オリジナリティ(独自性)とはなんぞや?な話

作家(今回は特に絵方面)にとって、独自性のある個性の獲得は重要、と言われがちですが、実際にはそうでもないんじゃないの? というような話。 絵を簡略化する方向への進化の過程で、毎回楽な線を選んでできあがった「その人なりの省略の仕方」も個性だけど、絵を写実的にする方向への進化の過程で「直しきれない癖」(他人や描写対象と区別できる違い)もまた個性。 写実的な絵を目標にしている人の場合、到達点は「より本物そっくり」なわけだから、上達すればするほど「個性」は消失に向かう。 続きを読む
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嘉弖苅 悠介 @yu_Katekari

@azukiglg あずきさん。オリジナリティとはなんでしょう。個性と同じでしょうか?

2011-01-26 17:12:24
嘉弖苅 悠介 @yu_Katekari

別に今オリジナリティは求めてないんだけどどうなんだろ。見て綺麗だと思った現実から自分の精神を乗せて描きたいように描いてるんだけど。いつかオリジナリティなるものが勝手にでてくればいいなーとかはあるけど

2011-01-26 17:19:17
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori 個性というか、「独自性」ということになりましょうが……絵柄の「独自性」についてはいろいろ解釈もありまして。

2011-01-26 17:44:08
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori 「省略」「デフォルメ」(簡易化)に向かうオリジナリティと、「緻密・細密さ」「リアリティ」に向かうオリジナリティというか。文章の話は一度置きまして、絵柄についての解釈をしますと、「絵柄の個性」というのは「たくさんある線の選択肢から、どの線を選び、どの線を残すか」

2011-01-26 17:45:28
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori ではなかろうかと。毎回、その人がよいと思った(または無意識に)選んで残す線と、その人が選ばず捨てる線というものがあって、「毎回選んでしまう線」によって「毎回似たような簡略化」がされ、それがその人なりの「個性」と呼ばれるのだと思います。

2011-01-26 17:46:25
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori 漫画家で言うと、仮に同じ人物画を描いてもうえやまとちと宇仁田ゆみでは、全然違う人になります。もっとわかりやすい例では、画力対決における西原理恵子とその他の作家さんの違い、みたいな(一層わかりにくいw)

2011-01-26 17:47:33
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori 簡略化は、「残す線を選ぶセンス」「省略するセンス」によって、個性というか作家毎の「識別可能な違い」が出るのであろう、と。ですので、どの線を残すかについて、他の作家の影響を受ける、ということもあるかもしれません。漫画家の師弟関係では顕著です。

2011-01-26 17:48:52
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori 一方で、「より精密に、より緻密に、よりリアルに」という方向に進化を続けた場合、個性云々というより「限りなく現実にあるものに近い」「より写実的」に近付いていくのではないかと。

2011-01-26 17:50:48
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori 作家によって選ぶ画材などアプローチが違いますし、技術の習熟度の違いがありますので、そのへんが「癖」として出てくることはあるでしょうが、目指す方向は「より現実そのものに近づけるかどうか」になるので、リアルを目指す作家さんの作風は、全般に似てくるんじゃないかと。

2011-01-26 17:50:53
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori 大家大物になっても色使いや仕上げなど「毎回無意識のうちにしてしまう癖」が抜けなければ、それが個性(作家を識別する特徴)にはなると思います。そうでなければ、写実主義の画家の区別を付ける方法は、画家が入れたサイン以外にないことになりますw

2011-01-26 17:51:55
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori で、個性とはなんぞやという話に戻るわけですが、簡略化を目指した画風の場合は、先に述べたように「より楽な描き方、線の選び方」をした結果が「個性」です。一方、逆のベクトルを目指す作家の個性というのは、僕は「直そうと思っても直らない癖」と理解しています。

