アタック・オン・ネイキッド#6

ニンジャスレイヤー×全裸中年男性な二次創作テキストカラテ、2年越しに完結。 狂人の群れの前にとうとう現れた、真の狂人・ニンジャスレイヤー。死神の怒りに触れた時、全裸中年男性に最早逃げ場は無し……! 書いたのは@mpblacklord、掲載したアカウントは@mpb_karate。感想は是非ハッシュタグ #mpbkrt まで。
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テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

おお、ブッダはネイキッドを「インガオホー」と笑っているだろうか?我々がその様子を窺い知ることはできない。「イヤーッ!」「アバーッ!サヨナラ!」おお、今再び路地裏でネイキッドが再び爆発四散した!ニンジャスレイヤーは休むことなく次のネイキッドを探す! 22

2016-02-29 23:20:25
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

…「イヤーッ!」「アバーッ!サヨナラ!」別の路地裏で、ネイキッドが再び爆発四散した!ニンジャスレイヤーは休むことなく次のネイキッドを探す!狂気やドラッグになど頼らずとも、殺戮者の状況判断はネイキッドの居場所を正確に突き止める!「イヤーッ!」「アバーッ!サヨナラ!」 23

2016-02-29 23:24:43
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

…「イヤーッ!」「アバーッ!」…「イヤーッ!」「アバーッ!」…「イヤーッ!」「アバーッ!」…「イヤーッ!」「アバーッ!」…「イヤーッ!」「アバーッ!」…「イヤーッ!」「アバーッ!」…「イヤーッ!」「アバーッ!」…「イヤーッ!」「アバーッ!」…「イヤーッ!」「アバーッ!」… 24

2016-02-29 23:27:43
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

…ニンジャスレイヤーは、暗いゴミ捨て場に音を立てて着地した。「アイエッ」びくりと震えて、隅で小さく丸まっていたネイキッドが振り返る。その傍らには、破かれたゴミ袋がいくつか。 25

2016-02-29 23:34:25
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

手には食べかけの残飯。スシ。テンプラ。口の周りを汚し、目に涙をにじませ、ぐしゃぐしゃの顔で、全裸中年男性は震えていた。「私の言葉が分かるか、ネイキッド=サン」哀れな中年男性は口を動かしながら座り込み失禁するばかりで、フジキドの言葉には答えない。 26

2016-02-29 23:38:44
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

最早ネイキッドを助ける者は誰もいない。フジキドは狩り尽くした。隠れようとするものも。地下に潜ろうとするものも。タマ・リバーに飛び込もうとするものも。「オヌシの対抗とやらは、狂人の身勝手な理屈に過ぎん」フジキドは静かにジュー・ジツを構えた。「ハイクを詠め、カイシャクしてやる」 27

2016-02-29 23:46:11
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

ネイキッドは、ほんの数秒黙っていた。そして、たどたどしく喉から音を絞り出した。「カイシャク…ニ、対抗…シ…」「イヤーッ!」「グワーッ!」ぞっとするほど冷たいコンクリートが、今再びネイキッドを迎え入れた。「サヨナラ!」ネイキッドは爆発四散した。 28

2016-02-29 23:51:27
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

ニンジャスレイヤーは大きく息を吐き、そして膝をついた。ネイキッドを殺すと決めたあの日から、一度もまともに休んでいない。いかなニンジャスレイヤーとて、実際限界であった。重金属酸性雨が降り注ぐ。カチグミの上にも、マケグミの上にも。モータルの上にも…ニンジャの上にも。 29

2016-03-01 21:03:11
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

(狂人の身勝手な理屈…)薄れゆく意識の中で、フジキドは考えた。(自分のしてきたことが、そうでないと言えるのか)フジキドは地を這い、動こうとした。(分からん…だが、こんなことをしている暇は…ユカノを…探さね…ば…)フジキドの意識は、そこで途絶えた。 30

2016-03-01 21:03:28
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

…フジキドが次に目を覚ます場所は、薄暗いテントの中になるのだが、それはここで語られるべきことではない。 31

2016-03-01 21:03:43
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

「――倒された?」ラプチャーは通信機に向け、驚きの声を発した。通信の相手…バスター・テツオは、淡々と返事をする。『現場近くにいた別のエージェントから報告があった。別のニンジャ存在が介入し、ネイキッドと名乗るそのニンジャを次々倒していったと』 33

2016-03-01 21:09:54
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

「我々の戦闘エージェントでないとすると、ソウカイヤの?」『イヤ。ソウカイヤのエンブレムは身に着けていなかったそうだ。フリーランスでどこかに雇われた可能性もあるが…』テツオは少し間を置いた。『…死神の噂を聞いたことは?』 34

