#完全ノープラン艦これ与太話【アドミラルズ・デシジョン】再放送版 #1～#2

春魔解丼 @vespiking

○○○○○○○○○○○○○○○○ #KZNPLN

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○謹賀○ヘイ！ガイズ！今月の5-4周回は順調かな？我々は総兵力にして一個機動艦隊におよぶ完全ノープラン提督チームのうち、再放送たんとう者たちです。我々は #完全ノープラン艦これ与太話 というファンジンSSをツイッター連載する集団であり、平和的で安全です○新年○ #KZNPLN

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○最大○ヘイ！現在本編はさまざまな理由から更新スピードを従来の37ノットぐらいから、12ノット程度まで下げている。しかし我々は海をまもる艦隊オーディン神のお告げをうけ、そのあいだ何もないのもなんかアレなので、我々がうごき出した次第です○戦速○ #KZNPLN

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○というわけで本日より #完全ノープラン艦これ与太話 の過去エピソードから厳選された1話を、数日にわけて再放送します。選択したエピソードは比較的独立しており、また最新話とかで活躍している初登場の人物もいるため、ここから読んでも大丈夫なものとなっています○ #KZNPLN

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○！警告！○ #完全ノープラン艦これ与太話 はニンジャスレイヤーをリスペクトした艦これSSであり、二次創作です。ツイートには #KZNPLN がすべて付与され、あなたがたはNG設定ビリティが確保されている。我々はあなたがたの機雷に対する掃海などに配慮しない。備えよ○

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○それでは間もなく開始されます。どのエピソードが選ばれるか？それはじっさいの放送をご覧いただこう○ #KZNPLN

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●●●●●●●SAIHOSO●●●●●●● #KZNPLN

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魚雷設計図や弾道計算式を書いた紙が壁一面に貼られた、暗い部屋。サイバーサングラスをかけた白服の巡洋艦が、眼前の映像を眺め、蕩けた吐息を漏らす。映像はどこかの鎮守府の執務室だ。カメラワークは時折大きく揺らぎ、安定しない。 #KZNPLN

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時折入る映像のノイズが、ハッキングによる盗撮であることを物語っていた。カメラの視線はやや低く、椅子に座った艦娘の目線程度から、執務机越しに暗い部屋を眺めていた。サイバーサングラス内蔵のアイカメラである。白服の巡洋艦はコタツに潜り込む。｢ウフフ、北上＝サン｣ #KZNPLN

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設計図の間に伸びるカケジクには｢大陸間弾道魚雷｣｢抑止力｣｢平和主義者｣｢レギンレイヴ｣といった革命的なショドーが力強く並ぶ。巡洋艦はコタツで丸くなり、荒い息で携帯IRC端末を取り出した。｢ハァーッ、ハァーッ、北上＝サン……死んで？｣ブツリ。映像が途絶えた。 #KZNPLN

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ＣＲＡＴＯＯＯＯＯＭ！遠く離れた辺境の鎮守府で、執務室が突如、爆発した。 #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 第2部より【アドミラルズ・デシジョン】（再放送・再編版） #1 #KZNPLN

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｢ぽい！？｣爆発音にいち早く反応したのは夕立である。おお、ナムサン！鎮守府が、執務室が燃えている！夕立はほとんど脊髄反射で鎮守府の方角へ跳んだ。ひと呼吸置いて、他の面々もぞろぞろと居住区から飛び出してくる。ウシミツ・アワーを告げる鐘の音が、総員を出迎えた。 #KZNPLN

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夕立は野獣めいた駆逐艦聴力で爆発方向を察知した。星空を切り裂くように立ちのぼる黒煙は、鎮守府の執務室に根差していた。即ち、鎮守府総司令たる雷巡・北上中将の私室。夕立の動力部が、痛いほどに胸を内から打ちつける。センコめいて赤のオーラを棚引かせ、夕立は港を駆けた。 #KZNPLN

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｢北上＝サン！アーッ！アアアアーッ！｣夕立はほとんど涙目になりながら、爆ぜ飛んだ黒い執務室で瓦礫を掻き分けた。瓦礫の下から、壊れた車椅子と魚雷管が出てきた。夕立の全身から汗が吹き出し、血流が血管の内壁をビリビリと擦る。北上は最近、執務室で寝泊りしていたはずだ。 #KZNPLN

