前の妄想が楽しすぎてここまで膨らんでしまった……まあいいや。 物語の始まりは、二人が瓶の中に封じられてから千年後の世界。 その国にいた魔王と、彼を退治した聖女の物語が御伽噺になってしまった、そんな時代。 誰もがその事実を忘れてしまっていた。
2016-02-21 21:21:48で、お約束としてその封印が解かれてしまうのです。 魔王が復活しないように、その瓶は大事に大事にしまわれていた。でも、時は流れその国で争いが起こってしまうのです。 その戦火に封印の瓶は巻き込まれた。
2016-02-21 21:23:09テッドさん達が安置された場所は宝物庫。一番厳重に安置されたその場所が狙われないわけがなく。 炎に包まれたその中で、封印の瓶は開けられてしまうんですね。 ガラスが弾け、閉じこめられた二人が再びその世界に現れる。千年後の世界に。
2016-02-21 21:25:01瓶の中は殆ど時間が動いておらず、テッドさんは気が付いたら回りが炎に包まれていた、そんな状態。 一緒にいたイアを反射的に抱きしめて、なんとか脱出しようとするわけです。 そんな中、自分達を敵だと思った人間に(当然)襲われる。
2016-02-21 21:26:11訳もわからないまま、テッドさんは自分の身を守る為にその兵士達を返り討ちにするわけです。 全員一撃のもとに倒れさせ、イアを抱えたままテッドさんは飛び立っていく。それを多くの兵士達が目撃していた。 魔物がいた。そんな話は瞬く間に上層部へと伝わっていく。
2016-02-21 21:27:29御伽噺として伝わるテッドさんとイアたんの物語は周辺に住む者なら誰でも聞いて育つ。 だから考古学を研究している者とかもいて、それがただの作り話じゃなくて実際に起きた事なのではないか、とも言われてた。 それは議論されていた事ではあったけれど、実際に目撃され、信憑性は増す。
2016-02-21 21:28:45そうしてその噂を確かめるべく、テッドさん達を捕まえてこいっつー命令が下されるわけだ。 そんな事は露知らず、二人は森の中に逃げ込んでいたんだけれど。 テッドさんが産まれ、育ってきた森も大分小さくなったけれどまだ残ってた。テッドさんがずっと呪いをかけてたから。
2016-02-21 21:30:23自分のテリトリーを守る為に、人が無意識に拒絶するように術を仕掛けておいたのね。 千年経って大分その効力も薄れていたけれど、だからこそまだ森は残ってた。 そこにイアたん連れ込んでさてこれからどうするかなって感じ。
2016-02-21 21:31:19イアもイアで現状の把握をしたかったけれど、ずっとテッドさんが抱きしめたまま離してくれない。 抱えられたまま移動されては何も出来ず、されるがまま。 テッドさんは木の上で寝る習性があるので夜も木の上。落ちそうで怖くて寝れない(笑)
2016-02-21 21:32:40夜の闇の中、枝に寄りかかって器用に眠るテッドさんを抱かれながらずっとイアたんは見てた。 すこすこと眠る姿は全く人間と変わらない。食べるものも人間と一緒で、精々生肉さえも平気で食べるんだなって事くらい。 自分はテッドさんをなにも知らないんだなと気が付いた。
2016-02-21 21:34:07魔王の事を何もわからずにいたんだから討伐は出来なくて当然の事で。 相手の生体を良く知る事、そしてどうにかしようってイアたんは考えてた。 まだこの時は全然好きになって無くて、反撃の機会をうかがっていたようなもの。 奇妙な二人暮らしが始まるのです。
2016-02-21 21:35:27お腹が空けば果実なり森の恵みでイアは生きて行けた。でも、テッドさんがそうやって持ってきてくれるけれど、すぐにテッドさんはお腹を空かせてしまう。 腹減ったーって騒ぐテッドさんを見て、だから人を襲うのか、と考えてた。 テッドさんはずっと餌を探してうろついてた。それに気が付いたから。
2016-02-21 21:36:53いつもお腹を空かせていて、絶えず何かを食べているような人。でもテッドさんは食人種だって事を知ってるから、いつか食べられちゃうんじゃないかってそんな恐怖も抱えてた。 ずっとテッドさんはイアを手放さない。どんな時でも絶対に離れない。 それは食べる時期を見てるんじゃないかって。
