『ユリイカ』2月増刊号「総特集 江口寿史」宮本大人さんによる解説ツイート

MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

みごと重版出来を果たした『ユリイカ 2016年2月臨時増刊号 総特集江口寿史』。 amzn.to/1PwB78E もっともっと売れてしかるべき大充実の一冊なので、感想＆紹介ツイートをいくつかしてみます。

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ユリイカ・江口寿史特集、描き下ろしのイラストが素晴らしいのは言うまでもないんですが、裏表紙や目次・扉の頁の写真も素敵ですよね。これ、撮影のお二人はいずれも江口さんの担当編集者。江口さんがいかに担当さんに愛されてるかがわかります。 amzn.to/1PwB78E

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交流のある漫画家さんやアーティストのみなさんのトリビュートイラストやエッセイもあり得ないようなラインナップ。陸奥Ａ子、車田正美、山上たつひこ、萩岩睦美…とかってそんな並び、江口さんつながりじゃないとあり得ません。ユリイカ江口寿史特集 amzn.to/1PwB78E

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どのエッセイもイラストも素敵なんですけど、僕が一番予想外だったのは萩岩睦美（ @hagiiwa ）さんのイラスト。ちょっとドキッとするような微エロ（笑）感もありつつ、江口さんの作家性をすごくよく表してると思いました。総特集江口寿史 amzn.to/1PwB78E

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古屋兎丸 @usamarus2001 さんのも古屋さんヒストリーの中での江口さんとの出会いについて詳細に語られていてアツいし、中村佑介 @kazekissa さんのもひばりくんトリビュートと言いつつ、パイレーツやエイジの要素も入っていて素晴らしい。ユリイカ総特集江口寿史

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和田ラジオさんのエッセイ漫画も笑えましたが、田中圭一 @keiichisennsei さんのはもうほんと「あーもう腹立つわー！」っていうレベルで噴きました。そういうことじゃないっつってんのにあえてそれを絵にしてくるさすがのお下劣サイテーパロディ漫画家ぶり。ユリイカ総特集江口寿史

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その他のエッセイ、イラスト、アンケート等もほんとに面白くないものが一つもなくて何度読み返しても楽しめます。車田正美さんのとか大地丙太郎 @akitaroh さんのとかもぐっと来たなー。ユリイカ総特集江口寿史

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で、もちろんこの本の最大の売りはやっぱり江口さん登場のトークイベント３つの採録ですよね。ちばてつや対談、担当編集者座談会、音楽を語る講演、どれも面白くて貴重な発言が満載。全てに司会として関われて光栄です。ユリイカ総特集江口寿史 amzn.to/1PwB78E

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ちば対談、編集者座談会、音楽を語る、トークイベントはもちろんいわゆるベタ起こしではなく読みやすく整理されてるんですが、その辺の手際はさすがユリイカ編集部でした。そして三つとも江口さんがきちんと細部に補足を入れたりされています。 ユリイカ総特集江口寿史

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そしてマンガ家江口寿史ファンとして堪えられないのは「キャラ者」単行本未収録の傑作シリーズ「いきなりカレシづら男」の収録＆新エピソード描き下ろしですよね。このシリーズは僕が大好きでぜひこれを載せましょう！と推したところ、まさかの新作１頁描き下ろしが実現したのでした。

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「キャラ者」新作描き下ろしにはミヤモトによる簡単な解説が添えられています。原稿が間に合った場合と間に合わなかった場合を想定して２バーション用意していたのですが（笑）、いざやってきたのが、我々の想定していなかった「第２話」の位置に入るものだったので大急ぎで書き直したのでした。

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「キャラ者」新作と表紙イラスト入稿までの綱渡りのスケジュールを含めた制作ドキュメントは編集長（Ｆ）さんの編集後記で読めます。ていうかこの編集後記、この本全体の中でも最上の文章の一つじゃないかっていう気もします。 ユリイカ総特集江口寿史

