@xxxRonica (一度だけ訪れたことのある、立派な屋敷の前で暫く少年がそわそわと立ち尽くしていた。やがて一つ大きく息を吐くと、コンコン、と三度ばかりノッカーを鳴らした。)
2014-11-25 21:49:01@applex002 ぱたぱたと足音が近づき、躊躇いがちにガチャと鍵の開く音がする。ゆっくりと開いた扉の隙間からそっと外を伺う少年の顔が、相手に気付くとぱっと明るくなった。「クリスさん……!…ようこそおいでくださいました。」
2014-11-25 22:04:39@xxxRonica 扉の開く音にびくりと肩を揺らすも、迎えてくれた見知った顔に自然と頰が緩んでいた。「メリアさん!わぁ、お久しぶりぶりです。あの、…お邪魔させて頂きますね!』
2014-11-25 22:19:29@applex002 『ええ、本当にお久しぶりですね…!どうぞこちらへ、』扉を一層開いて相手を迎え入れると、屋敷の奥を示し歩き始めた。一見した限りでは何の変りもないように見えるが、僅かに片足を引き摺るようにして歩いている。
2014-11-25 22:35:19@xxxRonica 『はい、お邪魔します』もう一度断りを入れて屋敷に上がる。懐かしいような、新鮮なような、他人のホームに上がる感覚にそわそわとまわりを見渡しながらついていく少年は前を行く友の変化に気付く余裕はないようだ。
2014-11-25 22:47:37@applex002 階段を上がり応接室のドアを開けると中へと促した。『……こちらでお待ちいただけますか?主人を呼んで来ますので』少し気恥ずかしい様子ではにかむと相手に椅子をすすめた。
2014-11-25 23:02:26@xxxRonica 『あ、はい!お構いなく』(緊張しているのか、口を突いて出た他人行儀な言葉に困ったように眉を下げて笑った。屋敷の使用人の姿が見えなくなると腰を下ろし小さく位置を吐く)
2014-11-27 22:35:33@applex002 部屋を出た使用人は、せかせかと階段を下りはじめた。もたつく足に気を配りつつ下を向いて降りていると、ぽすんと何かにぶつかる。『いたっ……、え?主様…?』「何だ、わざわざあの部屋を掃除したのか」言いながらぶつかった相手はどんどん階段を上っていく。
2014-11-27 23:05:25@xxxRonica 近づいてくる足音と話し声に、再び高まってきた緊張からか自然と背が伸びていた。(どんな方だろう…。怖そうな方じゃないといいな、なんて。)そわそわと扉に視線を向ける。
2014-11-27 23:17:07@applex002 カツカツと小気味の良い足音と、それを追うような不規則な足音が聞こえる。一つが止まると3度ほどドアがノックされすっと扉が開いた。
2014-11-27 23:34:27@applex002 「……どうも、メリアの友人ってのはアンタか?……、………ん?」応接室に現れた青年は、見覚えのある相手に面喰い目を瞬いた。その後ろでは出遅れた使用人がわたわたとしている。
2014-11-27 23:36:00@xxxRonica 扉が開くのとほぼ同時に立ち上がりそのまま勢いよく頭を下げた。『は、初めまして、クリスチャンと申します。メリアさんとは今年の春先から文通などで親しくさせて頂いています。今日は恐れ多くも、お招き頂きましてありがとうございます!あの、よ、よろしくお願いしますっ!』
2014-11-27 23:45:10@applex002 「……ふふっ、初めまして。うちの使用人がお世話になっているようね、こちらこそどうぞよろしく。今日はお会いできて嬉しいわ……さぁ、どうぞ顔をあげて頂戴な?」こちらに気付いていない様子の相手を見てにやりと笑うと、ふっと声音を女性らしく変えて答えた。
2014-11-27 23:56:09@xxxRonica 『あ、はい……っ、!?』優しげな声にゆっくりと頭を上げ、そして目を見開いた。『あっ、!え……?えぇっ!?ロニカさん??』そこにあった見慣れた(と言えば少し語弊があるが)姿に少年の頭上に疑問符が飛び交う
2014-11-28 00:11:56@applex002 「ああ、俺はこいつの主人のヴェロニカだ。よろしく、クリスチャン?」自身も驚きつつも少年の反応にけらけらと笑う。2人のやり取りに置いてけぼりを喰らった使用人がおろおろとしている。『あ、あの……お二人は初対面では…ないのでしょうか……?』
2014-11-28 20:54:46@xxxRonica 『え?ええっと…ロニカさんがメリアさんのご主人さま……?え、え?と言うことは、ここはロニカさんのお屋敷?え、ええ!?』まだ混乱しているのか瞬きを繰り返し何度も二人の顔を交互に眺める。
2014-11-30 18:45:00@xxxRonica 『あ、はい。あの、以前好きな俳優さんがいると申し上げたと思うのですが、それが、その……っ、ロニカさんで、色々と……懇意にして頂いています』何故か最後は頬を赤らめながらもじもじと尻窄みに話し
2014-11-30 18:46:36@applex002 「……ま、そういうことになるな」つかつかと少年の反対側のソファに腰かけた。『……えっ、あの時仰っていたのは…主様のことだったのですか……!?私はその、女性の歌手の方か、ロルフさんかと思っていたのですが……あっ!』ぱっと口に手を開けると主人の方に向き直る。
2014-11-30 19:45:52@applex002 『も、申し訳ありません…!主様のファンの方だとはつゆ知らず……』「……仕方ねぇな。クリスなら構わねえよ、“懇意”にしてるからな」くすりと意味深な笑みを浮かべ少年を見遣った。
2014-11-30 19:52:18@xxxRonica 『……っ!あ、その……身に余る光栄です』男の笑みに更に頬を赤らめるともじもじと頭を下げ。『でも、ほんとうにびっくりしました。メリアさんのお話を聞いているとなんだか気難しくて頑固な人のようなイメージだったので……あっ!』
2014-11-30 21:08:46@xxxRonica 内緒にと言われてたことを思い出し慌てて口を閉じるも既に言葉は発してしまった後で。ちらりと友人の方に申し訳なさそうな視線を送る。
2014-11-30 21:08:51@applex002 「……へぇ?一体どんな話を聞いたのか気になるな、」すっと一瞬使用人に視線を送った後、再び少年ににこやかな顔を向けた。未だに扉の近くで立ち尽くしていた使用人がびくりと縮み上がる。
2014-11-30 21:54:06@applex002 友人と目が合うと少しだけ恨みがましい目を向けた。『あ、あの……今、お茶をお持ちいたします』主人と友人に一度頭を下げると部屋を出た。
2014-11-30 21:54:36@xxxRonica 『い、いえ!その、ぼくが勝手にそう思っちゃっただけで…!お仕事の内容はお聞きしていませんでしたが、御自分のお仕事の為に気を遣っていることや、真剣に向き合ってらっしゃるストイックな方だと』友人が席を外すと、少し困ったように笑い。
2014-11-30 22:03:26@applex002 「はあ、成程な。……ま、無難と言えば無難な話だな」ふっと息を吐くと口角を上げたまま少年の顔を覗き込む。「そんなカタブツだと思わされてたら、そりゃ驚くだろうよ。未だに腑に落ちないんじゃねえか?」
2014-11-30 22:22:10