令息とのお見合い

シャオイー(小伊) @applex002

@T_B_Vincent 「あのー、おじゃまします」髪も肌も真っ白な人形のように愛らしい少女がコンコン、とノッカーを鳴らした。

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@T_B_Vincent 「きゃぁ」思っていたよりも間も無く扉が開き、少女は小さく肩を揺らした。少年の噛みながらの質問に自然と笑みが漏れる。「はい、本日お会いする約束をさせて頂いたシャオイーと申します。よろしくお願いします」

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@T_B_Vincent 少年の様子にきょとんと瞬きを繰り返すと口元に手を添えてくすくすと笑みを漏らした。「ふふ、…あらやだ、わたしったら。…ごめんなさい。でもわたし、とっても緊張していたんです」

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@T_B_Vincent 「ふふ、あなたのお陰でなんだか胸が楽になってしまいました。ありがとう」扉を抑えてくれる相手にぺこりと頭を下げるとゆっくりと屋敷へと足を踏み入れた。

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@T_B_Vincent 「あら、」後ろから駆けてきた相手に振り向き「ありがとうございます。でも、荷物と言ってもハンドバッグ一つなので大丈夫ですよ。ふふ。わたし、自分のバッグを持てるくらいは力持ちですから」

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@T_B_Vincent 前を歩く少年について屋敷の中を歩く。少女にとっては初めて見る豪華なお屋敷に心を奪われた様子であたりをきょろきょろと見回した。

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@T_B_Vincent 「まぁ…！」流れるような動作で手を取られると相手の唇がその甲に触れる様子を赤い頬で見つめた。はっと我に返ると慌ててぺこりと頭を下げ「セオ……えっと、セオさんですね。シャオイー・アンジュ・マーティンと申します」

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@T_B_Vincent 「本日は素敵なお屋敷にお招きいただいてありがとうございます。あの……」少女が小首を傾げて花のように微笑むと、纏めた髪の後れ毛がさらりと流れた。「ふつつかものですが、今日はよろしくお願いしますね」

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@T_B_Vincent 「ありがとうございます」促されるままに席につく。にこやかな笑顔の相手は悪い人には到底見えず、部屋に入ったときに僅かに高まった緊張が解けていくようだった。「ふふ、セオさんはとても紳士なんですね」

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@T_B_Vincent この程度は当然。相手の言葉に貴族の世界は格式が高いんだなぁと、少女は眼を輝かせた。「そうなんですね！まだセオさんはお若く見えるのにしっかりしていらっしゃるんですね。わたし、こういう場は初めてなので…その、実はとっても緊張しているんです」

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@T_B_Vincent 同時にお遊びのような気持ちでこの場に来てしまった自分を少し恥ずかしく思い、少女は素直に眉を下げた。「今日も、セオさんと仲良くなれたら良いなぁって思ってくらいですから…先にごめんなさいします。あの、気づかないうちに失礼があったら、ごめんなさいね？」

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@T_B_Vincent 「まぁ……」よく回る口だな、と少女は瞳を瞬かせた。「噂、ですか？」相手の言葉に小首を傾げる。セオさんは確か親同士知り合いの息子さんと言っていた。これは、もしかして父親から見た"シャオイー"の人物像をそれとなく知ることができるのではないかという考えに至る。

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@T_B_Vincent 「可憐だなんて…恐縮です。やだ、本人のいないところでどんなことを言われていたんでしょう。気になってしまいます」両手で頬を抑えるとちらりと相手を上目遣いに見つめた。

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@T_B_Vincent 「そうなんですか？わたしはセオさんのこと、しっかり者だってお聞きしました。本当にその通りなんですから、わたし、ギャップで幻滅されていません？大丈夫でしょうか？(そわそわと視線を彷徨わせ)はい、侯爵とは一度も。セオさんのお父さんってどんな方なんですか？」