工藤吉生の「#わたしの好きな短歌100」 【2016年版】

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

飛び降りて死ねない鳥があの窓と決めて速度を上げてゆく午後／木下龍也 #わたしの好きな短歌100 〈26〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

一人きりサーティーワンの横で泣き　ふるさとにする吉祥寺駅／木村比呂 #わたしの好きな短歌100 〈27〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

花中葬　今は悲しいまま進み　いつか追い抜くつもりの二十歳／木村比呂 #わたしの好きな短歌100 〈28〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

口中に一粒の葡萄を潰したりすなはちわが目ふと暗きかも／葛原妙子 #わたしの好きな短歌100 〈29〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

昼なのになぜ暗いかと電話あり深夜の街をさまよふ母より／栗木京子 #わたしの好きな短歌100 〈30〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

佐野朋子のばかころしたろと思いつつ教室へ行きしが佐野朋子をらず／小池光 #わたしの好きな短歌100 〈31〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

雪に傘、あはれむやみにあかるくて生きて負ふ苦をわれはうたがふ／小池光 #わたしの好きな短歌100 〈32〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

タカフミの名前が検索窓にあり花火の音に合わせて消した／恋をしている #わたしの好きな短歌100 〈33〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

おしよせて来しかなしみはざくざくざんざくざくざんとキャベツを切りぬ／小島ゆかり #わたしの好きな短歌100 〈34〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

蛍田てふ駅に降りたち一分の間(かん)にみたざる虹とあひたり／小中英之 #わたしの好きな短歌100 〈35〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

生き行くは楽しと歌ひ去りながら幕下りたれば湧く涙かも／近藤芳美 #わたしの好きな短歌100 〈36〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

いつまでもしあわせにくらしましたとさ　サナトリウムサナトリウム。／斉藤斎藤 #わたしの好きな短歌100 〈37〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

赤茄子の腐れてゐたるところより幾程(いくほど)もなき歩みなりけり／斎藤茂吉 #わたしの好きな短歌100 〈38〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

ぬば玉のさ夜の小床(おどこ)にねむりたるこの現身(うつしみ)はいとほしきかな／斎藤茂吉 #わたしの好きな短歌100 〈39〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

目にせまる一山の雨直(すぐ)なれば父は王将を動かしはじむ／坂井修一 #わたしの好きな短歌100 〈40〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

ふりむけばオバサン万引きＧメンのサンバイザーに映る冬薔薇／笹公人 #わたしの好きな短歌100 〈41〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

のぼり坂のペダル踏みつつ子は叫ぶ「まっすぐ？」そうだ、どんどんのぼれ／佐佐木幸綱 #わたしの好きな短歌100 〈42〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

舗道には何も通らぬひとときが折々ありぬ硝子戸のそと／佐藤佐太郎 #わたしの好きな短歌100 〈43〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

戦はそこにあるかと思うまで悲し曇のはての夕焼／佐藤佐太郎 #わたしの好きな短歌100 〈44〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

今すぐにキャラメルコーンを買ってきて　そうじゃなければ妻と別れて／佐藤真由美 #わたしの好きな短歌100 〈45〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

なんとなく歩いて帰れるような気がして見下ろしたホテルの夜景／佐藤真由美 #わたしの好きな短歌100 〈46〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

男前ばっか集めてうふふふふうふふふふうふふふふうふふふふ／じゃこ #わたしの好きな短歌100 〈47〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

残された身にもなってよ　カッコイイ消え方なんてないから行くな／ショージサキ #わたしの好きな短歌100 〈48〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

井村屋のあんまん食べる　本当のさよならなんてしたことないの／駿河さく #わたしの好きな短歌100 〈49〉

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911

ころげよといへば裸の子どもらは波うちぎはをころがるころがる／相馬御風 #わたしの好きな短歌100 〈50〉