九州交響楽団第347回定期演奏会(2016年2月6日)感想まとめ

演奏会情報

もう一人の若きマエストロ、イタリアオペラ「愛・嫉妬・死」
http://kyukyo.or.jp/cms/4823

2016年2月6日(土)午後3時開演
於アクロス福岡シンフォニーホール

• 曲目
  ロッシーニ／歌劇「ウィリアム・テル」序曲
  ベルリオーズ／序曲「ローマの謝肉祭」作品9
  レオンカヴァッロ／歌劇「道化師」〈演奏会形式〉

• 出演
  指揮：アンドレア・バッティストーニ
  カニオ(テノール）：福井 敬
  ネッダ(ソプラノ)：嘉目真木子
  トニオ(バリトン)：桝 貴志
  シルビオ(バリトン)：塩入功司
  ペッペ(テノール)：与儀 巧

【曲目】伊藤康英／２人のカスタネット奏者のための ジャグリング・ジャグラーズ
【出演】カスタネット：黒川英之、長谷川真弓

九響のFacebookページから

＞＞マエストロ、福岡へ、そして九響へようこそ！
　「九響は、僕が２番目に出会った日本のオーケストラ。福岡に初めて来てまだ3日目だけど、みなさん友好的。そして、オーケストラのメンバーが最善を尽くそうとしているのを感じています。
　オペラの演奏経験が少ない“シンフォニー・オーケストラ”にとって、オペラの演目は決して容易ではないし、この作品は色々な感情が入り組んでいてかなり複雑ではあるけれども、挑戦することが大切だと考えています。今回僕は、イタリアの伝統とスタイルをここ福岡にもってくることを使命としてやってきました。特に《道化師》は、イタリア音楽特有の歌唱法が要求されます。イタリア民謡も入っています。猛烈な印象、強い感情・・・それらを表現するには、オーケストラがよく歌って、正しいスタイルで演奏することはとても重要だと考えています。九響と高いレベルに到達できる可能性を感じています！」
＞＞イタリアのスタイルって簡単にいうとどんなもの？
　「Canto（カント）! つまり、歌です。一音一音が意味を持って歌われるべきだと考えます。イタリア語って“歌”のための言葉であると思うんです。とても外向的な性質をもっていて。音楽も同じだと思います。」
＞＞九響の印象は？
　「とてもきめ細やかで調和のとれたいい音をしていると思います。日本のオーケストラはドイツものを演奏することが多いから、時々ドイツ音楽的なアプローチをしてしまうことがある。例えば、スーパー・ピアニッシモが要求されるとき、あるいは、カンタービレの旋律で深い深い音が要求されるようなところで、音が透明すぎたり深みに欠けたり。でもそれは、私の仕事ですね。」
＞＞福岡の観客にメッセージを！
　「福岡で演奏できることをとても幸せに思っています。日本では、東京以外の街を訪れる機会は少なくて。福岡の皆さんに新鮮なレパートリーをお届けしたかった。ここに来るのをとても楽しみにしていました。福岡の皆さん、会場でぜひお会いしましょう。そして若い皆さん、ぜひいらしてください。《道化師》は、すごくエキサイティングで恐ろしくショッキング。次回はクエンティン・タランティーノ氏をステージにお向かえしたいくらいです（笑）。暴力的であったり、とても甘かったり、愛の物語でもあって・・・それに、この作品は洗練されたオーケストレーションで、演奏会形式で開催することに意味を感じています。ヴェリズモ・オペラは、聴きやすい作品だって言われることが多いけど、僕はそうは思いません。聴きやすいというより、心を打つ作品なんです！」

演奏会前、休憩時間