稲川淳二の『つぶやき怪談』(2016.02.29)

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稲川淳二 @Junji_Inagawa

「よろしくお願いします」 と、私、前に歩きだして、ふと、後ろを振り返って、

2016-02-29 22:15:36
稲川淳二 @Junji_Inagawa

(ええっ!?)と思ったんですよ。

2016-02-29 22:16:06
稲川淳二 @Junji_Inagawa

いないんですよ。 後ろにいた、男と女の人が。

2016-02-29 22:16:30
稲川淳二 @Junji_Inagawa

(なんだ、これ!) って、思いましたけど、 すぐに、そんなもの吹き飛ばして、走っていきました。

2016-02-29 22:17:02
稲川淳二 @Junji_Inagawa

多少の遅れはあったんですが、撮影は順調に進んで、終わり、 スタッフは後片付けにかかり、私も、帰る準備をしてたんです。

2016-02-29 22:17:31
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこに、あのADクンが、 なにか、割り切れないような顔して、やってきたんですよ。

2016-02-29 22:18:02
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そして、 「稲川さん、おっかしいんですよ」 って、言うの。

2016-02-29 22:18:37
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「なにが?」 って、私が聞くと、

2016-02-29 22:19:06
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「あんなにいた見学者がねえ、まるっきりいないんですよ」 って、言うの。

2016-02-29 22:19:32
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「そうなの?」 私が、もう、ライトも消えて、道路のライトだけで、

2016-02-29 22:20:17
稲川淳二 @Junji_Inagawa

暗くなった周囲を見ると、確かに、見学者の人影が、ないんですね。

2016-02-29 22:20:41
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「だって、あんなにいれば、引き上げる時、 もう少し、ザワついたり、音がしたり、するじゃないですか。

2016-02-29 22:21:16
稲川淳二 @Junji_Inagawa

それなのに、誰も、見学者たちが、いつ帰ったか、分からないんですよねえ」 って。

2016-02-29 22:21:51
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そん時ね、私、背中が“ゾクッゾクッ”って、しましたよ。 そして、あることに思いあたったんですよ。

2016-02-29 22:22:27
稲川淳二 @Junji_Inagawa

でもね、ADクンに話しても、かわいそうだと思って、 そん時は、「そうかい」 って、だけ、言ったんですけどね。

2016-02-29 22:23:11
稲川淳二 @Junji_Inagawa

後日、知り合いの霊能者に、この夜のことを話すと、

2016-02-29 22:23:40
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「ああ、あそこね。 あそこ、結構、死体がよく上がる場所だからね」 って、言いました。

2016-02-29 22:24:13
稲川淳二 @Junji_Inagawa

あの橋の下は、川の流れの関係で、 上流で、事故や事件にあった死体が、流れ着く場所だったんですよね。

2016-02-29 22:24:40
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そして、何十年か前にあった、洪水かなんかで、 かなりの数の死体が、流れ着いてるんですって・・・。

2016-02-29 22:25:05
稲川淳二 @Junji_Inagawa

だから、あの夜の見学者ね、 (あれは、あの場所に流れ着いた、 その人たちの霊魂だったんじゃないか)

2016-02-29 22:25:45
稲川淳二 @Junji_Inagawa

って、私、思うんですよね。

2016-02-29 22:26:32
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そうすれば、神出鬼没だったり、 帰る時に、何の気配も感じなかったり、 妙に静かだった理由、分かりますからね。

2016-02-29 22:27:18
稲川淳二 @Junji_Inagawa

だって、幽霊、ですから・・・。

2016-02-29 22:27:46
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「つぶやき怪談」いかがでしたか?

2016-02-29 22:28:16
稲川淳二 @Junji_Inagawa

怖・楽しい時間を、楽しんで頂けましたでしょうか? 喜んで頂ければ、何よりです。

2016-02-29 22:28:55