2011-01-26 17:54:01
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori 到達目標は「より現実に近い」「より正確」「より細密」「より本物らしく」の作風の場合、繰り返しになりますけど究極的到達点は【写真】です。まあ、そこまでリアルに描くより写真撮った方が楽wなわけですけど、写真は存在しないものは撮れないです。そこが写真の限界。

2011-01-26 17:55:15
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori 存在しないものをまるで存在するかのように描くことが、「リアル」を志向する作風の人の到達点だとすると、到達していない段階の「作家毎の作風の違い」「個性」というのは、単に「直しきれない癖」以上でも以下でもないのでは、という。

2011-01-26 17:56:35
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori その癖が出ることで、「それは現実ではなく、作品」とバレるわけですから。

2011-01-26 17:56:40
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori あと、【どこで筆を置くか?】、または【どの状態を完成と考えるか?】によっても差とか個性とか出ると思います。完成度をどこに設定してるか、とかみたいな。

2011-01-26 17:57:46
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori 「お気に入りの誰かそっくりになりたい」というのが到達目標ではないのであれば、【個性的かどうか】【自分なりの個性の獲得】っていうのは、あんまり重要なことではないんじゃないですかね。褒め言葉としての「個性的」っていうのも、あまり意味を持たなくなりますけど(^^;)

2011-01-26 17:58:35
嘉弖苅 悠介 @yu_Katekari

@azukiglg ぬるほど…ちょい会った人にオリジナリティ足り無いと言われたんですが、もしオリジナリティを自分の絵柄で求める場合は使う色とか背景や服装デザインになってくるんですかね。黒髪の日本人女性が佇んでいて、目が綺麗!みたいな絵にオリジナリティって言葉は使わないような?

2011-01-26 18:18:03
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori キリコとゲルニカの頃のピカソとレンブラントを比べたら、それぞれ一発で区別が付く【個性】がありますけど、彼らは他人と識別できる個性の獲得を求めて精進してたわけではないしなあ(^^;)

2011-01-26 18:20:41
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori レンブラントは凄い近眼だか乱視だかで「くっきり見えずぼやけて見えるもんだから、ぼやけた視界を正確に再現した」という逸話があるらしいです。写実を求めているのに漆黒の闇にコントラストで人物がぼんやりと浮かび上がる作風を愛する人は多いですが、

2011-01-26 18:23:09
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori レンブラントの場合、「目が悪いので少しでも見えやすい状態で(コントラストくっきり」「それでも見えないから輪郭は見えた通りにぼんやりと」という当人の都合であの画風になったとゆー。

2011-01-26 18:24:08
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori まあ、作者の必要、都合が第三者から識別可能な場合に「個性」と呼ばれるのだ、くらいに思っておけばいいんではないでしょうか。

2011-01-26 18:24:12
嘉弖苅 悠介 @yu_Katekari

@azukiglg 明確に個人だと分かる一貫したコンセプトが欲しいって話だったのかな。相手の知識幅によってオリジナリティ溢れてるかどうかも変わるような。

2011-01-26 18:28:24
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori そそ。結局、その作者が「個性的」であるかどうかというのは、作者当人が決めることではなくて、観察者、読者、視聴者、など「外部でそれを見てその人なりの理解や評価をしようとする人」が決めることだから。

2011-01-26 18:29:26
加藤AZUKI @azukiglg

@mettyori なので、観察者の能力、経験、知識幅によって「自分が知っている何か」になぞらえることができるか、できないか、で評価が決まったり変わったりするわけですね。なもんだから、知識や経験の多い評論家の評価がありがたがられるわけですが、評論家にだって好き好きはあるのでw

2011-01-26 18:30:26
加藤AZUKI @azukiglg

@senbei_neko @mettyori 写実性を強く求めると個性はむしろ減っていき(現実、という個性に近付くから、でもいいんですが)、省略/線の簡略化を求めると、削る線の種類によって、「個性」とされる識別可能な違いが出るよ、ちゅー話でした。

2011-01-26 18:33:12