
大阪大学で行なわれた「被曝を語る」という講演とワークショップを覗きに行った顛末

僕は、博士課程の学生というのはその研究分野に関しては自分よりも詳しいと思っているし、実際、学生に教えてもらうことが多い。研究者としての経験年数くらいしか違いはないと思う。研究者として対等に扱うのが当然じゃないのかな。うちの博士学生はたいてい僕より遥かに優秀なんだけどな
2016-02-13 17:23:12
改めて書くと、昨日のイベントで話をした方々のうち、東京から自主避難している方の話は始めから終わりまでデマと言うべきものだった。当人の体験と主観としては事実だろうけれども、内容的には今まで僕が聞いたデマの中でも最も酷いものだと言ってよい。それは誰かが止めるべきではなかったのか?
2016-02-13 17:29:29
主催者が止めなかったので、阪大教員として止めるべきと思い、声を挙げたのだが、終了後、指導教員(たぶん)と議論して、イベントの混乱を招いた点について皆さんに謝っておいた。あれは、僕ではなく、主催者側がきちんと考えるべき問題だったと思う。恐らく事前に予想されていた内容なのではないかな
2016-02-13 17:34:04
事後に主催の教員と話した感じでは、話は充分に聞いてもらえそうな感触だったので、いつでも放射線について話に行くと伝えた。主催の学生ともじっくり話したかったし、学生側も話したいように見えたのだけれども、残念ながらあまり話せなかった。一度、きちんと話を聞いてみたい
2016-02-13 17:37:37
「自由な語り」の中に「酷いデマ」は許されるのかという問題で、これはぜひ主催者にも考えてもらえるとうれしい。ひどくデリケートな問題を扱っているという点は何度でも考えてみる必要がある。完全に閉じた空間ならともかく、公開のイベントとなると、そこで語られることへの責任は生じると思う
2016-02-13 17:44:58
おしどりマコさん「ほくろが出来てそれがひょっとしたら皮膚癌になるかもしれない。(中略)「ほくろの段階では皮膚癌の前段階で病名をつけてしまうのは過剰診断だ」というのが「過剰診断」なんです」。←間違い。 htn.to/sq8gjAn9
2016-02-13 18:29:31
鈴木眞一先生は「治療介入を要する状態だった。手術は適切だった」という意味で「過剰診断ではない」と言っているのであって、検診の文脈における定義において「過剰診断ではない」と言ってはいないよ。だって、わかんないでしょ、手術した時点では。
2016-02-13 18:42:37
なぜデマと呼んだかというと、単なる体験談ではなく、それを広めようという意図を感じたから。それは重要な違い。シノドスの鼻血の記事でも、鼻血デマを広める人と単に鼻血を訴える人とは分けている。もちろん、体験談とデマの間はグレー
2016-02-13 19:46:07
コンセンサスという言葉が誤解を呼んでいるようだけれども、僕が言っているのは「低線量被曝の健康影響は発癌リスクが被曝量に比例して増加することだけだ」というものです
2016-02-13 21:23:31
また、放射線防護の方法論的なコンセンサスはICRP勧告ですが、今回の原発事故ではICRP勧告に沿った対応はなされておらず、その意味で「行政と住民のコンセンサス」は軽視されてきたと思います
2016-02-13 21:25:30
昨日の件は整理してツイートしなおしました。整理になっとらんわい、と思われるかもしれませんが。やはり、非常にデリケートなところに手を出しているという意識を持つことが重要なのではないかな。迂闊に手を出すと非常に危険な問題ですから
2016-02-13 22:29:14
そして、その問題のどこが本当に難しいところなのか、本質的な問題点を正直にツイートすると、ものすごい非難を浴びます。問題の本質を指摘することすら、非難を呼ぶ。ある種のアンタッチャブルになっているわけです。理由のひとつは「不安な人を不安なままにしておきたい人たち」がいることかな
2016-02-13 22:35:49
今日もサンプリング・バイアスの話をした。血液型性格判断の読者アンケートでは血液型と性格に関連が出る。これは、野呂美加の健康相談会で鼻血経験者が多いのも同じ。昨日のイベントでも被曝による健康影響を訴える人たちが集まったので、あれだけを見ると「影響あり」と考える人もいるだろうね
2016-02-13 22:55:19
「被曝影響で鼻血が出る」という「デマ」についてはシノドスの記事でかなり深く考えてみました。 synodos.jp/science/16028 「ない」こと自体は当然なのですが、周辺にいろいろ深い問題を抱えています。実際に鼻血を経験して不安を感じた人を囲い込むカルトのようなものがある
2016-02-14 09:20:41
.@n2470haka 「自主避難者の主張をデマと断罪する」のではなく、「自主避難者の中に、あからさまなデマを振りまく人がいた」という話です。自主避難者の多くはデマを振りまくわけではなく、ただ不安なだけです。逆に、どんな人たちの中にもデマを振りまく人はいます。この違いは重要です
2016-02-14 09:26:05
「どんな立場の人の中にもデマを振りまく人はいる」というのは僕たちがこれまでに学んだことで、もちろん自主避難している人の中にもいます。自主避難者だからデマを振りまいても許される、とは思いません。いっぽうで僕は「自主避難者はデマを振りまく」とは言っていないし、実際そうは思いません
2016-02-14 09:30:04
不安とデマの問題については、先ほど挙げたシノドスの記事を読んでみていただけるといいと思います。デマで不安を感じた人たちを集めて不安を増強させるシステムはありますし、その中心となる人たちもいます。デマを受け入れる心理も重要 synodos.jp/science/16028
2016-02-14 09:40:20
「東京では被曝の影響で早産や帝王切開が増えた」という主張を聴衆の前で繰り広げるは明らかなデマだし、それがどんな立場の人の口からでたものであれ、そのようなデマは否定するのが当然ではないかと思います。目の前でそんな話をされたら、僕なら放置できないな
2016-02-14 09:46:22
「被曝は語りづらい」という状況の意味はよく分かる。残念ながら、被曝についての現状認識や基本知識が間違っているので、語っても否定されるということ。でも、そういう境遇の人たちを集めて、「誤った信念」を強化してしまうのもまずいと思う。解決法はないけれども、まずいことはわかる
2016-02-14 09:55:37