編集部イチオシ

今昔物語風「ガルパンさん」

ガルパンおじさんは伝記になったのだ・・・(2016/1/16追記:ツイ主さん本人によるまとめを追加いたしました)
112
mantrapri @mantrapri

「ガルパンさん」を今昔物語風に書いてみたので、今から連投する。そのあと対訳有りのものを上げる。

2016-01-14 22:16:48
mantrapri @mantrapri

① 常陸国大洗社にて神仏奇瑞を顕すの語 今は昔、常陸国に大洗磯崎宮と云ふ社あり。村人、社頭に市を為し、海のものを商ふ。懇ろに神に仕え朝夕社に詣でける。 或時、尋常の風体に非ざる者等、数多具して来たり。街区に満ち、辻辻、郷舎を指して相哄笑す。(続く)

2016-01-14 22:16:56
mantrapri @mantrapri

②霊地に非ざる処を頻に拝み騒ぐ故、村人怪しみて之に問はば、「がるぱん善きぞ」とのみ答ふ。又社に参りては傍に木版を頻りに打ち付け、五色の彩にて異境の兵具を備えし端正美麗の女衆を描けり。(続く)

2016-01-14 22:17:04
mantrapri @mantrapri

③常人とは異なる様なれども、海の産物を供すれば巨多の銭貨にて報いる故、村人之をがるぱんさんと号し、来る毎に饗応す。其後、村人、国厨へと魚酒を貢ずることあり。然るに国司「当郡の贄既に到れり、重ねて持ち来るに及ばず」と云ひてえ取らじ。

2016-01-14 22:17:10
mantrapri @mantrapri

④村人奇しく思ひて、府蔵の内を伺えば、果たして贄の魚は嘗てがるぱんさんに捧げしものにやあらん。 旧紀に曰く磯崎宮は田邑帝の御代に少彦名神の本地仏、薬師大菩薩が顕現せし地なり。神仏を厚く憑み奉るによりて霊験再び現れたるやと近郷の者は語りき。(続く)

2016-01-14 22:17:16
mantrapri @mantrapri

⑤更に大洗社の別宮・酒列宮の名は海龍王さからの音転じたるものなれば、端正美麗の女衆の画は竜女を描きしものか。此の如き話は唐土の外典にも見えたり。 また或人云はく、常陸は慈覚大師東巡の地なれば、女衆は竜女には非ず、法華経外護の十羅刹女なりと。(続く)

2016-01-14 22:17:22
mantrapri @mantrapri

⑥受持読誦の徳に応じて眷属を遣す。鬼女なれば、併せて弓箭砲雷を描き出すこともあらんとぞ。がるぱんさんは神仏何れの顕現やと聖俗交々語れども、終に分明ならず。(続く)

2016-01-14 22:17:29
mantrapri @mantrapri

⑦常陸国主、稀有の事にて之を国解申上す。上又此を賞し、更に三年の税を免ず。村人辻々及び岬の大塔に女衆の尊像を祀り食堂を設け、市の傍らにはがるぱん堂を建て、弥々懇ろに供養しける。 末法以後の本朝に於て神仏交々瑞応を顕す、まこと奇しきことなりとなむ語り伝えたるとや。(終わり)

2016-01-14 22:17:36
mantrapri @mantrapri

次に対訳付きのもの。

2016-01-14 22:21:39
mantrapri @mantrapri

①『常陸国大洗社にて神仏奇瑞を顕すの語』 茨城県大洗磯崎神社に神仏の奇跡が起こる話 『今は昔、常陸国に大洗磯崎宮と云ふ社あり』 昔、常陸国(茨城県)に大洗磯崎神社という社があった。(続く)

2016-01-14 22:24:33
mantrapri @mantrapri

②『村人、社頭に市を成すし、海のものを商ふ。懇ろに神に仕え朝夕社に詣でける』 村人は社の前に市を出して、海産物を商って暮らしていた。神への崇敬厚く、朝夕お参りを欠かさなかった。 (続く)

2016-01-14 22:26:22
mantrapri @mantrapri

③『或時、尋常の風体に非ざる者等、数多具して来たり。街区に満ち、辻辻、郷舎を指して相哄笑す。 ある時、ただならぬ姿形のもの共が大勢でやって来た。彼らは街に満ち、何もない道端や家を指差して互いに笑あっている。(聖地巡礼) (続く)

2016-01-14 22:28:02
mantrapri @mantrapri

④霊地に非ざる処を頻に拝み騒ぐ故、村人怪しみて之に問はば、「がるぱん善きぞ」とのみ答ふ。 何の変哲もない場所を拝むのを村人は怪しんで声をかけるが「ガルパンはいいぞ」としか答えない。(続く)

