隆慶一郎、その功罪

若干刺激的なタイトルにはしましたが、 隆慶一郎こと隆慶先生の書く作品にはなかなか癖があり、 その手法による問題について、軽く実体験も交えて書いたのを ざっくりまとめてみたり。
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まずは隆慶版宗矩の話題から

神無月久音 @k_hisane

慶作品は「善玉」「悪玉」がきっかり決まってて、史実の人物像とはまるで違いますし喃 @SagamiNoriaki 娯楽作品として以外で隆慶理解はダメだぁw RT @kikori2660 自分の宗矩のイメージや、活人剣の思想への理解も隆慶一郎の小説止まりだったので目鱗でしたw

2012-12-31 12:15:46
神無月久音 @k_hisane

そしてそれに「大嫌いでござる」と答える宗矩。お前ら結婚しちゃえよ!と言わんばかりのナイスタッグで砂。その後の秀忠のボケへの宗矩のツッコミもノリノリですし喃。 @SagamiNoriaki 史実で「お前は父が好きか」とか問う徳川秀忠がいたら、すげェですよw @kikori2660

2012-12-31 12:21:36
神無月久音 @k_hisane

ちなみに、当方は「十兵衛両断」版宗矩が実質ファースト宗矩なのですが、その後、隆慶版を経て、山岡荘八「柳生宗矩」を読んだ時の衝撃たるや、まさに「デカルチャー!」でした喃。その時の衝撃と困惑の様子はこちらをば。【山岡荘八「柳生宗矩」】http://t.co/2crMQf8E

2012-12-31 12:26:27
神無月久音 @k_hisane

【世間一般における宗矩像というのは我々にとって常識たる「邪悪生物」ではなく、「剣禅一如を成し遂げた偉人」らしいと認識できる、という効果を保持している一点において、本作は「概念破壊」のためのツールとして、まこと超絶なる威力を有していると言えます】とか書いてますが、逆もまた然りで砂。

2012-12-31 12:29:20
神無月久音 @k_hisane

【あの宗矩くんが、自らの栄達と保身の為ならば、どんな超卑怯手段だって平然と、というかむしろ嬉々として行使するはずのボクらの宗矩くんが”柳生の活人剣とは、自分に甘い無責任な道ではない(略)”なんて言っちゃうわけですよ!どうしたっていうんだよ宗矩くん!君はそんな奴じゃないだろう!?

2012-12-31 12:34:30
神無月久音 @k_hisane

どんだけショック受けてたの当方。というか、冗談抜きで隆慶系宗矩しか知らないと、宗矩のキャラってこういう理解になるという証左で砂。そういう意味では、隆慶先生も罪作りだなと思うところ。色々知った上で見直すなら、あれはあれで味があるんですが、正直、隆慶だけで宗矩を語られるのは勘弁で砂。

2012-12-31 12:38:28
神無月久音 @k_hisane

この辺のショックがあって、「どうも隆慶先生の書いてることは変だとりあえず本当の宗矩ってどんな奴なの?」となって、こから史料調べて、行き着いた果てが現状のやる夫柳生というわけでアリマス。

2012-12-31 12:40:42
神無月久音 @k_hisane

調べてみたら、「全然違うじゃねえかこの野郎!よくもまあここまで他人を下衆外道に貶められるなこのクソ作家!」と、一時期相当隆慶先生に対して不信と嫌悪を持ったものですが、今思えば、山岡荘八とかで確立されてた宗矩像があって、それとは違う宗矩を、という隆慶先生なりの工夫だったのだなあと

2012-12-31 12:44:58
神無月久音 @k_hisane

その意味では、隆慶版宗矩というのは、従来の創作イメージがあって、それに対する一種のパロディとして、ああなったのかなと。というか、「影武者徳川家康」自体が、ある意味、山岡荘八版「徳川家康」という王道があってのものと言えますし喃。

2012-12-31 12:51:01
神無月久音 @k_hisane

年代的に20代後半~40代くらいだと、山岡荘八は知らないけど、隆慶は知ってる、って人が多いですし喃。やはり「花の慶次」がでかいで砂。 @hisima わたしも隆慶からですね。

2012-12-31 12:53:24
神無月久音 @k_hisane

まあ、隆慶先生にしても、元ネタともいえる山岡荘八を読まずに、自分の小説しか読んでないようなのが大量に出るとは思わなかったんでしょうな。おまけにそれに気づく前に死んでるわけで、ある意味、狼少年が信じられてる間に死んでしまって、嘘だけが残り続けたような感じで砂。

2012-12-31 12:58:31
神無月久音 @k_hisane

よほど好きじゃなければ、あれを読み通そうとは思わないでしょうしね。その点、影武者は3冊ですし。 @pemmin 山岡荘八さんは長いですからねぇ…

2012-12-31 13:07:23
神無月久音 @k_hisane

当方も隆慶版宗矩で興味が無かったら、読もうとは思わなかったでしょうしね。なんともはや @pemmin ついでに文体が堅めなので影武者の方が何と言うか、読み慣れてない人向けですしね(笑 私は実家に元々揃ってた山岡荘八さんの方から入りましたけど…運が良かったのかも知れません。

2012-12-31 13:16:07
神無月久音 @k_hisane

あるいは、最後期の作品である「かぶいて候」で、秀忠がやたらホワイティな感じになって出てきますが、これは自作の危うさに薄々気づき始めて、「なんかやばい」と思い始めたからでしょうか喃。

2012-12-31 13:02:26
神無月久音 @k_hisane

その意味では、あと数年作家生命が延びてたら、隆慶版「きれいなむねのり」も見れたのかしらん、と思うところ。まあ、宗矩の場合は、ツッコミ役っぽく割と普通の感性の人間として描かれることが多いので、若干はマシですけど。「柳枝の剣」の前半とかだと、普通に友矩のことを案じてますし。

