荒山徹『十兵衛両断』登場妖術『ノッカラノウム』の現地における考察
- nokkaranoumu
- 4335
- 11
- 2
- 0
昨日、荒山徹という作家を知った。朝鮮妖術として「ノッカラノウム」という名前の技が出るらしい。最初は「朝鮮に妖術あったっけ、ム(巫、シャーマニズム)は元々はイタコの様なもののはず、あの名前は何?」だったが"넋 갈아 넣음"と悟ってネーミングセンスに驚く。僕も小説家だが見たこと無いな
2016-02-28 15:29:02@doskharaas はじめまして。当該小説『十兵衛両断』では「ノッ」が「魂」、「カラノウム」が「入れ替え」という説明がありました。呪術的な仮面を二人に被せて、彼らの魂と肉体を入れ替えるという、小説家である荒山徹が創作した妖術です。
2016-02-28 18:49:13@doskharaas 荒山徹『十兵衛両断』では、弓術は盛んだが剣術は盛んではない当時の朝鮮王朝において、剣による私兵団を組織しようとした朝鮮王朝の大臣が、剣術は盛んな日本から、強い剣士である柳生十兵衛を「入手する」ために妖術ノッカラノウムが使われる、というところから始まります。
2016-02-28 18:54:56@doskharaas 『十兵衛両断』で、日本の剣士である柳生十兵衛が、朝鮮王朝の大臣の部下である妖術師に、妖術ノッカラノウムで魂と肉体を入れ替えられるのは冒頭です。その後、両断された二人の「十兵衛」がどうなるか、という描写が続き、ここがこの小説の面白さと言えるでしょう。
2016-02-28 19:01:58@doskharaas 荒山徹は朝鮮を題材にした小説を多数書いていますが、朝鮮を美しく描く時もあれば醜く描く時もあり、両班は一貫して朱子学の身分制で民衆を抑圧する邪悪な貴族階級として描かれており、受け入れられない人もいるかも知れません。敢えてお勧めはいたしません(私は好きですが)
2016-02-28 19:11:38@doskharaas 以上、長々と説明してしまいました。突然何事かと思われたかも知れませんが、ご了承ください。失礼しました。
2016-02-28 19:12:34@nokkaranoumu いいえ、ありがとうございます。因みにノッは恐らく넋, 元々は儒教や道教の「魂魄」の魂に対応する、朱子学の理気論の中で理、天から降りたモノ、ロゴス、ātmanの様な概念で、魄は気、地から上がったモノ、五蘊の様な概念ですね。発想よりはネーミングセンス(続)
2016-02-28 19:55:35@nokkaranoumu が凄いですね、韓国人の感覚では。それも、韓国は昔から漢字を使っていて、普通は「환혼술(換魂術) 」とかきそうですからです。갈아넣음(カラノウム)は名詞形として使うのがちょっと変で、カラノウムは「昔のモノは捨て新しく入れた」の意味がありますので(続)
2016-02-28 20:00:18@nokkaranoumu 余計に「これはリャンバンより虐められた、元々身分の一番下の漢字をよく知らない、巫女(무녀, ムニョ)やパッスー(박수、男のシャーマン)が作った、魂をoverwriteする妖術」のヌィアンスが伝わりながら、余りにも荒く直接なネーミングセンスで驚きました
2016-02-28 20:05:08@nokkaranoumu 実は僕もシバレン、ヤマフウ、五味、隆慶一郎、大藪春彦、西村寿行が好きで古本を読んでいます。荒山徹も読みたくなりました。因みに自分も出版されなかったが朝鮮坊主に感服された元忍者の坊さんに育てられたトラ人間が日本の海賊や悪代官と戦う小説を書いた事もあります
2016-02-28 20:12:03@doskharaas ありがとうございます。「ノッとは魂魄の魂魄であり理気の理である」「ノッカラノウムは漢字を使わないところが却って妖術師的である」など、学ぶ処が大きかったです。
2016-02-28 20:19:28@doskharaas 厚かましいお願いかも知れませんが、もし宜しければ後でTwitter要約サービス(Togetter)に一連の会話を掲載して良いでしょうか? 日本の荒山徹の読者たちにとっては、一連の会話から得る処や学ぶ処が大きいと思います。
2016-02-28 20:21:26