- canjani8kanjani
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26 甘えるようにそのままグリグリ押し付けて。 「な?」 『ん?』 「もっかい言って?」 『何て?』 「忠義大好きって」 『えっ?』 「さっき言ってくれたやん」 『そ、そうだっけ?』 「うん、言った」 『じゃ、もういいじゃん』 「やだ。もいっかい」
2016-01-28 08:19:1627 犬が尻尾振って覗き込むように甘えてくる、この顔に弱い。 『…』 「ん?」 『…き』 「なにぃ?」 『…よ…、…き…』 「聞こえへん」 『…っ!もうっ!』 恥ずかしくて嬉しくて。 耳元で小さく、でもはっきりと囁いた。 「…ん…俺も好き」 『…うん』 「丸子、大好き」
2016-01-28 08:19:2828 頬に忠義の大きな手が触れる。 少しずつ忠義の顔が近付いてくる。 あともう少し。 受け止めようと、目を閉じた。
2016-01-28 08:19:4030 『きゃっ!?』 突然忠義に床に押し倒された。 『えっ、やっ!』 慌てて逃げようとする体を抱き締める様に抑え込まれて全身が緊張する。 『ちょっと、ただよ…』 忠義が密着して体中がドキドキ言ってる。 首筋に顔を埋められて息がくすぐったい。 こんなとこで…ダメ…。
2016-01-29 15:27:3731 何かゾクゾクして身じろぎをした。 「シッ…動かんといて…」 咎めるような鋭い声。 え?どういうこと? 身を隠すように体重をかけて来る忠義。 ちょっとやだ…そんなとこ触んないで…。 『忠義…?』
2016-01-29 15:28:0432 問い質そうとしたその時、言い争うような声と足音がして部屋に誰か入ってきた。 『えっ?』 誰だろう、こんなとこに。 足音が2つ…かな? 逃げる一人を追いかけるようにもう一人。 あ…鍵かけた…どうして? 忠義を見ると、同じように耳を澄ませて様子を伺ってた。
2016-01-29 15:28:2833 『ねぇ、何で隠れるの?』 「や、何となく…」 小さい小さい声でヒソヒソ話す。 『ね、重い』 「んぁ、ごめん」 音をたてないように気を付けて、棚の陰に隠れた。 一体誰? こっそり覗いてみると、そこに見えたのは女子生徒の後ろ姿と生徒指導の村上先生。
2016-01-29 15:28:4534 あれは…もしかして…? […ったく…余計な事しな言ったやろ…] 呆れたように言って溜息をつく先生。 (別に何もしてませんけど?) あの声は…。 [これ見てもそんなん言えるんか、お前] そう言って懐から取り出したのは学園祭の入場チケット。
2016-01-29 15:29:0235 基本的には家族や生徒で申請した子たちだけに配られる。 でも毎年近隣の男の子たちが喉から手を伸ばして欲しがるプラチナチケット。 [見覚えないか?] (…) 黙りこくる後ろ姿。 [どんだけ儲けてん?…安子?] …やっぱり…安子。
2016-01-29 15:29:1636 色んな子に声かけてたと思ってたらそんなことしてたんだ…。 (別に悪いことしてないもん) [ああ?] (私だけじゃないし) [他にもおんのかい…誰や?] (…) あのとき一緒にいたのは…村子、だ…もう…。 […ったく…] (いらないチケット回したっていいでしょ、別に)
2016-01-29 15:29:2837 [わざわざ申請して貰ったチケットいらんはずないやろ] (いいじゃん!みんな喜んでたもん!こういうときくらいじゃないと積極的になれないじゃん!) [子供がダフ屋やら女衒みたいなことすんな!] (ぜ、げ?何?) はーっ…て心底疲れたように大きく息を吐く先生。
2016-01-29 15:29:4238 [せやから子供や言うとんねん…] (子供子供って何よ?お年頃だもん!恋愛だってしたいし遊びたいし、色んなことしたいじゃん!) [せやけど…] (自分たちでそれっくらい判断できるもん!) […まだ子供が変なやつに捕まったらどーすんねん…] (…変なやつって?)