2012-12-31 13:05:42
神無月久音 @k_hisane

「柳生非情剣」だと、老いてそれなりに立身したことで、また違った感じがありま砂。シグルイの虎眼先生コンパチ状態な石舟斎と比べると尚更違いが目立つような。@hisima 基本小悪人「秀忠」に使える別に悪党ではなく「野心溢れる」宗矩ですからね。 むしろ藤堂高虎を悪党だと思わされました。

2012-12-31 13:18:45
神無月久音 @k_hisane

まあ、そこは隆慶先生のマインドは基本モヒカンですからねー。「だが、それがいい」@zhenzai1568 後半「(比較的)きれいなひでただ」「きれいなむねのり」をかこうとしてた節はありますよね…。もちろん戦国(つまり戦中)世代が好きで、「戦後世代はちっちぇえな」なのは大前提ですけど

2012-12-31 13:20:07
神無月久音 @k_hisane

ですね。で、隆慶先生は自分が「作った」キャラに結構惚れ込む傾向があるので、隆慶力(りゅうけい・ちから)強めのキャラはそれはもうメロメロで砂。厳勝とか左門とか。 @hisima 兵庫介や吉原の宗冬、死ぬことと見つけたりの鍋島元茂がわりかし柳生そのものには好意はあるんですよね

2012-12-31 19:42:15
神無月久音 @k_hisane

なお、隆慶版宗矩の更に反動としての「スーパー宗矩」もいま砂。具体的に言えば「徳川家康(トクチョンカガン)」版宗矩なのですが。あっちの宗矩のチートっぷりについてはこっちで簡単に書いてるのでよろしければ。【やる夫で紹介する荒山徹『徳川家康』】http://t.co/UAuvhdLw

2012-12-31 13:14:30
神無月久音 @k_hisane

「徳川家康」で宗矩が謎の奥義で朝鮮忍者を倒した時、「こ、こいつは…甲種無刀取り!!初めて見たぜ、叔父貴…!」とか兵庫助が言い出した時は、思わず「兵庫助が解説始めたー!(ガビーン)」とうすた風絵面が脳内に浮かんだ趣でありました。

2012-12-31 13:24:44

「ではお前は隆慶作品が嫌いなのかい?」

神無月久音 @k_hisane

超大好きです>隆慶先生 というか、当方の中の創作版宗矩のベースはやはり隆慶系宗矩ですからして。前述のあれは、「史実とのあまりの差」に受けたショックとお考えいただければ。 @zhenzai1568 久音さん的には隆慶先生がお嫌いなわけではないのです?

2012-12-31 13:27:28
神無月久音 @k_hisane

以前にも書いた話ではありますが、基本、隆慶先生は”俺の考えた超イカス男たちが痛快無比に大暴れ絶頂する話を書きてえ!”という欲求がまずあっての作家なので、その意味では史実は二の次、まず男がかっこよく、そして痛快であることが第一なので砂。

2012-12-31 13:31:38
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コメント

しひまさん療養中 @hisima 2013年1月12日
柳生はともかく、藤堂高虎の心象がなぁ。影武者のなんて悪の新幹部だもん(何度も言う)。
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しひまさん療養中 @hisima 2013年1月12日
悪役と善役の名前が違うだけの一種のスターシステムなんだよな。けど好き
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新谷貴司(パゴちゃん応援中) @localnavi 2013年3月24日
そうか、隆慶一郎の小説は「民明書房に呉柳府が出てくるまでの男塾」と理解すればいいのか。勢いがあって面白い上に、なまじっか資料とか載せて説得力があるから、オレみたいに知らない人はコロリとやられると。
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ののまる @nonomaru116 2013年3月25日
隆慶先生、もともと本名の池田一朗で、50年代後半〜60年代は映画で、70年代以降は軸足をテレビドラマに移して脚本を手がけていた人ですからね。映画だと赤木圭一郎、石原裕次郎、小林旭といった当時の人気スターを起用してヒットを連発、ドラマだと水戸黄門や大岡越前、伝七捕物帳、大忠臣蔵といったおなじみのものをヒット作に押し上げた一人な訳で。で、小説でもこれらを作る時の感覚で人物造形していったんだろうな、と思うわけですw
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擲弾兵 @tekidanhei 2013年3月25日
隆慶一郎センセってつか時代小説家であって歴史小説家じゃないでしょ? 山田風太郎とか小池一夫の部類だと思うンですがッ!
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冷たい熱湯 @Tuny1028 2014年2月5日
歴史学者と歴史研究家と歴史小説家と時代小説家はそれぞれ境目が曖昧で、一連のスペクトラムを形成してる印象
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ロードランナー様(山川賢一) @shinkai35 2016年5月8日
高校時代、「死ぬことと見つけたり」を読んだ友人の感想が、「杢之助はすげえなあ、貫くもんなあ」だったのが印象的だった。
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まっつん @mazdadesu 2016年6月12日
「花の慶次」から遡って読み始めた人の心の中には今もドーンと隆慶一郎史観が鎮座してる
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DMMゲーム用 @viva_principle 2016年11月10日
網野史観とか持って来てるし、資料的な裏付けが出来るところはやりつつ、あくまで『小説』を書いてらっしゃる訳だし、何だかこのスレ自体が『三国志』をコーエーのゲームで知って、史実の諸葛孔明がいわゆる軍師じゃないってことに文句を付けてるようなそんな感じだわ。面白けりゃいいんだし、それで歴史上の人物のすべてを知ったつもりになること自体がよーわからん理屈だと思うがね。
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