2016-01-14 22:32:03
mantrapri @mantrapri

⑤又社に参りては傍に木版を頻りに打ち付け、五色の彩にて異境の兵具を備えし端正美麗の女衆を描けり。 彼らは神社に参ると板絵を奉納する、そこには五色の彩(コピックマーカー)による兵器を持った異国の風体の女たちが描かれていた。(痛絵馬) (続く)

2016-01-14 22:33:12
mantrapri @mantrapri

⑥常人とは異なる様なれども、海の産物を供すれば巨多の銭貨にて報いる故、村人之をがるぱんさんと号し、来る毎に饗応す。 ここら辺にはいない人々だが、海産物を与えれば多く銭を出して買ってくれるので、村人は彼らをガルパンさんと呼んで、大洗に来るたびに迎え入れた。(続く)

2016-01-14 22:34:04
mantrapri @mantrapri

⑦『其後、村人、国厨へと魚酒を貢ずることあり。然るに国司「当郡の贄既に到れり、重ねて持ち来るに及ばず」と云ひてえ取らじ』 その後、村人は常陸国府の御厨に税の魚を納めに行った。しかし役人が言うには「大洗からの税はすで預かっている。度々持ってくる必要はない」と答えた。(続く)

2016-01-14 22:36:41
mantrapri @mantrapri

⑧『村人奇しく思ひて、府蔵の内を伺えば、果たして贄の魚は嘗てがるぱんさんに捧げしものにやあらん』 不思議に思って蔵の中を見せてもらうと、納められた海産物はガルパンさんたちに与えのと全く同じものであった。(ふるさと納税1億円超え) (続く)

2016-01-14 22:37:46
mantrapri @mantrapri

⑨『旧紀に曰く磯崎宮は田邑帝の御代に少彦名神の本地仏、薬師大菩薩が顕現せし地なり』 九世紀の国史・文徳天皇実録には文徳天皇の御代に大洗に少彦名神の本地仏である薬師菩薩が現れたと記されている。(続く)

2016-01-14 22:39:51
mantrapri @mantrapri

⑩『神仏を厚く憑み奉るによりて霊験再び現れたるやと近郷の者は語りき』 村人が神を厚く尊ぶので霊験が再び現れたのだろうと近隣住民は語りあった。(続く)

2016-01-14 22:41:22
mantrapri @mantrapri

11『更に大洗社の別宮・酒列宮の名は海龍王さからの音転じたるものなれば、端正美麗の女衆の画は竜女を描きしものか。此の如き話は唐土の外典にも見えたり』 さらに別宮の酒列神社はサカラ竜王の名から採られた故、絵馬は竜宮の女官を描いたか?このような話は中国の伝奇小説にも見える。(続く)

2016-01-14 22:44:04
mantrapri @mantrapri

12『また或人云はく、常陸は慈覚大師東巡の地なれば、女衆は竜女には非ず、法華経外護の十羅刹女なりと。受持読誦の徳に応じて眷属を遣す』 ある人が言うには常陸国は慈覚大師・円仁が巡礼した土地なので、絵馬の女は竜女ではなく天台宗の根本教典・法華経を護る十羅刹女だとのこと。(続く)

2016-01-14 22:45:07
mantrapri @mantrapri

13『鬼女なれば、併せて弓箭砲雷を描き出すこともあらんとぞ。がるぱんさんは神仏何れの顕現やと聖俗交々語れども、終に分明ならず』 羅刹鬼の女だから、弓矢や砲雷を共に描くのだろうと。このようにガルパンさんは神仏いずれの使者かと僧侶や俗人は様々に語り合うが、ついに分からなかった。

2016-01-14 22:46:46
mantrapri @mantrapri

14『常陸国主、稀有の事にて之を国解申上す。上又此を賞し、更に三年の税を免ず。』 当時の常陸介(県知事)は世にも珍しいこととこれを中央に申し上げた。帝はこれにいたく感じ、三年の税を免じた。(観光庁による奨励賞受賞)  (続く)

2016-01-14 22:48:31
mantrapri @mantrapri

15『村人辻々及び岬の大塔に女衆の尊像を祀り食堂を設け、市の傍らにはがるぱん堂を建て、弥々懇ろに供養しける』 村人は町中や岬の大塔(マリンタワー)に女の姿を飾り、食堂(ガルパンカフェ)を設け、市(アウトレット)の傍にがるぱん堂(ガルパンギャラリー)を建て、歓迎した。(続く)

2016-01-14 22:50:00
mantrapri @mantrapri

16『末法以後の本朝に於て神仏交々瑞応を顕す、まこと奇しきことなりとなむ語り伝えたるとや』 末法以後千年近い日本において、神仏が混ざり合って顕現する。本当に有難いことだと語り伝えたとのことだ。 (終わり)

2016-01-14 22:50:44