原子力発電に反対するにしても、事実に反する理由はNG

遅ればせながらまとめました。
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リンク m1se.blog.fc2.com 放出核種の図/チェルノブイリ・福島・広島 ここでは、放出核種の図/チェルノブイリ・福島・広島 に関する記事を掲載しています。

東京電力福島第一原発事故直後のCs134/Cs137比の値がおよそ1だったのに対し、チェルノブイリ事故直後のCs134/Cs137比の値は0.5-0.6だったと報告されています。半減期の長いCs137が多いことは、事故の影響がそれだけ長く残ることを意味します。
Cs134は、原子炉の運転により核分裂生成物として燃料棒の中に蓄積したセシウムの安定同位体Cs133が熱中性子を吸収し放射化して生じたもので、その結果Cs134/Cs137比は燃料棒の使用実績(燃焼度:burn-up)により大きく変化します。原子炉の運転開始から時間が経った古い燃料棒ほど値が大きく、逆に燃焼度の低い新しい燃料棒では小さくなります。また、原子炉の炉型(チェルノブイリ型の黒鉛減速沸騰水型炉か、福島第一原発のような沸騰水型軽水炉か)の違いによっても燃料棒の燃焼度は影響をうけると考えられています。
http://www.jrias.or.jp/member/pdf/201205_HOUSYASEN_RIJYUKU_KAWADA.pdf
[2016.1.11追記]
2016.1.7に日本アイソトープ協会のホームページリニューアルに伴い下記に移転していました。
http://www.jrias.or.jp/books/pdf/201205_HOUSYASEN_RIJYUKU_KAWADA.pdf

放出総量もさることながら、チェルノブイリ原発が内陸部に位置していて放出された放射性物質がほとんど陸上に降下したのに対し、海岸に立地し、しかも広大な太平洋に面していた福島第一原発の場合放出された放射性物質は風の向き次第で陸上に降下した分と海上に降下した分の二手に分かれたことにもご注目ください。陸:海の割合は論文により差があり、Cs137の場合最も陸の割合が小さい20:80http://www.atmos-chem-phys.net/13/1425/2013/acp-13-1425-2013.pdf 実数値で表すと陸上7.4 PBq:海上29.3 PBq。P=ペタは10の15乗すなわち1000兆)から最も陸の割合が大きい43:57http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00223131.2013.772449 実数値で表すと陸上5.8 PBq:海上7.6 PBq)まで開きがあります。放出量推定の際日本国外での実測値を幅広く採用するほど、放出総量もそこに占める海上降下分の割合も大きくなる傾向があります。詳しくはこのまとめをご覧ください。

まとめ 諸説入り乱れる福島第一原発からのCs137放出量 福島第一原発からのCs137放出量を推定した(2013年までに公表された)論文の数々。推定計算は出発点としてどんな実測値を使うか、またどんな仮定を置くかで計算結果が違って来ます。 発端となったENENEWSの記事(2013年9月23日付け) http://bit.ly/1iphBgI Chino M et al. (2011) J Nucl Sci Technol 48, 1129-1134 http://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/18811248.2011.9711799 Stohl A et al. (2012) Atmos Chem Phys 12, 2313–2343 http://www.atmos-chem-phys.net/12/2313/201.. 4368 pv 50 1 user 15

(結局のところ総放出量の推定値の大小がほとんど海上降下量の値に左右されている実情を見れば、放射性物質の総放出量の大小をもとに原発事故の影響の大きさを論じることの危うさがわかります↓)

SYNODOS / シノドス @synodos

【新着記事】東電福島第一原発の事故はチェルノブイリより実はひどいのか?――原発事故のデマや誤解を考える/菊池誠×小峰公子 synodos.jp/science/15817

2015-12-29 07:32:15
あ〜る菊池誠(反緊縮) @kikumaco

シノドスの記事でちょっと舌足らずだったこと。土壌汚染は直接測定できる(実際は空からの間接測定中心)ので比較的信頼性高い。総放出量は過去を推定する問題である上に、海に飛んだ分が測定できないので、推定結果の検証も難しい。今の生活の問題を考えるには、総放出量の推定は殆ど関係ない