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単に手に汗握る編集ドキュメントであるだけでなく、ああ、こうしてある種の編集者は江口寿史の虜になっていくんだなというのがよくわかるドキュメントにもなっていて、端正な文章で「焼きそばにさえ思いやりがある」などと訳の分からないことを言い出すあたりが最高です。 ユリイカ総特集江口寿史

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そして「詩と批評」の雑誌ユリイカならではの論考群も、素晴らしかったと思います。マンガなどの特集では「小難しい」こと言ってんじゃないかと警戒されがちなユリイカですが、この特集では密度が高いという意味で「難しい」論考はあっても「小難しい」ものはなかったんじゃないかと。

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夏目房之介さんによる丁寧でバランスの良い総論と、マンガ批評・研究界の俊英三輪健太朗さんによる、パイレーツについて自身の体験も絡めつつその「遊び」について目から鱗の指摘を行う論考に導かれるように、それぞれの論者の方の論考が響き合いつつ江口寿史の多面性を明らかにして行きます。

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パイレーツのリズム感とは何かを考える細馬宏通 @kaerusan さんの論考は、表現の側のメカニズムと読者の側の動的な読みの関わりに迫るもので、他のマンガ作品の分析にも応用できる刺激的な内容でした。ユリイカ総特集江口寿史

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エイジを題材にしつつ、「イラスト」というものの持つ時間性に触れた石岡良治 @yishioka さんの論考や、キャラ者におけるキャラのありようを論じた中田健太郎さんの論考も教えられるところが大きかったです。ユリイカ総特集江口寿史

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ひばりくんを論じた横井周子さんと堀あきこ @horry_a さん、永山薫 @Kaworu911 さんの論考では、Side B第２期の展示・解説も丁寧に踏まえた上で、そこで十分掘り下げきれなかった部分をしっかり論じて下さっています。 ユリイカ総特集江口寿史

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楠見清さんと南信長 @nobunagashinbo さんの対談は江口寿史がどのような文化の文脈の中で仕事をしてきたのかが分かるガイドになっていて特に若いファンの方にはここから色々たどれるんじゃないでしょうか。 ユリイカ総特集江口寿史

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「タンタン」やメビウスなどのバンド・デシネと江口さんの関わりを論じた原正人 @MasatoHARA さんの論考も、すごく読みごたえがあって勉強になりました。 ユリイカ総特集江口寿史

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あ、それともちろん、山上たつひこ・江口寿史往復ＦＡＸも面白すぎです。ていうか山上さんのひたひたと追い詰めていく感じの文章が怖すぎる（笑）。これはつい返事ができなくなっていくのもちょっとわかります。二人の作家性がすごく出てます。ユリイカ総特集江口寿史

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そしてそして。巻末のキーワード集、全単行本解題、マンガ作品年表と続く資料群もすばらしい。いずれも今まで出ていたものをその執筆者自ら更新するなど、最新にして最良のものになっています。ユリイカ総特集江口寿史

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富澤達三さんとヤマダトモコ @yamatomo413 さんによる５９のキーワードは何をキーワードとして選ぶかも含めて楽しめるものになってます。記述はどれもガチですが、ヤマダさんによるプッチンプリン風呂に必要なプッチンプリンの計算はガチだけにくだらなくて傑作。ユリイカ総特集江口寿史

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斎藤宣彦さんと横井周子さんによる全単行本解題も、ある時期からそもそもどの本にどの作品が入っているのかすぐにわからなくなっている（笑）江口さんの作品集のバイヤーズガイドとして優れたレビューになっています。ユリイカ総特集江口寿史

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そして三輪健太朗さんによるマンガ作品年表はいくつかあるマンガ作品リストのすべてを総合し、可能な限り初出誌に当たってデータを再確認した労作。今まではウィキペディアのリストが一番詳細・正確だったんですが更新されました。 ユリイカ総特集江口寿史