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シェル・インシデントにおける戦艦大和との最終決戦のなかで北上は視力を失い、以後は半自動の車椅子で生活していた。突然の爆発をうけ、いかな高練度の雷巡といえど、全盲状態で即座に回避動作がとれるか？夕立のニューロンは、非現実的な可能性をひたすらに探る。 #KZNPLN

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夕立はおそるおそる、魚雷管を検めた。強固な魚雷発射管が内側からひしゃげ、黒焦げになっている。夕立の戦闘経験は、爆発の威力を否応なしに連想した。その殺傷半径も。｢アアア、アアアアア……｣夕立は膝から崩れ落ちた。これ以上の捜索は、おそろしくてできなかった。 #KZNPLN

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点検不備による、魚雷の自然暴発。そして、五連装の魚雷管10基、雷装50門が一斉誘爆。まがりなりにも水雷戦のタツジンである駆逐艦として、客観的に状況を検める限りは、そうなる。だが、夕立にはどうしても認められなかった。誰より魚雷を知る北上が、暴発事故など。 #KZNPLN

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夕立の内側で、ふつふつと黒い感情が渦巻いた。北上が暴発事故など起こすはずがない。誰かが殺した。誰が、殺した。白目が涙を吸い取り、瞳を圧縮する。艤装がバカリと割れ、暗黒の触手がぐらぐらと沸き立ち、行き場のないエネルギーを空中に逃がす。｢オ、オオ、オオオオ……｣ #KZNPLN

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パキリ。瓦礫を潰す甲高い音を、夕立の鋭敏な聴覚は逃さない。｢……ぽい｣赤黒のキリングオーラに全身を包まれた夕立は、のそりとそちらへ向いた。キィキィと金属の軋む音、足音。夕立はカラテを滾らせる。破壊された執務室のドアの前に、音の主はぬうと現れた。｢ぽい……？ぽい！｣ #KZNPLN

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夕立は涙を流し、音の主に飛び付いた。｢ワッ、ワーッ！バ、バランスが……｣｢ぽいーっ！北上＝サン！北上＝サン！｣夕立は喉を鳴らし、音の主、車椅子の巡洋艦にじゃれつく。｢ぽい……ヨカッタ……｣｢ごめんね、心配かけたね｣北上はサイバーサングラス越しに微笑んだ。 #KZNPLN

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｢ひでェ有様だな｣車椅子を押す茶髪の駆逐艦は、執務室の惨状を見てシニカルに笑う。｢そんなにひどいのか｣｢アー、これは間違いなく死んでるね。九三式酸素魚雷、合計50発の大ハナビ・ショーだ。冗談キツいぜ｣駆逐艦は魚雷管を取り上げた。｢この壊れ方。まるでカートゥーンだ｣ #KZNPLN

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駆逐艦は魚雷管を北上に手渡した。北上は宙を見上げながら、手渡された魚雷管を撫でるように触る。｢本当だ。こりゃひどい。完全に内側から吹き飛んでる。装甲の破れ方からして、そうか、ふむ。右腰の魚雷管が着火点か。あそこは手が届きにくい。整備不良で劣化しやすい箇所なんだ｣ #KZNPLN

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｢つまり？｣茶髪の駆逐艦、秋雲が問うた。｢現場を入念に調べるほど、事故の線が濃厚になるだろうね」北上は車椅子の傍らに立つ秋雲の前に、くいと魚雷管の残骸を差し出した。「ここはちゃんと魚雷を外して手入れしないといけないんだ。教本にもとくに入念に書かれている」 #KZNPLN

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「鎮守府総指令、整備不足による爆発事故で死亡。こういうニュースが朝刊を飾る予定だったのだろうね｣｢今から一面差し替えか。ブン屋も多忙だな｣秋雲は芝居がかって両手を挙げた。｢この偽装……間違いなく雷装のタツジンによる犯行だ。おそらく私と同じ、雷巡だろう」 #KZNPLN