2016-03-01 21:16:31
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

唐突な聞き慣れぬ単語に、ラプチャーは困惑した。「ハイ?」『いや、いい。とにかく、ラプチャー=サン。ケジメは必要ない』テツオはそこで話題を切った。『むしろ、よく戦ってくれた。君の活躍は我々イッキ・ウチコワシの闘争をまた一歩前進させたと言える』「…アリガトゴザイマス」 35

2016-03-01 21:21:03
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

『あとは予定通りに』「…ハイ。では、オタッシャデー」ラプチャーは通信を切り、隣に座るひとりの若い娘に視線を向けた。つい先程、再びすべてを失った、アワレな娘を。不安を映したような目で、彼女はラプチャーを見ていた。 36

2016-03-01 21:28:45
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

重金属酸性雨の降り注ぐビルの屋上は、悲しいほどに冷たい。ラプチャーの調達したレインコートがあっても、それは同じだろう。「お嬢さん。記憶が無いのだったな」「ハイ」「名前も、家族も?」「…ハイ」「…あのカラテを、どこで身に着けたかも?」「…ハイ」その表情は、返事の度に曇った。 37

2016-03-01 21:35:26
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

「…それはさぞ心細かろう」彼女は返事をせず、俯いた。「お嬢さん、我々と共に戦う気はないか」「エッ」ラプチャーの提案の意味を、彼女ははじめ理解しかねた。「戦う、とは」「君を見ていた。あのニンジャと戦う、君の姿を」ラプチャーは彼女の手を取った。 38

2016-03-01 21:42:06
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

「正しく学べば、君は立派な戦闘的エージェントになれる。イッキ・ウチコワシは君に居場所を、そして生きる目的を与えられる」ラプチャーは目に炎を宿し語る。彼女にとってその手は、熱すぎるほどに温かかった。「全ての責任は俺が背負う。君が必要だ。俺と共に来てほしい」 39

2016-03-03 20:45:37
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

彼女の胸の鼓動が早まっていく。(私、今、体温何度あるのかな)ラプチャーの姿は、とても輝いて見えた。彼の熱く語る世界には、自分の居場所が、そしてこの人が存在する。最早、迷う余地などありはしなかった。「…不束者ですが、ヨロシクオネガイシマス」「ありがとう、決心してくれて」 40

2016-03-03 20:45:47
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

ラプチャーは再び彼女を抱き上げた。「さあ、行こう。同志達が待っている」「ハイ」ラプチャーの腕の中で、彼女は大きな幸福感に包まれていた。自分が何者かは分からない。でも、この人について行けば、何も不安はない。彼が戦うと言うなら、自分はどこへだろうとついて行こう…。 41

2016-03-03 20:45:58
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

(…等と、思っているのだろうか)彼女に見えぬメンポの下で、ラプチャーは険しい表情を作っていた。(全ては闘争に必要なこと。分かってはいるが…本当にいいのだろうか。頼る者のない彼女の心につけ込むような、こんなやり方)ラプチャーは、あの時テツオに下された指示を思い出していた。 42

2016-03-03 20:46:11
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

『――ラプチャー=サン。今から言う事を間違いなく実行してくれ』ネイキッドと戦う彼女をカメラ越しに見つめながら、テツオは淡々と言った。『彼女を…そう、今カメラに映している彼女だ。連れて帰ってくれ、我々の元へ』「ハイ」『そしてここからが重要だ』 43

2016-03-03 20:46:24
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

ラプチャーは緊張と共に、テツオの次の言葉を待った。『…彼女が自ら革命闘士となりたがるよう仕向けねばならない』「自ら、ですか」『ラプチャー=サン、君にこのミッションを任せて良かった。君は一般的な基準で見て、整った顔をしている』「…スミマセン、おっしゃる意味が」 44

2016-03-03 20:46:37
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

『闘争への入り口は問題でない。入った後、いかに学び戦うかだ。普段の勧誘活動とさほど変わりない』「つまり、その、彼女を」誘惑せよと。ラプチャーの言葉を遮り、テツオは続ける。『難しく考えることはない。彼女がまさにアブナイだという時、助けに入り、救う。それだけでいい』 45

2016-03-03 20:46:51
テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

「それまでは手出しは」『不要』「他の同志は」『彼女を最優先としてくれ。彼女は必ず我々の闘争にとって重要な存在となる』ラプチャーの額を、一筋の汗が伝った。『それから、必要に応じアレを使っても構わない』「…アレ、ですか」ラプチャーの意識は、懐に入っているタブレットに向いた。 46

2016-03-03 20:47:01