「……な…さん…」誰かの声が聞こえた気がした。手を伸ばそうとした。だが、くりなごの意識は01の海に沈んでいった。深く、暗く、ただ一つの音も聞こえない暗黒の海。くりなごは静かに目を閉じた。 1 #nltkst
2016-03-06 23:00:47やがてくりなごは辿り着いた。0と1の果て、その先にある場所に。そこはまるで月に照らされているかのような、弱々しい光が漂っていた。「…ここ…は…?」彼女は上下逆さまになりながら呟く。 3 #nltkst
2016-03-06 23:04:32直感的にくりなごは理解した。ここは海の底だ。様々なものが漂着し、放置され、腐敗している。まるで吐き出された捗りの墓場だと、くりなごは思った。彼女は嫌悪感をあらわにしながら辺りを見回した。その眼が何かを捉えた。 4 #nltkst
2016-03-06 23:08:18ピンク色の影。それはゆっくりと、滑るようにしてくりなごに近づいた。「…もよさん?」影はかぶりを振った。「私は…君の瞳にはそう映っているだろうが…もよではない。私は君が来るのを待っていたんだ」 5 #nltkst
2016-03-06 23:12:04呆気にとられるくりなごをよそに、もよに似た何者かは続ける。「もよのフートンクラウド意識との接続が途切れた。幼稚園で何か問題が起こっているのだろう。そして私はその問題に心当たりがある」 6 #nltkst
2016-03-06 23:15:26「しかし、私がこれ以上に理性を保つのは不可能だろう。だから一つだけ頼む。彼女…つまり、今回の騒動の原因となった者、あれの中にいるのは、私の…なんというか、知り合いのようなものだ。どうか、彼女を救ってやってくれないか」 7 #nltkst
2016-03-06 23:18:54くりなごが口を開こうとすると、もよめいた者の指がその口を塞いだ。「Howler in the Luna。彼女を頼んだ。捗りを信じろ」もよめいた者の影はやがて薄れ、霧となって消えた。くりなごは静かに頷いた。 8 #nltkst
2016-03-06 23:21:45「『ハウラー イン ザ ルナ』」くりなごは繰り返し、その名を呟いた。「吠ゆる…銀、いや、月…?」そう口にした途端、彼女は名状し難い恐怖に襲われ、夜空を見上げた。夜空?ここは海底だった筈だ。くりなごは訝しんだ。 9 #nltkst
2016-03-06 23:25:13月に吼ゆるもの……と言ったら、あの神性絡みのなんかだろうけど……それと知り合いなもよめいたなんかは一体なにもよなんだ…… #nltkst
2016-03-07 00:39:55栗なごさんにトスを回した。ねこちゃんテキストに出番を回そうというキャラの今後について及び幼稚園シェアワールドの世界拡大の試み、そしてあわよくばねこちゃん世界観採用の企みを3点同時に感じる。 #蛇の道は蛇 9 #nltkst
2016-03-07 00:45:26だが確かに夜空だ。星が瞬き、鈍色の立方体が…立方体?くりなごの身体をぞわぞわとした感覚が走った。その周りを取り囲むようにして、数体の黒い影が出現した。くりなごは咄嗟に地面を蹴った。 10 #nltkst
2016-03-06 23:28:54月明かりに照らされる砂浜に着地した彼女は、その身に巫女装束を纏っていた。くりなごはボーを構える。捗りの力が為す術だ。「戦うつもりなら、相手しますよ」彼女は巧みにボーを操り、威嚇した。黒い影は不気味に揺らめいた。 11 #nltkst
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