【テドイア】小瓶の魔王

重音テッド×IA。 小瓶に封じられた魔王とそれに巻き込まれた王女イアとの物語。
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大崎巧実(裏) @mboxtw2

忘れないうちに小ネタを垂れ流す。 お友達から投げられたネタを元に妄想した代物。 CPはテドイアで完全パラレル。 ……何がきっかけでこの話になったんだっけ……

2016-02-21 20:44:38
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その世界でのテッドさんは『魔王』と呼ばれ、恐れられていた。 でも本当はテッドさんが暮らしてた領域に人間が入り込んできたから。 人里に下りてきた動物みたいなもん。テッドさんは人が来る前からずっとそこで暮らしてた。

2016-02-21 20:45:43
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんは一人森の中で暮らしてて、人間を見た事がなかった。 いるのは自然の動物達と、小さな魔物くらい。でも気にならなかった。言ってしまえばテッドさんも自然の動物だったから。 森の果実を食べたり、動物捕って食べたり、そんな原始的な生活していた。

2016-02-21 20:46:54
大崎巧実(裏) @mboxtw2

服は自然の粒子を書き換える事によって自分の好きに生成出来る。だから人がいなくても暮らしていくのに困る事はなくて。 そんな風に生きてきたテッドさんだったけど、徐々に増え始めた人間達が近くまで迫ってきていた。 そうして事件が起こっていく。

2016-02-21 20:48:06
大崎巧実(裏) @mboxtw2

人は国を作り、森はどんどん狭まれていく。 テッドさんの行動範囲は変わらず、その範囲内に人間が踏み込んできてしまってた。 最初は畑が荒らされるくらい。でもある時、テッドさんは人間の味を知ってしまうのね。

2016-02-21 20:49:02
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんは畑に実る野菜も普通に食べるけれど、すぐにお腹が空いてしまう。 けれど動物を狩るのと同じように人間狩ってしまって、その血肉を食べてしまった。すると物凄い満腹になってしばらく食料に困らなくなったわけだ。

2016-02-21 20:50:18
大崎巧実(裏) @mboxtw2

人間一人食べれば数年は何も食べずに持ってしまう。そして味をしめたテッドさんは人間も狩りの対象にしてしまうのでした。 それで困るのは人間の方。 今までは畑荒らされるくらいだったのに、被害が格段に大きくなってった。

2016-02-21 20:51:34
大崎巧実(裏) @mboxtw2

一人食べれば腹持ちがいいと知ったテッドさんは、気紛れに子供を捕まえては印を付けるようになる。 お腹が空いたらその子供も大きく育って食べ頃になるから、その時に狩りに行こうと。 子供に印を付けられた親は溜まったものじゃない。必死に子供を守ろうとする。

2016-02-21 20:53:12
大崎巧実(裏) @mboxtw2

ちなみに狙う子供は必ず女の子。何故なら育った娘は情欲の対象に出来るから。 美しく育てば犯して喰らう。肥えて育っても脂が乗って美味しいからテッドさん的にはどちらに育っても問題はない。 何年後に襲いに来るかわからないテッドさんを人は恐れながらもただ待つしかなかった。

2016-02-21 20:55:18
大崎巧実(裏) @mboxtw2

基本的には子供がある程度大きくなってからだから5年くらいは経ってるんだけど、稀に早まる時もある。 それは何とかしてテッドさんを退治しようと人間が襲ってくるから。 そこで余計な力を使ってしまい、お腹空かせたテッドさんが早く子供を襲いに来てしまう。

2016-02-21 20:56:28
大崎巧実(裏) @mboxtw2

人間は自分達が子供の死期を早めてるなんて気付きもせず、テッドさんに襲いかかっては返り討ちに遭ってた。 襲いに来るような屈強な男は肉が固くて食べ辛い。だから殺した後は大抵放置。最初のうちは食べてたけど、女の子の柔らかい肉食べてからは食べなくなった。

2016-02-21 20:58:24
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさん的には、その国に行けば餌が豊富にあると思ってる。時間をおけば次々子供は産まれてくると気付いてしまったから。 それなりに知能のある魔物。人は魔王と恐れ、何とか対策を練っていた。 その間にも娘は次々襲われて食べられていったのだけれど。

2016-02-21 21:00:08
大崎巧実(裏) @mboxtw2

ちなみに子供を襲わないのは本当にただの気紛れ。 肉は軟らかいし美味しいけれど、身体が小さくて食べられる部分も少ない。だったらあと数年待って充分美味しくなるまで待ってやろう、と。 大きくなっていく子供を見るのも楽しかった。美味しく育っていく行程だから(笑)

