デイドリーム・ネイション #4
「ドーモ。ニンジャスレイヤー=サン。ストーンコールドです」重々しいアイサツを行い、カラテを構える。その力量は質量のある靄となってストーンコールドの両肩から宙へ染み出すかと思われた。彼は低く言った。「作戦を継続せよ。ヘヴィレイン=サン。このイレギュラーの相手は俺がする」 22
2016-02-17 23:53:48「オヌシにイクサの手順を決める権利はない」ニンジャスレイヤーはジゴクめいて言い放った。センコ花火めいた眼光がヘヴィレインに向いた。「逃さぬぞ」ストーンコールドは親指を鳴らした。「スッゾオラー!」BRATATATATATA!Y200がアサルトライフル一斉掃射! 23
2016-02-17 23:58:19「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはスリケンを投げ、床を蹴った。「「グワーッ!」」Y200数名が眉間から血を噴き出し絶命転倒し終える前に、ストーンコールドはニンジャスレイヤーの行く手を阻み、カラテチョップを繰り出していた。「イヤーッ!」二者のチョップがぶつかり合った。 24
2016-02-18 00:00:33カラテが比較的劣るであろうヘヴィレインを殺し、そののちストーンコールドを叩く ……ニンジャスレイヤーの行動はストーンコールドの圧力によってキャンセルされた。ニンジャスレイヤーはチョップ鍔迫り合いをしながら、ヘヴィレインが手勢を率いて階段から建物内へ降りてゆくさまを目で追った。25
2016-02-18 00:03:37「早速、貴様の大言壮語がハズレだ」ヘヴィレインの目がギラリと光った。「何をしにノコノコ出てきたか知らんが、この俺が貴様をジゴクに送り、安らわせてやる」チョップとチョップを挟み、二人の戦士は空気中に殺意を塗り重ねた。「イヤーッ!」「イヤーッ!」二者は互いを弾き飛ばした。 26
2016-02-18 00:10:32そして同時に地を蹴り、再び切り結んだ!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」ドウ!ドウドウドウ!短打を応酬する二者の足運びは、屋上コンクリートに雪めいて足跡と亀裂を残してゆく。「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」27
2016-02-18 00:14:05ストーンコールドのカラテは重く鋭い。相当の使い手だ。ニンジャスレイヤーは打倒の糸口を探る。この戦闘に時間をかければ、ローニン・リーグとコトダマ認識者は殲滅される。敢えて危険を冒し介入した意味が失われてしまう。『ザリザリ……ニンジャスレイヤー=サン……』骨伝導通信機が警告する。28
2016-02-18 00:18:21ごく限られた時間と通信品質のもと、ナンシー・リーはニンジャスレイヤーに呼びかける。『ザリザリ……アガメムノンが既に……急いでニンジャスレイヤー=サン……雷撃が開始される前に……ザリザリ……遂行し……退避を……!活動限界時間の予測値を送信するわ……!』29
2016-02-18 00:21:58(親愛なる読者の皆さん:26のヘヴィレインはストーンコールドに置き換えてください。これはデータ送信時のバタフライ効果による誤りで、健康被害はありません。なお、次回更新時、26から開始しますが、その際は、ふしぎなちからで文章がただしく直っていますので、もんだいありません)
2016-02-18 00:28:52「早速、貴様の大言壮語がハズレだ」ストーンコールドの目がギラリと光った。「何をしにノコノコ出てきたか知らんが、この俺が貴様をジゴクに送り、安らわせてやる」チョップとチョップを挟み、二人の戦士は空気中に殺意を塗り重ねた。「イヤーッ!」「イヤーッ!」二者は互いを弾き飛ばした。 26
2016-02-19 22:24:39そして同時に地を蹴り、再び切り結んだ!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」ドウ!ドウドウドウ!短打を応酬する二者の足運びは、屋上コンクリートに雪めいて足跡と亀裂を残してゆく。「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」27
2016-02-19 22:24:54ストーンコールドのカラテは重く鋭い。相当の使い手だ。ニンジャスレイヤーは打倒の糸口を探る。この戦闘に時間をかければ、ローニン・リーグとコトダマ認識者は殲滅される。敢えて危険を冒し介入した意味が失われてしまう。『ザリザリ……ニンジャスレイヤー=サン……』骨伝導通信機が警告する。28