2016-01-29 15:29:5339 […色々あるやろ] (色々って?) [相手取りあえず誰でもええとか、騙くらかそうとかするやつとか…] (…) [真面目な顔して変なことしようとするやつとか…そんなん区別つかんやろ、まだ…] (…先生みたいな?) 挑発するような安子の声。 チラッと安子を見る村上先生。
2016-01-29 15:30:1040 ふたりとも動かない。 あれ、何?この緊張感? 「な…体しんどない?」 『シッ!』 忠義、うるさい。 じっと安子を見てた先生がニヤリと笑った。 […あぁ…お前拗ねてたん?] (…っ!) [構って欲しかったんや?] ピクリと反応する背中。 安子?
2016-01-29 15:30:2341 […学園祭の準備とかで忙しかったやん、お前かて…] え、何?どういうこと? ポリポリ頭をかく先生。 髪の毛が崩れて額に落ちた。 (…いい子にしてたもん) [あぁ?] (ずっといい子にしてたもん) フッと笑って、俯く安子を優しい顔で見てる。 あんな先生見たことない。
2016-01-29 15:30:5242 いつも大声で叫んでて、このご時世なのに何かあったらすぐ手が飛んでくる。 まあ授業は面白いし、がははって笑う笑顔が憎めなくて意外と人気がある先生…だけど。 今の先生の顔は初めて見る顔。 そんな顔、ただの一生徒に見せる顔なの? [あかんことしたやん] (してないもん)
2016-01-29 15:31:0943 [わかっててやったんやろ?] (知らない) [お前…] (知らないもん) プイッて横を向いてしまった。 こんな駄々っ子な安子も見たことない。 いつもにっこり笑って、その笑顔で周囲を動かしていく。 おっとりしてるように見えるけど、実際はテキパキ色んなことを器用にこなす。
2016-01-29 15:31:2244 なのに。 [悪い子やろ?] (いい子だもん) […] (…ずっといい子だったもん…) 諦めたように先生が肩を落とした。 […わーった] 安子がビクッて先生を見た。 [ええ子やってんな…ずっと…] 安子に近づいてく。 [お仕置きは後にしといたる]
2016-01-29 15:31:4245 触れるギリギリで安子を覗き込む。 [まずは…ご褒美からな…?] (…ッ!) そのまま大きく口を開けて、吸血鬼のような八重歯で安子の首筋をカプッて噛んだ。
2016-01-29 15:32:0046 えっ…えっ…?何…?ここ、で?先生と安子? パニックになる頭の中。 でもふたりから目が離せない。 首筋に舌を這わされて、安子がピクピク体を震わせてる。 […、…?] (…ッ、…) そのままふたりでこそこそ話してる。 何…?聞こえない…。 思わず体を乗り出した。
2016-01-29 15:35:0347 後ろで誰かに声かけられた気がしたけどそんな場合じゃない。 […する?] (…ん…) する?何を? クスッて笑って先生が椅子に座った。 その前に安子が膝まづいて、先生の後ろ姿しか見えなくなった。 [何だかんだ言って好きやな、お前これ] カチャカチャ金属音がする。
2016-01-29 15:35:5648 あ…安子の顔が見えた。 頬赤らめて睨むように先生を見上げてる。 その目は熱に潤んでるように見えた。 そのままおっきく口開けて下向いて、また見えなくなった。 [っ…] 先生の顔が少し歪んで、唇をペロッと舐めた。 聞こえて来る、チュッチュって濡れた音。 (ん…んっ…)
2016-01-29 15:36:3049 苦しげに呻いて上下する安子の頭。 [美味そうに舐めよんなぁ…相変わらず…] うっとりした先生の声。 これってやっぱり…。 [口ん中の感覚って快感に直結しとるって言うやん。やっぱ舐めるだけで感じてたりするん?] (っ…!) [ッて!そんまま喋んなって…] (んー!)
2016-01-29 15:37:2450 [ちゃうのん?…でもほれ…」 (ふっ、んっ!?) [ここ…俺の靴に染み出来とるやん…何で?] (んっ、んっ、…ッ) […ふっ] 先生の笑い声と、グチュッて粘着質な音が響いた。 [口ん中いっぱいにして、色んな想像しとるんやろ…?子供やのにやらしーなぁ]
2016-01-29 15:38:19