2016-02-21 21:01:50
大崎巧実(裏) @mboxtw2

お腹を空かせたテッドさんがふらり、と街にやってくると一斉に警戒警報が鳴り響き、女子供は家の奥深くに隠される。 無人と化した街の中をテッドさんが彷徨い、運悪く見つかった人間を攫っていく。 何も収穫がなければお腹空いてるのでその辺の食べ物漁って帰るのだけれど。

2016-02-21 21:03:52
大崎巧実(裏) @mboxtw2

人はただ、テッドさんに見つからないように息を殺して家の中でひたすら通り過ぎるのを待つしかない。 この頃にはどの家にもシェルターみたいな部屋が完備されていて、じっとしていればテッドさんに気付かれる事はほとんど無い。 テッドさんがその扉をこじ開けなければ。

2016-02-21 21:05:12
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさん的にはなんか食べ物無いかなーって開けて回ってるような感覚。 そこに食べ頃の人間がいれば大収穫。本当に、山から下りてきた動物と一緒で、ただ食べ物を漁ってるだけ。 そんな日々が何十年以上も続き、やっと国は対策を見付けた。

2016-02-21 21:07:18
大崎巧実(裏) @mboxtw2

倒したくても殺せない程にテッドさんは強い。何度討伐隊を送っても返り討ちにされてしまう。 殺せないのなら、と人は封印する事にした。魔術師達が長い時間を掛けてゃっと作り出した一つの小瓶。 すべての物を吸い込んで閉じこめてしまうパンドラの箱的なアイテム。

2016-02-21 21:08:40
大崎巧実(裏) @mboxtw2

使えるのはたった一度だけ。効力もあるかどうかはわからない。 でも人間はそれに賭けるしか無かった。このまま続いてはそのうちテッドさんに食べ尽くされてしまう。 どうせいつか滅びるのならば、と背水の陣的な意味合いも兼ねて。 そしてその瓶を使ったのがイアたんだったのです。

2016-02-21 21:09:48
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアたんは当時の王女。次々と食われていく娘達に酷く心を痛めてた。 そして封印をする為にテッドさんを誘き寄せる、その『餌』になる事を自ら志願したのです。 自分の命を賭けてまで、民を守りたかった。その信念で。 勿論、王女が、と反対されたけど押し切った。

2016-02-21 21:11:18
大崎巧実(裏) @mboxtw2

もうこの国に娘がどれけだけ残っているというのか、と。テッドさんが好んで食べるのがイアくらいの年齢の娘だって事はとうにわかっていたから、囮としての条件は整っていた。 そうしてイアはテッドさんを封印する為に警戒警報が鳴る中、街に繰り出すのです。

2016-02-21 21:12:55
大崎巧実(裏) @mboxtw2

廃墟のような街の中。指定された所でイアはただひたすらテッドさんを待ち続けた。 その場所をテッドさんは通らないかもしれない。でも成功すると信じてイアは待ち続けた。その作戦は必ず成功する。成功させてみせる、と心に誓って。

2016-02-21 21:13:56
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そうして娘の匂いに誘われてテッドさんがまんまとイアの所にやってくるわけです。 見た目は普通の青年で、見た時イアは物凄く吃驚した。 怖ろしい魔物だと聞いていたから、異形の者だと思いこんでいたから。 テッドさんが羽根を広げていなければ人間だとさえ思ってしまってたと。

2016-02-21 21:15:12
大崎巧実(裏) @mboxtw2

広げた大きな羽根と、ぴょこぴょこ動く尻尾。姿形は全く人間と同じなのにそこだけが違う。 近付いてくるテッドさんに物凄くドキドキしながら、逃げずにイアはそこに立ち続けた。 テッドさんが仕掛けた罠にかかるまで。

2016-02-21 21:17:40
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアという餌に釣られてテッドさんは人間が掛けた罠にかかってしまう。 足下に光る魔法陣。封印の術が発動し、テッドさんは瓶の中に吸い込まれてしまう。 けれどそこで誤算が起きた。イアも一緒に吸い込まれてしまうのね。 初めて使う術で、結果がどうなるのかは人間にもわからなかった。

2016-02-21 21:19:05
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんは逃げようとするけれど、イアは確実にテッドさんを封じる為に彼を掴んで一緒にその中に吸い込まれていった。 その場にオネちゃんがいたんだけど、あとはお願いねって笑って。 封印は成功し、イアは聖女と讃えられ伝説となった。 此処までがなんと物語のプロローグ(笑)

2016-02-21 21:20:30