2016-02-19 22:27:33ごく限られた時間と通信品質のもと、ナンシー・リーはニンジャスレイヤーに呼びかける。『ザリザリ……アガメムノンが既に……急いでニンジャスレイヤー=サン……雷撃が開始される前に……ザリザリ……遂行し……退避を……!活動限界時間の予測値を送信するわ……!』29
2016-02-19 22:28:18断片的なデータ送受信音を最後に、ナンシー・リーの通信は終了した。てんからくだるあまくだり。アルゴスの波長がノイズとなって痕跡を洗う。尻尾を掴まれずに通信を行うには、ただこれだけの短時間が限度だ。「イヤーッ!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはストーンコールドと打ち合う。30
2016-02-19 22:32:05「スパルタカス=サンを斃したカラテ。やはり恐るべしと言ったところか」ストーンコールドはニンジャスレイヤーの目潰しを拳でかち上げ、喉笛をチョップ突きで刺しに行く。「彼は最強のカラテ戦士だった。しかしヒエラルキーで結果が決まりはしない。だからこそ我ら戦士はイクサするのだ。違うか」31
2016-02-19 22:35:32「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはストーンコールドの突きを撥ね逸らし、脇腹にヒザ蹴りを入れに行った。ストーンコールドは半身にカラテを集中させ、内臓を爆発させるヒザ蹴りに耐久した。「カラテ段位戦になど興味無し」ニンジャスレイヤーの目が光った。「ただオヌシを殺すだけだ」 32
2016-02-19 22:39:03「所詮俺たちは殺しの徒よな!」ストーンコールドはニンジャスレイヤーの側頭部を肘打ちで破壊しにゆく。「理念、思想、そんなものは雲上人にくれてやる!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは側転しながら蹴りを放つ!「イヤーッ!」ストーンコールドは側転で躱し、蹴りを放つ! 33
2016-02-19 22:47:29「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」二者は並列側転しながら数十発の打撃を互いに繰り出した。「アバーッ!」「アババーッ!」いまだ屋上に残っていた進行方向のY200が数名巻き込まれて吹き飛んだ。銃口がイクサに向くが、フレンドリーファイア危険により発砲せずだ。34
2016-02-19 22:52:55「イヤーッ!」「イヤーッ!」二者は同時にコンクリートを蹴り、回し蹴りを打ち合った。ストーンコールドは反動で飛び離れ、フリップジャンプした。すかさずY200が銃撃をかける。「ザッケンナコラー!」BRATATATATATA!「イヤーッ!」ジグザグに走り回避するニンジャスレイヤー!35
2016-02-19 22:58:57「グワーッ!」「グワーッ!」Y200が斜めに弾き飛ばされ、地上へ落下していった。ストーンコールドにはそのコンマ数秒あれば十分だ。「イヤーッ!」「グワーッ!」ポン・パンチ!ニンジャスレイヤーは回転しながら吹き飛び、フェンスに背中から衝突した。 36
2016-02-19 23:00:56ニンジャスレイヤーは背中からカラテ衝撃を逃した。衝撃波が拡散し、フェンスが歪む。よろめきながらジュー・ジツを構え直す。その眼前にストーンコールドがいる。「イヤーッ!」「ヌウーッ!」サマーソルトキックをクロス腕でガードすると、ニンジャスレイヤーの身体が数メートル跳ね上がった。37
2016-02-19 23:02:55「これは……!」ニンジャスレイヤーのニューロンが爆発的に加速し、策を探った。眼下でサマーソルトキックから着地したストーンコールドは身を縮め、カラテを凝縮する。跳躍の予備動作だ。「……イヤーッ!」ストーンコールドが跳んだ!高高度サマーソルトキック!アブナイ! 38
2016-02-19 23:07:54空中のニンジャスレイヤーは身を守らなかった。かわりに彼はフックロープを空に向かって投げ放った。ストーンコールドのケリで粉砕されるより僅かに早く、ニンジャスレイヤーの身体がまるで物理法則を無視するかのように飛んだ。ロープの巻き上げ機構だ。輸送ヘリのスキッドにフックが噛んでいた!39
2016-02-19 23:09:37