歌集『砂丘律』まとめ
- chutotanka
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頭からぱらぱら読んでしばらくしてから適当な場所開いてなんか、びっくりしてる。予想以上に当たりだったなあ。麻先輩お好きな気がする。
2015-12-22 00:57:40指輪のない指をからめてお互いの脳裏に銀の川を流した 窓に貼りつくのが雪で、ふりむけば部屋は光の箱であること / 千種創一 『砂丘律』/「認めることの雪について」
2015-12-22 03:39:40いつかどこかで感じたことを思い出してしまうような、すてきなことば運びだと思う。知っている。銀の川があることも、光の箱にいることも。
2015-12-22 03:52:11僕はアクションとか殺人のない小規模に展開される「いい感じの邦画」が好きで、いい感じの邦画は「重要じゃなさそうだし何気ないけどめちゃいいシーン」を探す楽しみみたいなのがあるんですが、砂丘律はまさにこの「重要じゃなさそうだし何気ないけどめちゃいいシーン」がめちゃ読める歌集でした!
2015-12-22 21:57:15段ボールを積む、少しずつずれる、去年の夏の約束を破る 悲しみの後に、かなしい、という発話 知らない町の川が映った 今年最後のゆうだちと知らずに君が水槽ごしに眺めてた雨 (千種創一「砂丘律」より) くるりの曲がいい感じの邦画に合うように千種さんの歌もいい感じの邦画だった!!
2015-12-22 22:03:21脳にこそ心はあって、でも胸が痛むのです。またラムネしましょう 唇の乾きに冬を知ることが、手紙はここで二枚目へ行く (千種創一「砂丘律) あと千種さんの短歌は「何そのオチ!?」みたいな短歌がたくさんあって楽しい。ラムネしましょうて!
2015-12-22 22:13:06こういう背表紙を見たのは初めて。16頁ずつ折った頁が黄色の糸で閉じてあってパーツの背の黒い印が階段状に並んでいます。上に麻のようなクロス、そしてその上に「千種創一 砂丘律」と書いた鬱金色の和紙が、やや右にずらして貼ってあります。 pic.twitter.com/thw9hyikM7
2015-12-23 15:31:51駅前の、舞う号外の向こうからいきなり来るんだろう戦火は 教会の鐘きくために窓をあけ、君は日曜日をとりしきる 光あれ 一頁目は朝焼ける砂漠へ檸檬を絞るごとくに /千種創一『砂丘律』 pic.twitter.com/ofriFJbjLV
2015-12-23 15:36:48千種創一さんの『砂丘律』は、造本が要請する速度と短歌一首一首が要請するそれと、私自身がそう読みたいと感ずる速度が少しずつずれていて、そのずれ具合を調節しながら読むことで知らない景色が見えてくるようなところ、とてもいい。
2015-12-23 17:37:40思うに、売れる売れない(数字的にも、名声的にも)じゃなくて、読者を信頼した上で短歌においてやりたいことをとことん突き詰めて行くという方法があって、真中さんの『火光』や、あと毛色は全然違うけど千種くんの『砂丘律』は恐らくこちらの系統なのかな、と。
2015-12-23 18:36:46千種創一歌集『砂丘律』(青磁社)より /君の吐くけむりは風にさらわれてまださん付けで呼びあう僕ら /バス停に僕を待ちつつその指でスマホをときおり撫でるのだろう /唇を重ねなかった後悔がトランクを開くときにあふれる /夜の窓をあけて驚く、砂まじる風が柳とこすれる音に
2015-12-23 19:12:55/召集の通知を裂いて逃げてきたハマドに夏の火を貸してやる /映像がわるいおかげで虐殺の現場のそれが緋鯉にみえる /駅前の、舞う号外の向こうからいきなり来るんだろう戦火は /ああそうか夜の挿絵の三日月のようだ胎児は白く浮かんで
2015-12-23 19:12:43むきー、むきー、と叫びながら、紀伊國屋書店新宿本店2階で千種創一さんの『砂丘律』(青磁社)を購入。千種さんが、中澤系歌集新刻版のために短歌を寄稿してくれた黒いフリーペーパーも、取りやすい感じに棚にさされていたので、紀伊國屋書店新宿本店で『砂丘律』をお求めの方はこちらもぜひ。
2015-12-23 20:29:19私は物を丁重に扱うのが苦手で、本も物としては大事にできなくて本当にぼろぼろになっていくんだけれど「やがて秋茄子へと到る」「砂丘律」位『特別扱いしてくれ』という装丁がなされていてそこに収録されている歌も装丁に相応しい佇まいをしていると覚悟を持ってさわれる感じになる
2015-12-23 20:57:25あっ、ビデオになってた、って君の声の短い動画だ、海の/千種創一「認めることの雪について」 塔 2015年8月号 17/50 #2015下半期短歌大賞
2015-12-24 21:54:43歌集「砂丘律」、一首一首が重く立っていて、俗っぽい言い方だけどまずかっこいい。そしてずしりと来る。今年は個人的にこれが一番になるかもしれない。
2015-12-25 11:38:10千種創一さんの歌集『砂丘律』の造本は、製本の途中のような感じで、ハードカバーだとこの上から文字通りハードなカバーをつけるけど、それがなくて本がむきだし。。という印象。 ううっ。
2015-12-25 16:45:41明日もまた同じ数だけパンを買おう僕は老いずに君を愛そう(千種創一) 『砂丘律』買わずにいられなかった…。これ造本もすごく素敵です。目が粗くて乾いた感じ…
2015-12-25 18:11:41砂丘律、はじめは状態をきれいに保つために丁寧に丁寧に扱わねばと思ってビビりながら読んでたけど途中で「これは良い意味でボロボロになっていくためのやつ」と思うようになった
2015-12-26 03:47:59誉められるために画帳へ閉じ込めるやわらかい手首のいくつか 手に負えない白馬のような感情がそっちへ駆けていった、すまない 燃えながら燃やす炭火はおごそかな木の終り、そのように生きたい だいたいが良い記憶です三月の淡雪にかかわるひとはみな 千種創一『砂丘律』
2015-12-26 13:44:34