2016-01-01 23:02:21
あ〜る菊池誠(反緊縮) @kikumaco

東電原発事故はチェルノブイリより何倍規模が大きい事故、とか言ってる人たちは総放出量の話しかしていない。そのどれだけが海に落ちたかも検証の難しい推定値。でも、実際に何倍だったとしても、実測されてる空間線量や土壌汚染量が変わるわけではないよね。それは重要なことだと思うよ

2016-01-01 23:11:01
あ〜る菊池誠(反緊縮) @kikumaco

シノドスに載せた「東電原発事故はチェルノブイリ事故よりもひどい(規模の大きい)事故だったのか」という内容の記事でいちばん言いたかったのは、対話の最後に話し合ったように、総放出量が実はどれくらいだったとしても、実測されている空間線量率や土壌汚染は変わらないということです

2016-01-02 11:01:03
あ〜る菊池誠(反緊縮) @kikumaco

「チェルノブイリよりひどい」と言い募る人たちは、それをまったく理解せずに、規模の大小で避難の必要性などが変わると思ってる節がある。生活や避難を決めるのは総放出量ではなくて、その場その場の汚染量や線量。それらは実測でわかるし、わかっている

2016-01-02 11:03:17

(本論に戻ります)

simesaba0141/MJ号 @simesaba0141

@parasite2006 良くまとまった良い資料をありがとうございました。規模の差は、やはりチェルノブイリが建屋と格納容器が一体化して吹っ飛んだ事が大きいのでしょうね。 @karitoshi2011 @kazooooya @monstar81053

2015-12-20 18:55:42
ぷろっぷ @teammaruyu2gou

.@hikawamomo そうですね(´Д` ) 福島とチェルノブイリでは「炊飯器の蒸気吹き出し口からお湯が吹き出た」のと、「炊飯器の蓋が吹き飛んでご飯が飛び散る」くらい違いますから。

2015-03-28 22:57:43
nao @parasite2006

@simesaba0141 チェルノブイリの原子炉は圧力容器がない1層構造でしたね(bit.ly/1UQXIOZ p.2)@karitoshi2011 @kazooooya @monstar81053

2015-12-20 19:10:51
simesaba0141/MJ号 @simesaba0141

@parasite2006 一層構造の上に、減速材として燃えやすい黒鉛を使ったのがまずかったと認識しています。 @kazooooya @monstar81053

2015-12-20 19:26:39

(↑福島第一原発は沸騰水型軽水炉で、中性子の減速材として軽水を使用していました)

nao @parasite2006

@simesaba0141 燃料がバラバラになって花火のように飛び散ったと言う住民の目撃証言が残っているのも道理ですね bit.ly/1PiEqBF bit.ly/z61k8s @kazooooya @monstar81053

2015-12-20 19:30:55

(↑引用は京大原子炉研・今中哲二先生の資料。第1段落をごらんください↓)

リンク www.rri.kyoto-u.ac.jp チェルノブイリ原発事故
simesaba0141/MJ号 @simesaba0141

@parasite2006 おそるべき安全不感症ですが、他山の石にしなければ、とは思います。 @kazooooya @monstar81053

2015-12-20 19:31:36
toumei-unicorn @monstar81053

@parasite2006 このスレッドは「なぜ広島で除染がされなかったか」についてガンダムさんが入市被曝に環境省の人が触れなかったことにお怒り、ということに対して「それ中性子線や」とか @simesaba0141 @karitoshi2011 @kazooooya

2015-12-20 18:52:43
toumei-unicorn @monstar81053

@parasite2006 「地上への降下の仕方や量が違うので福島で除染を行ったことと状況が違うのでは?」というツッコミでした。 @simesaba0141 @karitoshi2011 @kazooooya

2015-12-20 18:56:03
nao @parasite2006

@monstar81053 有難うございました。途中からでわからなかったもので。

2015-12-20 19:12:53

(その2)

nao @parasite2006

原子力発電に反対する理由として「原発は原爆と同じ」だからという人がいるが、反対するにしても事実に反する理由はNGだと思う。(どこが事実に反するかはこちらでsynodos.jp/science/15807 )わざわざ事実に反する理由を持ち出さなくても事実に基づく理由は他にもある

2015-12-28 15:54:07