プリンちゃんをお母さんに返そう!【天才!志村どうぶつ園/阿蘇カドリー・ドミニオン】

阿蘇カドリー・ドミニオンで誕生したチンパンジー新生児のプリンちゃん。誕生後まもなく人の手で育てられていましたが、体重も増え容態も安定したとのこと。チンパンジーの子を人が育ててしまうと、その子は将来不幸になります。プリンちゃんの将来のために、1日も早くプリンちゃんをお母さんに返してください。
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動物の不適切な飼育や取扱は通報できます

動物取扱業が所在する地方自治体の動物愛護行政が窓口です。

リンク www.kumamoto-doubutuaigo.jp 熊本県動物愛護管理ホームページ 熊本県内の各保健所で保護されている動物の返還や譲渡の機会を増やし、致死処分されてしまう動物を減らすことが目的です。迷子犬を探している方、犬を飼いたい方は保護されている犬を検索することができます。
リンク www.pref.kumamoto.jp 動物愛護 / 熊本県

 

放送への苦情、番組の向上を求める意見はこちらへ

リンク www.bpo.gr.jp BPO | 放送倫理・番組向上機構 | Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization 放送への意見や苦情、放送倫理上の問題に対して、自主的に独立した第三者の立場から対応する放送界の自律機関、放送倫理・番組向上機構(BPO)のサイト

 

動物のショー利用に反対する意見

動物保護団体PEACEは2013年11月に次の内容を含む要望書を環境省へ提出しています。

以下、一部引用。

2.動物園・水族館が特に行うべきではない行為を明確にするべき

動物園や水族館では、動物福祉上・教育上等の理由で不適切と考えられる行為がさまざま行われています。特に以下の行為については問題があり、環境教育とは併存しえないため、なくす必要があることを、明確に結論付けてほしいと考えます。

また、国は、以下のような事業を行う動物園・水族館に対して、種の保存などの事業を委託しないでください。娯楽によって一方で間違った教育をし続けながら、種の保存などを掲げるのは偽善であり、誤った行為が正当化されてしまう可能性があります。

(1) 動物を使うショー(給餌ショーを含む)

動物園・水族館では、ゾウ、クマ、猛禽類、イルカ、アシカ、セイウチ、ペンギン、ラッコなど、さまざまな動物が現在でもショーに使われています。チンパンジーのショーについては、環境省も過去に調査を行ったことがあるはずですが、本来であれば「国際希少種の繁殖のさまたげになるから演芸させてはいけない」といった理由ではなく、野生動物全てについて、調教して芸を人々に見せること自体を誤りと定めるべきです。動物たちを、人間を笑わせるために使ってよいと子どもたちに教えながら、種の保存や環境教育はできません。

また、最近目立ってきている、動物への給餌ショー・給餌タイムについても、野生動物に人間が手渡しでエサを与えるところを見せる、もしくは客にエサを与えさせるなど、不自然な形が目立ち、本来の動物の生態や、人と動物の関係を教える上で不適切なものとなっています。

人に慣れた野生動物を見せることが動物園・水族館にとって重要なのだとしたら、そのことは、種の保存や環境教育と、そもそも両立しえるのでしょうか。動物園・水族館が何を行うべきでないかについても議論すべきです。

全文はこちら:動物園・水族館の機能について検討する際の要望書:動物保護団体PEACE

 

SAGA(アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い)はこの度の阿蘇カドリー・ドミニオンにおけるチンパンジー新生児の人工保育を次のように批判しています。

以下、冒頭を引用。

不当な人工保育に対する批判声明:SAGA

大型類人猿を含め子どもの人工保育は、その後の発達に看過できない不可逆的な障害をもたらすことが繰り返し指摘されてきました。特に、社会性の発達の障害は、その個体が成体になった際の社会不適応、交尾不能、育児拒否といった「負のスパイラル」を極めて高い確率で引き起こします。近年は、やむを得ず母子分離を行っても積極的に母親に戻す試みが奨励され、数多くの成功例が報告されているのは周知のところです。ただし、このような事例は母親が抱かなかったなどの「育児放棄」がすべてであり、母親が抱いている限りは、母親による育児にすべてをゆだねるべきであると考えます。国際霊長類学会が提示する霊長類飼育に関する国際ガイドラインにおいて、母子の命の危険がない限り人工保育はおこなうべきではないこと、仮に人工保育をおこなわざるを得なくなったとしても可能な限り早期に子どもを母親に戻すことが勧告されています。アメリカ動物園水族館協会が発行するチンパンジー飼育マニュアルにおいても同様のことが定められており、この飼育マニュアルの正式な日本語翻訳版がアメリカ動物園水族館協会のウェブサイトに掲載されています。

