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「フラジール・ライブズ、シャッタード・ドリームズ」

TEXT KARATE
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ジュセー @shiroboshi2

「ハァ?なんだよって、聞いて……ッ!?」ナックルヘッドは目を見開いた。インテンシティと名乗る男を指差そうとしたが、体の自由が効かない。「なんだ、これ、は!」腕が動く。掌を胸の前で合わせる。上体を下げる。オジギ。「ドーモ、インテンシティ=サン」39 #S57Ninja

2016-02-06 00:53:16
ジュセー @shiroboshi2

勝手に言葉が流れ出る。アイサツ。(((なんだこれは!クソッタレが!)))「ナックルヘッドです」「ナックルヘッド=サンか。フン……中々いい名を名乗るではないか。よく似合っているよ、己のことがよくわかっている」インテンシティの目がバイザーの奥で細まった。40 #S57Ninja

2016-02-06 00:56:39
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

インテンシティ……やはりアマクダリか? #S57Ninja

2016-02-06 00:57:28
ジュセー @shiroboshi2

「なんだよ……なんなんだよ、お前は……アマクダリかァ!?」「フム。さしずめ、先日の『ナガレモノ』検挙で生死の境を彷徨った者の成れの果て、か」インテンシティが歩みを進める。ゆっくりと、ナックルヘッドの方へと。カシャカシャ。カシャカシャ。鎧の音がよく響き渡る。41 #S57Ninja

2016-02-06 01:00:35
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

『ナガレモノ』。ライブハウスだろうか #S57Ninja

2016-02-06 01:01:28
ジュセー @shiroboshi2

「「「なんだ!なんだ!テッペン!なにが!?」」」群衆が騒ぎ立てる。ナックルヘッドは廃線路を振り返り、息を呑んだ。群衆は不安そうな顔を浮かべている。心臓の鼓動が早まる。『ナガレモノ』検挙。アマクダリ。客が大勢死んだ。今回も?「……安心しろ、俺のカラテは」42 #S57Ninja

2016-02-06 01:03:57
ジュセー @shiroboshi2

「「「実際ヤバイ!テッペン!テッペン!!ワオオーッ!ウォーオ!」」」群衆が活気を取り戻し、また騒ぎ始めた。ネオサイタマのオショガツ並みの騒がしさだ。ナックルヘッドは笑った。インテンシティが歩み寄る。カシャカシャ。カシャカシャ。鎧の音が、よく、響き渡る。43 #S57Ninja

2016-02-06 01:07:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

幻覚で自分の戦意を高揚させてくのか……そしてインテンシティはヨロイ・ニンジャクランだろうか? #S57Ninja

2016-02-06 01:08:01
ジュセー @shiroboshi2

(((ここで俺がカラテを見せつけてやれば、こいつらはもっと俺を必要とする。俺を求める。俺を崇める!テッペン!負けるわけにはいかねぇ……逃げられちまう……)))ナックルヘッドはカラテを構え、その場でステップを踏んだ。カシャカシャ。カシャカシャ。鮮明な鎧の音。44 #S57Ninja

2016-02-06 01:12:44
ジュセー @shiroboshi2

「……アワレよな」「アァ……?」インテンシティの言葉の意味がわからず、ナックルヘッドは首を傾げた。「アワレだと?……お前らが、お前らが『ナガレモノ』を検挙だなんだといって潰して!だから!俺は!ここに皆を集めて!毎夜毎夜!それがアワレ!?お前らが言うなよ!」45 #S57Ninja

2016-02-06 01:16:18
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

怒りはある。しかしインテンシティが言うのはおそらく…… #S57Ninja

2016-02-06 01:17:23
ジュセー @shiroboshi2

「アワレというのは君のことだ、ナックルヘッド=サン。実に、アワレだ」「なんだと?」ナックルヘッドはカラテを構えながら訝しむ。この男は何を言っている?「気にするなよ、ナックルヘッド。ダイジョブだ。自分を信じろ。カラテだよ、お友達」シナジははにかんだ。46 #S57Ninja

2016-02-06 01:20:20
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

もしかしてシナジというのは、ナックルヘッドのモータル時代の名前だったりしないだろうか。自分との対話…… #S57Ninja

2016-02-06 01:21:36
ジュセー @shiroboshi2

「シナジ!お前、いつからそこに!下がってろ、アブナイだ!」ナックルヘッドは隣に立つシナジを見た。ピンク色のモヤがかかったシナジが立っている。シナジははにかんだ。「お前の手に掛かってるんだ、お前のカラテに敵は無い!やってやれよお友達!」シナジははにかんだ。47 #S57Ninja

2016-02-06 01:23:58
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ピンク色の光……はにかんだ表情とまるで噛み合わない台詞…… #S57Ninja

2016-02-06 01:25:00
ジュセー @shiroboshi2

「「「ウオオーッ!テッペン!テッペン!テッペン!」」」「シマッテコーゼ!俺にはそれしか言えねぇ、カラテがあるのはお前だ。すまねえな、これぐらいしか俺にはできねぇ。任せっきりで、悪い」「シナジ……お前ら……」ナックルヘッドはシナジと、群衆を交互に見た。48 #S57Ninja

2016-02-06 01:29:26
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

しかし仕掛けないインテンシティは警戒しているのか慈悲深いのか #S57Ninja

2016-02-06 01:30:41
ジュセー @shiroboshi2

インテンシティは彼の様子を観察しながら、歩みを進め。ナックルヘッドとの距離がタタミ一枚分ほどになると、足を止めた。腕組みをしながら、ナックルヘッドを見つめる。「お前ら……俺のカラテはァ!」廃棄された無人の地下鉄ホームに、彼の声はよく響いていた。49 #S57Ninja

2016-02-06 01:32:43
ジュセー @shiroboshi2

ナックルヘッドはインテンシティへと顔を向けた。ボサボサの髪が揺れ、メンポ代わりの襤褸布が靡く。ギラギラとした双眸が、インテンシティを睨みつける。「聞いたろ……俺のカラテは実際ヤバイ。それに、俺はこいつらの命背負ってんだ!負けてたまるかよ!」「……フム」50 #S57Ninja

2016-02-06 01:36:21
ジュセー @shiroboshi2

インテンシティは腕組みをしたまま、声を発した。「実に良い台詞だ。古き良きカートゥーンの主人公のようで、とても良い。状況が状況でなければ、私は素直に感動を覚えていたであろう。が、今はただアワレ……いや、アワレを通り越して滑稽でしかない」51 #S57Ninja

2016-02-06 01:39:54
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