2016-02-21 21:38:33そんな不安も抱えていたけれど、どうしてもわからないのは『絶対にイアを離さない事』だった。 イアが水浴びがしたい、と言えば手は離してくれる。けど、それも短い時間だけで、湖の中にいるイアの所にすぐ来ちゃうわけだ。 なんか落ち着かない、って言ってすぐ手が続く位置に必ずきてしまう
2016-02-21 21:40:48大抵は抱き上げられて。出来ない時は手を繋いで。いつもどこかが触れていた。そうじゃないとテッドさんが物凄く嫌がった。その理由がイアにはどうしてもわからなかった。 イアが離れる事を酷く嫌がる、その理由を。
2016-02-21 21:42:02テッドさんがイアを離さない理由は瓶に封じられてた時、ずーっとイアを感じていたから。イアに包まれていたから、外に出た時にそれを失うのが嫌だったわけです。 イアに触れていないと落ち着かない。凄く気持ち良かったからそれがないと駄目になっちゃってたわけです。
2016-02-21 21:45:10それを後にイアは知るんだけど、まるで母親の後をついてくる子供みたいだなっていうのがイアの感想(笑) べたべたとまとわりついてくるテッドさんは嫌じゃなかった。 何かあれば真っ先に守ってくれる。その身を挺してでも。 テッドさんにとってイアはそんな存在だったから。
2016-02-21 21:46:41で、やっとテッドさん達の居場所が敵に知られる訳だ。 イアは情報が欲しくてテッドさんに敵の本拠地に行く事を進める。テッドさんは嫌々ながらも、まあ暇だし、な感じでイアを抱えて行くわけだ。 そうして今が千年後な事、自分達の国はもう無い事を知るのです。
2016-02-21 21:48:24イアが王女だった頃、残ったのはオネちゃんだけで、そのオネちゃんが嫁いだ先が今いる国。 だから自分の国が無くなった事を知ってイアはショックを受けるんだけど、娘二人だったし仕方ないというのは理解してたからまだ受け入れられた。 とてもとても悲しかったけれど。
2016-02-21 21:49:40国が統合し、一つの大きな国家になった。そうして年月が過ぎ今国は別の大国と戦っている。 王の前に連れてこられた二人は言われるんですよ。部下になれと。 当然、それにテッドさんは反発する。何故、俺が人間なんかに支配されなきゃいけない?と。
2016-02-21 21:51:04テッドさんにしてみれば人間は食料。つもり下に見てる。そんな奴らにどうして俺が従わなきゃいけないんだとご立腹。 王様に対して無礼だと回りから言われるけれど、その態度にも腹が立ったテッドさんはイアを担いで飛び立ってしまうんですね。 回りの兵士達から何から吹っ飛ばして。
2016-02-21 21:52:28いくら年月が経とうとも、『魔王』と呼ばれた力は伊達じゃない。 御伽噺だと馬鹿にしてた人達も多かったから、その圧倒的な力を見せられて怯えてしまうのも出るわけです。 遠い昔、彼はこの辺り一帯を支配していた。その事実にも。
2016-02-21 21:53:42テッドさんを怒らせてしまったから、考古学者とかが千年前の貴重な知識が欲しくて交渉しようとしても、その圧倒的な力が欲しくて下手に出ても、へそ曲げちゃったテッドさんは全く話を聞かないわけです。 で、王様としては『魔王』が他国に行かれても困る、と焦り出すわけだ。
2016-02-21 21:55:21もしテッドさんが他国の間者に唆されて相手に味方する事になったらこの国は負けてしまう。 だからどうにかしてこの国に留まる事、もしくは味方に引き入れる事を命令するわけです。 その標的として狙われたのがイアたんだった。
2016-02-21 21:56:34人は考える。 テッドさんには取り付く島がない。けれどイアにはつけいる隙がある。 そしてテッドさんが傍目にも明らかな程イアに執着してるから、彼女を狙えば交渉出来るんじゃないかと。 で、イアたんが狙われていくわけです。
2016-02-21 21:58:10