ボダブレ鎮守府【序章】

セーラー服とマシンカノン 夕張に「プランG、いわゆるピンチです」とか言わせたかったわけではない、多分・・・
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深海さかな @dzurablk_kai

変なところで気を使うのはちっとも変わらないのね、とあきれながらシェスティンは、懐から金色に光る細身のタバコを取り出す 「やめたんじゃなかったのか」 「誰かさんがこれ見よがしに吸うから、欲しくなってしまいましたわ」 提督の差し出すオイルライターに顔を朱に染まらせ #ボダブレ鎮守府

2016-02-11 01:42:52
深海さかな @dzurablk_kai

紫煙を肺の腑に落とし込むと、数年ぶりとは思えないほど煙が体に馴染んだ 「俺にも火、もらっていいか」 提督がくわえたピースに、シェスティンはシガーキスで火を移す 「こうしてお前と一服やるのも、久方ぶりだな」 「あら、あの頃に戻りたい?」 提督は答えず、沈黙 #ボダブレ鎮守府

2016-02-11 01:46:22
深海さかな @dzurablk_kai

「ま、言わなくてもわかりますわ」 「今の俺には立場ってもんがある 面倒なことにな」 「でも、あなた自信の本心は?」 提督は答える代わりに、半ば強引にシェスティンの唇を奪った 「・・・あの子達が知ったら、ビックリするでしょうね」 #ボダブレ鎮守府

2016-02-11 01:47:58
深海さかな @dzurablk_kai

「俺とお前が恋人どうしだったということか?」 「・・・元陸自の幹部崩れと聞かされていた上官が、傭兵として世界各地の戦場でブラストを乗りこなしていた、ということの方」 「陸自崩れも嘘ではないぞ」 「余計に奇っ怪なキャリアですわ」 #ボダブレ鎮守府

2016-02-11 01:49:56
深海さかな @dzurablk_kai

「世界に名だたるブラストメーカーにして、老舗の軍事系多角企業の重役令嬢が、傭兵のエースとして結婚もせずブラストを乗り回している、ということと、どっちが奇っ怪かな?」 提督の軽口にシェスティンは肘鉄で腕を軽く小突くと、タバコを煙缶に放る #ボダブレ鎮守府

2016-02-11 01:56:29
深海さかな @dzurablk_kai

「なんだか、歓迎会で飲み過ぎてしまったようですわ 今日はこの辺でおいとまします」 「そうか、おやすみ」 「あら、レディーを部屋まで置くってくださらないの?」 振り替えるとシェスティンのいたずらっぽいな笑顔 #ボダブレ鎮守府

2016-02-11 01:58:07
深海さかな @dzurablk_kai

「・・・俺が傭兵時代、仲間になんてあだ名されてたか知ってるだろ」 「『送り狼のレオ』 ブラストだけでなく、女を乗りこなすのも相当な手管だったらしいですわね?」 「それをわざわざ招き入れるなんて、罠があるとしか思えないな」 #ボダブレ鎮守府

2016-02-11 02:00:13
深海さかな @dzurablk_kai

「そういう戦局でも敵陣に飛び込んでいくあなたの背中、今でも夢に見るのよ? ・・・素敵でしたわ」 シェスティンが提督の腕に柔らかく抱きつく 「夢ではなくこうして、直に触れあえているのに、お預けなんて酷いですわ」 #ボダブレ鎮守府

2016-02-11 02:02:29
深海さかな @dzurablk_kai

拗ねたような上目使いに提督はくすりと笑うと、タバコを投げ捨てシェスティンの肩を抱いた 「あら、今のあなたには立場があるのではなくって?」 「立場のある人間ほど、それだけスキャンダルになるような過ちを犯すものなのさ」 そうして寄りそう二人の姿は、 #ボダブレ鎮守府

2016-02-11 02:04:17
深海さかな @dzurablk_kai

宵闇に沈む宿舎のドアへと消えていった・・・ #ボダブレ鎮守府

2016-02-11 02:04:44
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