- k3_neoprotester
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さて、ここからは多少マニアックな事を書いてみようと思います。どのへんから説明していこうかも悩むくらいではあるのですが、とりあえず、書いてみます。
2016-02-15 17:10:30ヘイトスピーチ規制がなんでこうヤヤこしいのか、なんですが、実際考えてみると結構難しいです。在特界隈のヘイトデモで乱発されてきた《あからさまにダメなヘイトスピーチ》などは解り易いですが、実際、社会にある《表現》はあんなに解り易いものばかりではないから。
2016-02-15 17:13:00ちょっと昔かいた図なんですが、こういう問いかけをしてみても、人によって多少違いはでてきます。 pic.twitter.com/IaPt6Wg7l6
2016-02-15 17:22:38また、この《問い》も、どういうシチュエーションでの表現か、という条件を付け足すと、だいぶ変わってきます。例えば、《300人のヘイトデモ隊が商店街でやった場合》と《無人島でレイシストが1人でやった場合》じゃ、全然考え方は変わる。 pic.twitter.com/9gVWSWC5HP
2016-02-15 17:25:07しかも、いま挙げたのは《言葉》による表現だけ。表現には勿論、《言葉》以外にもいろいろある。絵画による表現。パフォーマンス。まぁ他にも色々な《表現》はある訳です。そういうの、どう判断してくのか?なかなか簡単な話ではありません。
2016-02-15 17:29:33なお、《絵画》での表現もヘイトスピーチ規制を考える上では対象の範囲内だ、というのも結構重要です。これは、フランスのシャリルエブドとて《イスラム差別を扇動する風刺画》が問題だった事であったり、日本での《はすみとし子》のイラストの件なんかを見てもらっても明らかだろうとは思います。
2016-02-15 17:50:57で、こうした様々な《表現》について、どういう基準で、どういう判断をして、《ヘイトスピーチ》だと認定していくのか?この難解なテーマに対して、日本には勿論《先例》らしいものがありませんので、よその国だとどーやって取り組んでこられたのか、等を見ていくことになる訳です。
2016-02-15 17:53:08いくつか紹介してみたいと思います。念のため、もう一度書いておきますが、これらはあくまで参考例だ、ということです。また、どの国においても《試行錯誤されている過程なんだ》という事も重要です。
2016-02-15 17:54:33まず、個人的に上手いなー、と思ったものとして、カナダの《人権法》で昔行われていた方法を挙げてみます。ただ、このカナダの人権法のHS規制条項は、9.11テロ後のイスラモフォビアの高まりを受けて廃止されてしまったものです(刑法によるHS規制は存続してますが)。
2016-02-15 17:56:23カナダの人権法では《憎悪の特徴》という《11の要素》を列記し、これに該当するかどうかを判断する、という方法でヘイトスピーチかどうかを判断していたそうです。内容は、画像で添付。 pic.twitter.com/WRKyf7RwnQ
2016-02-15 17:58:20《害虫又は排泄物と比較することで非人間化している》とか《迫害や悲劇を過少化したり祝福したりする》とか、結構キメ細かい基準を作っていて、結構しっかり悩んで作られたものだろうなぁ、と思います。
2016-02-15 18:01:11これがどう運用されていたのかは、いまいち私もよく解りません。基本的に《どれか1個でも該当するとアウト》という運用だったと聞いたりもしましたが(確認はできてません)。こういう基準も、《1個でアウト》とか《任意に3個以上でアウト》とか、いろいろ調整はできたんじゃないかとは思いますが。
2016-02-15 18:03:31なを、誤解を排する意味で、カナダの刑法にあるHS規制も紹介しておきたいと思います。これは「三羽の雀」さんというウォッチャーさんがブログで紹介されていたものなんですが。
2016-02-15 18:07:08カナダには、ヘイトスピーチに関する刑法の規定は2つあって、1つはヘイトスピーチの中でもかなりマズい類型である「ジェノサイドを扇動する表現」で、もう1つが一般的なヘイトスピーチに関するもの。
2016-02-15 18:08:17こちらが、ジェノサイドスピーチに関する規定。 pic.twitter.com/DZZ5Pkj3RH
2016-02-15 18:09:06こちらが、その他のヘイトスピーチに関するもの。 pic.twitter.com/QTdUmEe8AG
2016-02-15 18:10:12次は、 artk.blue ←こちらの有難い有難いサイトで翻訳&紹介されている、《ケニヤの電子メディアにおけるヘイトスピーチの監視のためのガイドライン》を紹介してみたいと思います。 artk.blue/data/FS_hate_j… ←元ネタはこちら。
2016-02-15 18:20:10この、ケニアのガイドラインは《目的》が添付の「抜粋」に挙げたようなもので、なんというか、ちょっとナショナリズムなテイストもあるのかもしれません。が、具体的な基準は結構ちゃんとしてると思います。 pic.twitter.com/R0IdG37KIb
2016-02-15 18:24:37このケニアのガイドラインでは、添付のように述べた上で、6つの考慮要素を提示しています。 pic.twitter.com/7kP36ranhx
2016-02-15 18:30:45提示されている要素(a)~(c) pic.twitter.com/eYO8ookMTb
2016-02-15 18:31:58t提示されている要素(d)~(f) pic.twitter.com/sbIRld6FM2
2016-02-15 18:33:08大雑把にまとめると、 a)スピーチ全体 b)表現のトーン c)声明の正確さ d)文脈 e)表現の目的 f)影響や危険 という6つの要素を見ながら、ヘイトスピーチになるかどうかを考えましょうね、という事を言ってる訳です。
2016-02-15 18:35:13