全文はこちら:不当な人工保育に対する批判声明:SAGA

 

幼いチンパンジーはかわいらしいです。かわいらしい生き物が大人になってもしあわせでいられるよう、愛でる気持ちをほんの少し未来に向けていただければ、プリンちゃんは不幸にならずにすむとおもいます。まだ間に合います。

チンパンジーの赤ちゃんはチンパンジーのお母さんに返しましょう。

 

資料

GAIN 大型類人猿情報ネットワークに登録されている個体情報

プリン
GAIN識別番号:9906
性別:♀
種・亜種:亜種間雑種
生年月日:2015.09.22
出生地:阿蘇カドリー・ドミニオン
現在の施設:阿蘇カドリー・ドミニオン
父親:パン(旧名ヨウイチ)
母親:ポコ
http://www.shigen.nig.ac.jp/gain/ViewIndividualDetail.do?reg=9906&species=0

パン(旧名ヨウイチ)
GAIN識別番号:0642
性別:♂
種・亜種:亜種間雑種
生年月日:2001.10.01
出生地:宮崎市フェニックス自然動物園
現在の施設:阿蘇カドリー・ドミニオン
父親:アンチャン
母親:ヨウ
http://www.shigen.nig.ac.jp/gain/ViewIndividualDetail.do?id=299

ポコ
GAIN識別番号:0641
性別:♀
種・亜種:西チンパンジー
生年月日:2001.09.27
出生地:札幌市円山動物園
現在の施設:阿蘇カドリー・ドミニオン
父親:トニー
母親:ジェーン
http://www.shigen.nig.ac.jp/gain/ViewIndividualDetail.do?reg=0641&species=0

GAIN 大型類人猿情報ネットワーク

 

アメリカ動物園水族館協会 Association of Zoos & Aquarium チンパンジー飼育マニュアル

オリジナル(2010)
Chimpanzee (Pan troglodytes) Care Manual (PDF)

邦訳版(2013)
チンパンジー飼育マニュアル(PDF)

Association of Zoos & Aquarium

 

ALIVE 地球生物会議による翻訳資料「霊長類の飼育環境と改善ー調査結果と論評ー」
著者:レスリー・A・ディッキー 生物人類学修士論文、ダーウィンコレッジ生物人類学部・ケンブリッジ大学

英国のロンドン、Twycross、チェスター各動物園とドイツのCologne動物園、オランダのApenheul公園の事例研究と、英国内の16動物園に対する環境改善アンケートのまとめ。とくにチンパンジー関連と観客に関する部分を抜粋・抄訳

全文はこちら:翻訳資料「霊長類の飼育環境と改善ー調査結果と論評ー」:ALIVE 地球生物会議

 

「エンターテイメントに使用されるチンパンジー」について

環境省は、2005年8月にカドリードミニオンのパン君(2001年10月生)、2006年9月に市原ぞうの国のスマイル君(3代目ゴメス、2002年11月生)に対して、種の保存法違反の疑いがあるとして調査をおこないましたが、問題点は改善されていません。その現状に対して、「アジア・アフリカに生きる大型類人猿を支援する集い(SAGA)」が、2006年12月4日付けでチンパンジーのTVバラエティ等における使用に関して、「絶滅の危機に瀕した種であり成長過程にある幼少個体を、過度な擬人化をしたショーなどに利用しないで欲しい」という旨の要望書を関係園館、テレビ局、環境省、動物園水族館協会に提出しました。

全文はこちら:「エンターテイメントに使用されるチンパンジー」について:チンパンジー・サンクチュアリ・プロジェクト