- tasobussharima1
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「……やったか」 ドローンから届く暗視画像は、確かに地面へと横たわった得度兵器の威容を伝えていた。だが……その外観には、目立った損傷は無い。 「ちっ、流石にこの程度じゃ無理か」 最初のトラップは、参道の曲がり角。高低差の生じる死角へ張り巡らせたワイヤーだった。
2016-01-22 21:28:00ドローンからの画像がじれったい。ルートを予測し、場合によっては追加でトラップを仕掛け、進路を修正する必要がある。本命は橋の爆破だ。 だが、『退き時を間違えるな』クーカイの言葉を思い返し、逸る気持ちを抑える。ここは、待ちどころだ。 ……永遠にも思える時間が過ぎた。
2016-01-22 21:32:02やがて……隙間から漏れる不気味な光と、タービンの回転めいた高周波を撒き散らしながら。得度兵器はゆっくりと立ち上がる。 「……来るか」 そして、次の瞬間。光の柱が天へと昇った。遅れて訪れた衝撃波によって車は大きく揺れ、ガンジーはハンドル目掛けて突っ伏した。
2016-01-22 21:36:03「っつ……だよなぁ!」 足元が覚束ないならば、『地均し』をする。安全距離からですらこの衝撃。下手に近付けば、生命はない。解脱どころかミンチになりかねない。 『平気か!』 クーカイからの通信。 「……頭をぶつけた」 『上等だ。様子は?』 「……森が」
2016-01-22 21:40:07足下が覚束ないなら、地均しをする。さすがに地形にハマってくれたりはしないか。しかしこれはこれでかなりエネルギーを無駄遣いさせることに成功したと言えなくもない #徳パンク
2016-01-22 21:41:57地面近くで燃えているであろう炎。立ち上る煙。それらが照らす仏像の巨体。そこまでは想定内だ。……だが。確かについ先程まで存在した、その周辺の木々のシルエットが。ごっそりと『無くなっていた』。 「……とんでもねぇ」 『状況は精確に伝えろ』
2016-01-22 21:44:02「あれだ。あの『バーン』ってやつ。森ごと吹き飛ばしやがった」 『……続行するか?』 「勿論」 『了解、健闘を……』 「待て!」 クーカイを遮り、ガンジーは叫ぶ。 「……おい、冗談だろう?」 その声は、震えている。 『何があった!?』 「……二発目だ」 巨大仏像の手に、光が集う。
2016-01-22 21:48:01ブッシャリオン読んだ!森がごっそりなくなるってどういうことだ?そして、家出した少女が徳度兵器と鉢合わせる可能性は高そう。#徳パンク
2016-01-22 21:48:51