺人インドゾウは覇王の印でも有る。思わぬ吉兆にダッドボムはメンポの下で暗く微笑んだ。通信端末のカウントは5、4、3、2、1……0！ そしてフスマは開かれる。スターン！　25 #tmbnj

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「バカな……何故こんな事が……！」ダッドボムが足を踏み入れた離れは、タタミ敷きの四角い小部屋であった。それはシュギ・ジキと呼ばれるパターンで、十二枚のタタミから構成されている。四方はフスマであり、それぞれウミガメ、カモノハシ、殺人インドゾウ、ラッコのウキヨエが。27 #tmbnj

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フスマを開け放ったのは、ダッドボムの他に、三人。 第一標的のブレイクタイム、第二標的のミルクトースト、そして第十二目標のイツマデ・ドージョー所属ニンジャ、バンプアップだ。今この時、1つの小さな離れに、4人の相容れぬニンジャが相対したのだ！28 #tmbnj

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まず冷静さを取り戻したのは、ブレイクタイムだ。(((何がどうなってやがる。あれはミルクトースト＝サン？エクスプローラー＝サンとエニウェイ＝サンは？まさか罠？だが、一体誰が……)))歴戦の戦士たる彼は、一瞬の逡巡を即座に全て飲み込み、花籠を捨てアイサツを構える。29 #tmbnj

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ミルクトーストの頭は真っ白だった。敷かれた12枚のタタミは既に絨毯爆撃でも受けたかのようにボロボロであり、何より部屋の隅のタタミの縁、そこに見覚えのある白衣の切れ端を見つけたからだ。(((あ、あれはまさかセンセイの！？何がどうなってやがるんだ！）））30 #tmbnj

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バンプアップには何もかも理解の範疇の外。 状況が、愚鈍な彼の理解とニューロンの限界を超えている。(((一体……何が……どうなって……)))未だカラテ警戒もアイサツもままならぬ有り様。ただ一つだけ。遥か後方、渡り廊下の入り口に防弾シャッターが降りる音が聞こえた。31 #tmbnj

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ダッドボムは叫ぶ。「スッゾコラー！何がどうなってやがる！」本来ならば西と南にいるはずのキッドナップもヘッセンも居ない。ただ、敵だけがいる。混乱の極みにも近い状態。だがそれでもダッドボムはヤバレカバレめいた勢いでアイサツによる先手を取らんとする。その時！32 #tmbnj

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「Wasshoi！」シュギ・ジキの中央のタタミ4枚をぶち抜き、床下からネオサイタマの死神が竜巻めいて回転エントリーだ！34 #tmbnj

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「「「「アイエエエエエエエ！？」」」」東西南北のニンジャの絶叫が重なる。アイサツしかかっていたダッドボム、ブレイクタイムさえ何をどうしていいやら分からぬ！赤黒の狂人は登場時の勢いのまま高速回転、そして混迷の密室の中、死の風が吹き荒れる。「イイイイイヤアアーッ！」35 #tmbnj

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奥義ヘルタツマキ！「「「「グワーッ！」」」」4者はそれぞれにスリケン被弾！最も無防備かつカラテで劣る愚劣なバンプアップは爆発四散しかかる！死神は回転を止めぬ！赤き瞳が黒き旋風の中に光り、蠢く！瞬時に状況判断し、二度目のヘルタツマキだ！「イイイイイヤアアーッ！」36 #tmbnj

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「「「イヤーッ！」」」今度のスリケン数は先程よりも少なく、ダッドボム、ミルクトースト、そしてブレイクタイムは見事に回避及び防御。ワザマエ！だが、それもまた死神の術中か。二度目のスリケンは集中的にバンプアップへと注ぎ込まれていた。無論、防ぐ術なし。「アババーッ！」37 #tmbnj

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立ったままスリケン剣山と化したバンプアップはそれ以上の言葉を発することさえ出来ず、シャチホコ・ガーゴイルめいて動かない。未だ爆発四散していない事が奇跡に等しい状況。そして死神はとうとう回転を止め、3者に決断的なアイサツを決めた。「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」38 #tmbnj

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アイサツは決して欠かす事の出来ないニンジャの礼儀。古事記にも書いてある。「ドーモ、ブレイクタイムです」「ドーモ、ダッドボムです」「ドーモ、ゲホッ、ミルクトーストです」アイサツをした三人はそれぞれにニンジャスレイヤーを見据え、そして死神の腰に吊られたそれを見る。39 #tmbnj

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おお、何たる事か！それは8つのニンジャ生首！そこにニボシ・ホスピタルの二人の姿を確かに確認し、ミルクトーストは激昂！スリケン傷を押して叫ぶ。「キサマーッ！許さんぞニンジャスレイヤー＝サン！キサマが手にかけたのは、大樹だ！道を照らす灯台だ！許されざる！イヤーッ！」40 #tmbnj

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ミルクトーストは低空ジャンプパンチで襲いかかる。だが、そこに平時の冴えはない。スリケンの傷、そして怒りと焦りがカラテ段位を著しく低下させていた。ニンジャスレイヤーは最小限の動きで、僅かにジャンプパンチの軌道を反らす。そしてカウンターの右ストレート。「イヤーッ！」41 #tmbnj

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「グワーッ！」吹き飛び、壁に叩きつけられるミルクトースト！死神はジゴクめいて言った。「大樹？灯台と？笑わせる。オヌシが凭れたのは罪なき者の血肉で塗り固めた砂上の楼閣に過ぎぬ。オヌシは殺す」目には決断的な殺意が燃えていた。かろうじてミルクトーストはカラテ警戒維持！42 #tmbnj

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「「イヤーッ！」」咄嗟の判断で、ニンジャスレイヤーの両側からダッドボムとブレイクタイムがトビゲリで割り込む！ミルクトーストを助ける義理はないが、彼が死ねば次は自分の番だという事を本能的に理解していた。数的優位を失う訳にはいかぬ。「イヤーッ！」死神はそれをバックフリップで回避！43

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そして赤黒の死神は着地と同時に片膝を突き、スリケン投擲体勢を取る！すかさずダッドボムは二度目のトビゲリ発射！「この近距離でスリケンとは抜かったなバカめ！イヤーッ！」「イヤーッ！」死神のスリケンはダッドボムに当たらぬ……否！狙いは明らかにダッドボムではない！44 #tmbnj

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「シマッタ！」スリケンの意図に気づいたブレイクタイムは左手を前に。黒鉄の行先は……ナムサン！スリケン剣山と化したバンプアップだ！体内許容スリケン量の限界を超えたその肉体は、破裂寸前まで膨れ上がった風船に等しい。ミルクトーストは圧縮された時間の中でその瞬間を見た。45 #tmbnj

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コーヒーに落とされたミルクが波紋となって広がるように、スリケン衝撃はバンプアップの体内を伝わり、極地を超え、破裂した。KRAAAAAAAAASH！バンプアップの首が飛ぶ。「サヨナラ！」胴体は爆発四散！彼の体内のスリケンは、クラスター爆弾めいて密室を飛び回る！46 #tmbnj

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ミルクトーストの防御は僅かに間に合わない。「アバーッ！」乱れ飛ぶスリケンに全身を射たれる。右手は肩口から吹き飛び、下顎は削り取られた。「チイーッ！」サイバネ左腕を盾にブレイクタイムは徹底防御！所詮は乱反射。威力と速度はヘルタツマキに劣る。だが、その場に釘付けだ！47 #tmbnj