【粉川哲夫+藤井光】フランコ・ベラルディ(ビフォ) 『プレカリアートの詩』をめぐって
粉川「他にアーティストの場所って無いんでしょ。無名のアーティストはお金を借りてギャラリーを使う。そんなところ日本以外に他にはない。例えば他だとアパートが貸してくれたりする。今は酷い」
2010-03-14 20:26:58粉川「戦略的にやる場合、藤井さんみたいなやり方しかないのかもしれないけど、例えばこの場でUstreamをやったりするけど、ペイはしないよね(笑)美術をするならお金を考えないようにするしかない部分もあると」
2010-03-14 20:28:43藤井「日本の現代美術の歴史なんだけど、ビデオ広場というのがありましたよね。ビデオを使って社会コミュニケーションをしようと。アメリカのゲリラビデオがあったりする。アメリカだと広がって発展していったけど、そこのところが発展しない」
2010-03-14 20:29:19粉川「最初はケーブルチャンネルというのがある。元々親元があって、ケーブルを使うシステム。難視聴区域などがあって。それがコミュニティーになるんじゃないかって考えた奴がいて。それがパブリックアクセスとして開放しなければという。それは良くも悪くもデモクラシーで」
2010-03-14 20:29:44粉川「活動家には、ビデオはヤバイって言ってたりするんですよ。ビデオアクティビストが出始めてからなんですよ。日本だと活字文化が強い。携帯電話だってそう。それは逆手にとらないといけないかと。活字とイラストですよ」
2010-03-14 20:30:08粉川「ポリティカルなことをすると、政治行動ととられる」藤井「いまだに検閲的なものは凄くて、宮下デモを展示出来るって、宮下問題を広げようとおもって写真をチラシに使ってくれっていうとダメとか言われてしまう」粉川「やはり規制が凄いんですよ。日本は警察国家だと思う」
2010-03-14 20:32:00藤井「美術的な実践と社会的な実践が異なってやっている」粉川「ガテマラの難民だったりする人が、メシを食うだけでなんとかなるところで、ボランティアでやって、インディーズメディアを作る。ペーパータイガーとか」
2010-03-14 20:42:41粉川「アメリカは不思議な場所で、イヤなところもたくさんあるけれども、チャリティとボランティアというのが社会的基盤にあって、その上にのっかっている」
2010-03-14 20:43:23司会「UstreamやTwitterなどの速さについていけない自分がいて。もっとゆっくりやったり考えたりしてもいいのでは?って思うんですよ。例えばZineを作っていく中で、段々と考えていくみたいな、プロセスの余裕」
2010-03-14 20:46:43藤井「最近はデリバリーパスということを考えていて、表現はデリバリーパスに拘束されやすい。美術館はデリバリーパスの持つ枠が狭い。では宮下公園のデリバリーパスって何だ?って考えると見えないのが面白い。公園で何か表現すると何でもありだったりする」
2010-03-14 20:48:38藤井「美術館で賞賛されたり非難されたりする中で、それを越えて他の場所においた場合に、試されるアートとは何だろうということを考えると面白い」
2010-03-14 20:52:16粉川「引きこもりどうするの?って話はあまり出てこないですよね。それは自分で考えろということなのかもしれないけど。抑圧も党も基本にした政治は終わりで、引きこもりを出すのは正しい。引きこもりの人は現状を非難をしない人もいて、ガタリの機械的無意識状をどう掴むか」
2010-03-14 20:52:49粉川「ゲリラ部隊と特殊部隊の共同作業という。映画監督がいて、莫大に無駄なカットを作る場合もあれば、許可を取らずに平気で取ったりする場合もある。それがどっちが主軸かというと簡単には言えない」
2010-03-14 20:53:33粉川「本当はフィルムからビデオの移り変わりが凄いんだけど、日本の場合はテレビで映画監督が来たりする。別にどんな平面に投射してもいいし、メシ食いながらでもいいし、早送り出来る。ビデオはインタラクティヴなんですね」
2010-03-14 20:56:52粉川「そこでビデオアクティビストが出てくる。走りは台湾なんですよね。そこからアメリカに伝播して『こんなのがアリなのか!』ということで広がっていく」
2010-03-14 20:58:29粉川「またね、その映像が面白いんだ。エコロジー団体がやるのは、木にぶらさがって、手回しのサイレン機を持っている。でウーって鳴らす。それは何かって言うと、『木が鳴いている』っていうんだよね(笑)」
2010-03-14 20:59:46粉川「また、その映像が引いてないんだよね。例えば警察にメガネを壊されたりしたときなんかも。それは一緒にやっていたということなんだろうね。内側に入って」
2010-03-14 21:01:18粉川「台湾では、海賊ビデオを路上で売っていたんですよ。屋台にあって。ポルノや劇場版が置いてある中に、「これ置いてください」と言って置かせてもらう。そうすると「なんだこれ、面白そう」って誰か買っていく」
2010-03-14 21:01:26(質問に答えて) 粉川「分裂病患者は親を意識しないから重要なんだ、ってガタリはいるんです。フロイトは分裂病者を嫌った。治療しなかった。神経症は家族の復権に持っていく。それは精神分析の犯罪だって、ガタリとドゥルーズが言う」
2010-03-14 21:11:47粉川「情報化社会においては、新しい欲望の捏造によって、消費を生みだす。じゃあ欲望の解放、享楽という言い方をすると、『それどういう欲望なの?』という問いがあって、それをエコロジカル化してこれが本当の欲望ということを言ってもだめで」
2010-03-14 21:14:51粉川「携帯電話なら携帯電話を否定することだけではダメで、テクノロジーによって一緒に出てくる欲望があって、だからこの場でパタパタと持ってきてUstreamを流すのなんかも面白いなと思う。だから自分がやってきたラジオも一緒で」
2010-03-14 21:18:20