今日から週二日、五週間、バリバールのスピノザ集中講義という贅沢なプログラム。初日からおもしろかった。これまでの解釈を退けて『エチカ』を読む必要がある!と決意したバリバールは一週間でこの本を読み切るという課題を自分に課したことがあるそうな。で、きちんと月曜日から読み始めたらしい笑。
2016-02-03 03:33:35『エチカ』は証明が樹木あるいは網のようにつながっているわけだが、バリバールは、それの全容を明らかにしようと、紙に定理を一つずつ書いて、それをカーペットに並べて線で結んでいったらしい。でも段々複雑になって訳が分からなくなったので色分けした、と。しかし、何をどう色分けしたのだろうか。
2016-02-03 03:36:01でもその作業は無駄じゃなくて、証明の連なりがリニアーじゃないこと、ところどころループがあることが分かったと言っていた。
2016-02-03 03:36:51「『エチカ』を一週間で読むぞ!」とか「定理をカーペットの上に並べてみるぞ!」とかって面白い話を聞くとこっちも勉強する気がものすごく高まりますよね。バリバールほどの人でもそうやってこつこつ勉強してきたわけですよね。初日からものすごいやる気が高まる講義でした。
2016-02-03 03:38:27京大式カードみたいのにメモをとってひたすら目の前のボードに貼り付けていくというのはイギリスに来てから始めた方法だが、古典的ながらこれはなかなかいい。ポストイットよりこっちの方がいい。保存できるし。
2016-02-03 03:39:57こうやってメモをたくさんとってから論文を書くと驚くのは、たくさんあったメモから生成するのはたった数行の議論だったりするってこと。メモをとっている時はさぞかしすごいアイディアがいくつも出てきているかのように思ったりするんだけど、実際にまとめると一言で言える内容だったりする。
2016-02-03 03:42:29しかし『エチカ』の定理をカーペットに並べてみるというのはいいですね。これはやってみるか。
2016-02-03 03:46:13俺の場合、一定の勉強法というのがないなと思った。カード式のメモにしたのは『中動態の世界』のためで、何の場合でもそうしているわけではない。この本にはこのやり方が必要だったという感じ。
2016-02-03 03:49:18昔は、広げるとA3になるA4サイズのルーズリーフ(つまり一枚で四ページ)を使っていた。つまりその頃は、一つの話題を四ページぐらいにまとめるとちょうどいい議論をしていたということだろう。いまはむしろ細かい情報とアイディアがたくさん必要という感じ。
2016-02-03 03:50:31まぁ昔から変わらないのは本の余白への書き込みが中心ということですかね。でも書き込みからも変わった。あるときから、余白だけを読めば全体のレジュメが得られるように書き込むようになった。線を引いただけだと、もう一度読んだ時に議論を思い出せないんだよね。
2016-02-03 03:51:49昔から何度も挑戦しているが、PCを使ってメモを取るとか残しておくとか全くできない。ただマックにしてからハードディスクの検索が俄然楽になった。別にファイルの整理などしなくても、論文のデータを放り込んでおけば、キーワードですぐに取り出せる。これがメモみたいなもんかな。
2016-02-03 03:55:42Ingarus ... vivit sui et Dei et rerum quasi inscius, et simulac pati desinit, simul etiam esse desinit. (Spinoza, Ethica, V, prop42, Schol.)
2016-02-03 07:56:24「無知者は…自己・神・物をほとんど知らずに生活し、自身が働きを受けることをやめるや否や、同時に存在することもやめるのである」(スピノザ『エチカ』五巻定理42備考)。「自身が働きを受けることをやめるや否や、同時に存在することもやめる」ってホント、インターネットの世界の話だよな。
2016-02-03 07:58:11私の場合Twitterが思考の整理とメモ帳代わりで、後で思い出したい時にTwilog検索をかけています。Twitterメモの良い所は、自分が間違えた時にすぐに回りから指摘が入る所ですね。twilog.org/curatorshinya twitter.com/lethal_notion/…
2016-02-03 16:10:23@curatorshinya なるほど。ただスピノザのこの言葉は、世間の大勢に乗っかって他人を誹謗中傷する輩を徹底的に見下した言葉で、彼らには何らの積極性もないってことなんですね。スピノザはイヤというほどそういうのを味わったんでしょうし、僕らはネットで毎日それを見てますね。
2016-02-03 19:23:06@curatorshinya 「存在することをやめる」ってのがすさまじい一言だと思うんです。ああいう連中は存在していないのも同前ってことですから。因みに英訳だとこうです。as soon as he ceases to be acted on, he ceases to be.
2016-02-03 19:25:28@lethal_notion ご丁寧にありがとうございます。國分さんの言っていた文脈が分かって来ました。次回國分さんがスピノザ論を書いた時にちゃんと応答できる様、私も引き続き学問に励みたいと思います!
2016-02-03 19:26:59@curatorshinya これはエチカの最後の定理の備考ですから、この本のホントの最後に書かれていることなんですね。最後の最後にこれが書かれているというのはなかなか考えさせられます。最後の最後だからこの一言ぐらいは言わせてくれという雰囲気もやや感じます。
2016-02-03 19:27:58@lethal_notion 以前國分さんがライプニッツについて話していましたが、今からライプニッツの理性真理と事実真理について連ツイします。ライプニッツの事実真理における「偶然」の問いは、ジョン・ケージに会う以前のパイクが考えていたことでもあり、とても興味ふかいです。
2016-02-03 19:28:24@curatorshinya 僕もこのタイミングでバリバールの集中講義を受けられるということで本当にラッキーだなぁと思っています。なんかラテン語を書き写すのがものすごく楽しいんですよ!
2016-02-03 19:29:07@lethal_notion きっとそうだったのだと思います。ものを徹底的に考えて行くと、それ以外の人々から自分が必然的に乖離して行きますから、ある意味仕方のない部分もあるかと思いますが、だからと言ってものを徹底的に考えている自己を批判しようとは思わないですしね。
2016-02-03 19:31:20@lethal_notion それは素晴らしいですね!私は今ようやく、ドイツ語がある程度できる様になってきて、言語の癖の様なものが分かる様になってきました。勉強は楽しみながらやるのが一番ですね!
2016-02-03 19:32:39