ニンジャカタナ『カクヨム版』第八章 約束

現在カクヨムにて連載している、ニンジャカタナの第八章『約束』のまとめです。 カクヨム上でも読めますが、せっかくなのでこちらでもまとめ。 カクヨムURL 続きを読む
1
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

こんばんはー!丁度夕ご飯時で、ニンジャスレイヤーの更新もしていないので(ここ重要)今から10~20ツイートほど、TLにて拙作、ニンジャカタナの追加部分を掲載させて頂こうとおもいます。

2016-03-13 17:00:14
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

今回、このような形でTwitterでの公開を行うのは、既にTwitterでフォローして頂いている方の中に、一話を読了して頂いている方が大勢いるからです。その方達に、追加したからまたよんで!というのはなんともしのびなく!!!!こちらから公開させていただくことにしました。

2016-03-13 17:01:26
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

追加した部分はカタナとリーゼが93番コロニーに辿り着き、その中で100年カタナを待っていた、アマネ博士にコロニーの真相を聞かされるシーンです。いわゆるネタバレ部分!しかしそんなこと気にしない!しばしの間お目汚し失礼しますが、目障りでしたらミュートお願い致します!

2016-03-13 17:03:08
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

1ツイート約5分間隔で投下します。それでは、フォロワーの皆様。しばしTLをお借り致します。

2016-03-13 17:04:12
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

ニンジャカタナ  第一話 緑光の少年 第八章 #93より 『約束』

2016-03-13 17:05:10
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

雪――。 降り積もる雪が、傷ついた大地を静かに埋めていく。

2016-03-13 17:05:51
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

抉れた地面――。 崩落した氷河――。 強固な防寒装備に身を包んだアマネは、じっとりと水を含んだ湿り気のある雪をかき分けながら、声を枯らし、必死に呼びかけ続けていた。 この半年を共に過ごした、我が子ともいえる少年の名を――。

2016-03-13 17:06:27
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

「カタナーっ!どこなの?お願いだから、返事をして……っ!」 その声は、粛々と降り積もる雪の中に溶けていく。 見渡す限り白一色の大地、その先――。 辺りを見回すアマネの目に、雪の中に倒れ伏す、無数の人影が飛び込んでくる。

2016-03-13 17:09:29
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

「ニンジャ……。死んでるの……?」 コロニーを襲った恐るべき侵略者達。 その体から漏れ出るように、赤い光が灰色の空に向かって昇っていく。 「どうして……」 雪の中、両膝をついて嗚咽を漏すアマネ。彼女の周囲には、雪に半ば埋もれた、数え切れない程のニンジャの亡骸――。

2016-03-13 17:12:34
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

俺が倒す。 俺が止めてくる。 そう言って、一目散に駆けだしていった蒼髪の少年。 アマネの脳裏に、その少年の笑顔が浮かび、雪の上に涙が溢れる。 だが、その時――。 (泣いてるのか――?アマネ――) 「――カタナ!?」

2016-03-13 17:16:10
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

アマネの耳に、聞き慣れた少年の――カタナの声が届く。 顔を上げ、周囲に目をこらすアマネ。 だが――。 そこで彼女の目に映ったものは、少年ではなかった――。   アマネを心配するように、彼女の周りを舞い踊る、緑色の光――。

2016-03-13 17:19:06
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

「ミドリ、ムシ……?カタナ……貴方、今どこにいるの?」 気付けば、緑光は彼女の周囲だけで無く、雪の中に倒れ伏した無数のニンジャ達すら覆い隠さんばかりに溢れていた。 その光景はまるで、降り積もる雪がそのまま輝いているかのよう――。

2016-03-13 17:22:09
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

全てが終わった戦場で輝くその光は、幻想的で、美しく。 そして――儚かった。

2016-03-13 17:22:29
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

(泣くなよ――。こいつら、俺がみんなやっつけてやった――。えらいだろ――?) 「違う――。違うのよカタナ――!そんなことで泣いてるわけじゃ――っ」 アマネは、涙を流しながら周囲の緑光に向かって語りかけた。 まるで、その光の中に、探していた少年がいると信じているかのように――。

2016-03-13 17:26:06
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

(アマネ――俺、戻れないかもしれない――どっちに行けばいいのか、わかんなくなっちまった――) 「そんな――っ!ここよ!貴方の家はここ!お願いだから――。帰ってきて!カタナ!」  両手を広げ、光に手を伸ばすアマネ。  だが、その手が光に触れることは無かった――。

2016-03-13 17:29:40
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

(――ちょっと遅くなるかもしれないけど、帰ってくる。サツキを、助けるって――約束、したもんな――) 「カタナ……っ!」 その声を最後に、少年の声は小さくなっていく。 それと同時、アマネを覆う緑光が天へと昇る。 見れば、他のニンジャ達もまた、いつの間にかその姿を消していた――。

2016-03-13 17:32:39
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

「待ってるわ!私はここで待ってるから!絶対に、絶対に帰ってきて!」 (――ああ――やく――そく――……) それが、彼女の耳に届いた少年の最後の声だった。

2016-03-13 17:35:50
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

アマネは、既に凍りつき始めた涙を拭い、いつまでも降り続く雪空を見上げた。 もう、赤光も、緑光もない。 ただ、白い雪があるだけだった。 「ありがとう……カタナ……。私も、私に出来ることを――」

2016-03-13 17:39:01
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

――緑光の少年、カタナと。ニンジャ達との決着がついたこの時――。 既に93番コロニーの指導者はコロニーの放棄を決定。移住を開始していた。 カタナがたった一人でニンジャ達に勝利するなど――。 誰も、思ってはいなかったのだ――。

2016-03-13 17:42:08
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

そして、二度にわたってニンジャの脅威に脅かされた住民達は、アマネがカタナの勝利を報告した後も、コロニー放棄の方針を覆そうとはしなかった――。

2016-03-13 17:43:04
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

その後、百年――。   放棄されたコロニーに残ったのは、サツキという一人の少女と、戻ってくると約束した少年を待ち続ける、一人の母親――。 そして、彼女に賛同し、あえて残ることを選んだ老人達。 ただそれだけとなったのである――。

2016-03-13 17:47:24
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

ニンジャカタナ  第一話 緑光の少年 第八章 約束 了

2016-03-13 17:50:05
りゅーるー@ここのえ九太郎 @Fw009

以上です! ながながとTLを利用してしまい、大変失礼いたしました!

2016-03-13 17:52:05