隆慶一郎、その功罪

若干刺激的なタイトルにはしましたが、 隆慶一郎こと隆慶先生の書く作品にはなかなか癖があり、 その手法による問題について、軽く実体験も交えて書いたのを ざっくりまとめてみたり。
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神無月久音 @k_hisane

隆慶先生は伝奇作家ですから、別にそれでOKなのですけど、難儀なことに、中途半端に史料を引用して、そこに「俺はこうだったら超嬉しいのでこうあって欲しい。というか俺の中ではそうなのだ」という地の文が入るので、「なるほど、そうなのか」と釣られる人が多発するのが困りものなのです。

2012-12-31 13:34:19
神無月久音 @k_hisane

しかも、痛快談として機能させるために、「悪役」を配置してぶっ飛ばす、という手法を多用するため、「悪役」を振られた人が、かなり泥を被る羽目になるので砂。そのせいで、あくまで「役割」として振られた「悪役」を、「史実でもこんな奴なんだ」と思う人が結構いたりするわけです。

2012-12-31 13:37:19
神無月久音 @k_hisane

まあ、これを「情弱乙。史料くらい読んでから喋れよバーカ。伝奇小説だけで知ったような気持ちになるとかお前の頭の中はカステラでも詰まってるのか?」と切り捨てるのは簡単なのですが、世の中、そこまで調べる人の方が圧倒的に少数ですから、読みやすい方がイメージとして定着しまうんで砂。

2012-12-31 13:40:16
神無月久音 @k_hisane

隆慶作品というか、隆慶先生は実に罪作りだ、というのは、そういうことなのです。特に、実上の人物を知って、その人物を気に入った身としては、隆慶先生の欲求のために加工された人物たちを見ると、なんとも言えぬ気持ちになるのですよ。まさに愛憎入り乱れるというか

2012-12-31 13:45:58
神無月久音 @k_hisane

ですね。そして、「善玉が悪玉に打ち勝つ」話は、やはり痛快ですから受けやすいし、キャラも立つので印象に残りますしね。難儀でアリマス。 @minoruno 隆慶先生ほど極端ではないにせよ、司馬遼先生の本にもその傾向がありますよね。隆慶先生より信者多いので未だに影響力あるわけですが。

2012-12-31 14:02:17

「じゃあ、隆慶作品への評価は結局どうなの?」

神無月久音 @k_hisane

この気持ちを一言で表現するとこんな感じで砂。「くやしい…!でも面白い!ビクンビクン」 http://t.co/JBnpyjQF

2012-12-31 13:48:33
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神無月久音 @k_hisane

或いは、こんな感じとか(隆慶先生のイメージ)→ http://t.co/zqf2IRju

2012-12-31 13:54:01
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神無月久音 @k_hisane

そして隆慶作品を読んだ際、ある程度史実の人物像を知ってる読者たちの反応(↓) http://t.co/0hUGUdse

2012-12-31 13:55:02
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神無月久音 @k_hisane

最後に、史実クラスタから返ってくる反論に対する隆慶先生の一言。まさに「やわらかい石はいい笑顔の者に」で砂。 http://t.co/BI43KbOj

2012-12-31 13:56:33
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神無月久音 @k_hisane

引用元は毎度おなじみイン殺さんとこのこちら(【『鉄鍋のジャンR』を読み解く上で大切な三枚の画像】http://t.co/s6NYhJ3i)ですが、この「料理 (とそれを説明する知識)→食べ手 (という名のツンデレ)→驚愕 (と書いてリアクションと読む)」は、ここにも当て嵌まるなと

2012-12-31 13:58:58
神無月久音 @k_hisane

まあ、当方もそうなので、伝奇から歴史に興味を持ってもらうのはまるで無問題なのです。ただ、そこから歴史に足を踏み入れた身として、「伝奇より先があるんだよ」と声を上げる必要はあるよなーと @minoruno でもまぁ歴史オタが歴史に興味を持つきっかけのほとんどが創作物からですから

2012-12-31 14:10:39
神無月久音 @k_hisane

つまりこれで砂。 @zhenzai1568 というか歴史創作やってる人でも、調べるときは歴史クラスタだけど、かくときは創作クラスタに切り替わる人たくさんいるんじゃないのかなあ。尊敬の念と、創作に際しての気持ちは別というかhttp://t.co/Ntrmt5VB

2012-12-31 14:30:40
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神無月久音 @k_hisane

あるいはこちら。島本先生は実に言霊の使い手でありま砂。 @zhenzai1568 http://t.co/C9A8y3SN

2012-12-31 14:31:41
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神無月久音 @k_hisane

ですねー。なので、やはり創作は創作で楽しみつつ、史実は史実で調べつつ、かといって両者を変に混同せず(意図的に混ぜて遊ぶのも面白いのですが)、楽しんでいきたいものでアリマス。 @zhenzai1568 爆笑しました。島本先生すげえ(笑)。まさにそれです。

2012-12-31 14:37:35

「ではまとめを」「まとめ、そうねえ」

神無月久音 @k_hisane

「ではまとめを」「まとめ、そうねえ、「荒山先生は早いトコ”柳生封印いま破る”をやって、オリジナル柳生剣士とニュー朝鮮妖術師が全開バトルして、「ぬう、あれは!?」「知っているのか黄算哲!」とかいう話を書くべき」と言うしかなんじゃないの」「そうですね」

2012-12-31 14:40:04