村上部長⑧【旅行】

村上部長シリーズ第8話
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クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【旅行 sideS ①】 “ねえ、村上部長とデートってどこ行くの?” 『え?!ゴホッゴホッ…』 “ちょっと大丈夫?” 同期の経理部の香澄に言われて驚いた デート… 時々夜に近くの小料理屋に行ったり… 日用品を買いに大型スーパーに行ったり… 『それくらいかな』 “はぁ?”

2016-03-04 08:35:05
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【旅行 sideS ②】 “それ、デートって言うの?” 確かに自分でも思ってる 旅行に行きたいとか せめてドライブとか映画とか… でも忙しい信五さんはゆっくりできるお休みも少なくて ゆっくりできる時は思う存分寝て欲しいし 結局いつもベッドから出してくれないんだけど…

2016-03-04 08:35:08
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【旅行 sideS ③】 たまたま旅行雑誌で見つけた 離れのお部屋の旅館 でも少し遠いし 連休がないといけないなって思って いつか行きたくて折り目をつけて そっと戸棚に隠した 「ただいまー」 『おかえりなさい』 「年明けてすぐこんな忙しいならんでも…」

2016-03-04 08:35:11
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【旅行 sideS ④】 年度末に向けて忙しくなる時期 3月の3連休はどうするのかとか そんな事聞けないし… 「ん?どうしてん?」 『え?信五さんの身体が心配…』 「まぁ、俺はこうやって出来たらいいねん」 信五さんのスーツのジャケットをハンガーに掛けてると後ろから抱きしめられる

2016-03-04 08:35:14
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【旅行 sideS ⑤】 『お、お風呂沸いてますよっ…』 「んー。もうちょっと」 そのままベッドに座った信五さんの膝の上に座る 『ちょっ…』 首筋にキスを繰り返す信五さん 服の裾から手も入ってくるし… 『信五さん…明日はっ…?』 「午前中だけ仕事行くわ。昼飯はお前と食べる」

2016-03-04 08:35:16
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【旅行 sideS ⑥】 『だったら本当にっ…』 「わかった」 ようやく解放されて立ち上がる 「風呂入ってくるわ」 そう言って チュッと唇にキスして出て行く信五さん 「あ、せや。年度末までにある程度先に仕事片付けるからしばらく忙しいし。すまん」 『あ、はい…』

2016-03-04 08:35:17
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【旅行 sideS ⑦】 本当に忙しくなる信五さん ほぼ残業して 家でも書斎で あっという間にカレンダーは 3月の3連休に近づいてくる だめだだめ そんな事ばっかり考えてちゃ 朝になったら信五さんに包まれて眠ってる それが一番幸せなんだ そう言い聞かせてた…

2016-03-04 08:35:19
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【旅行 sideM ⑧】 一緒に暮らしてるって言う安心感で 勝手に満足してたけど “村上部長。女は一緒にいれるだけで満足なんてしてませんからね!” 唐突に彼女の同期が言ってきょった そりゃそうやな… 誰もおらんオフィスで1人考える 目の前の仕事の山 年度末や 更に忙しい

2016-03-05 00:12:21
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【旅行 sideM ⑨】 手帳を開いて空いてる所を数えた方が早いのに苦笑い 1枚ページをめくって 考える 年度末ギリギリやん でもちょっとだけ ちょっと頑張ってみたらなんとかならんかな… なんて考えてみる そういえば… 家に帰って 彼女が寝ている事を確認する

2016-03-05 00:12:23
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【旅行 sideM ①⓪】 「あいつ、どこにしまったんや…あった」 ようやくの思いで見つけた雑誌 彼女が見てるのをなんとなく覚えてて 無意識に何箇所か折り目をつけてたし パラパラと捲る あいつにしては中々のセンスやんけ 「ここ、ええな」 運良く一部屋空いてた

2016-03-05 00:12:25
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【旅行 sideM ①①】 彼女の眠るベッドに入って 後ろから抱きしめる ちょっとだけ我慢してや? 俺もめーーーっちゃ我慢するさかい 次の日から俺は 死に物狂いで働いた 彼女の顔ちゃんと見れるんは 朝と会社だけ “禁欲生活” って渋谷に言われる始末

2016-03-05 00:12:27
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【旅行 sideM ①②】 それもやっと今日で終わり 彼女の待つ家に急いで帰った 「ただいま」 『おかえりなさい』 「な、明日から3連休出かけるぞ」 『え?ど、どこにですか?!』 「話はとりあえず後!先に…」 『ちょっ…ンッ…』 「我慢の限界…」 『んっ……』

2016-03-05 00:12:29
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【旅行 sideS ①③】 明日から出かけるって言った信五さん どこに行くのかも聞かされないまま そのままベッドに雪崩れ込んで 久しぶりだからか 止まってくれなくて あっという間に上り詰めて 揺さぶられて ようやく夜ご飯 ずっとくっつき虫の信五さん

2016-03-05 23:29:15
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【旅行 sideS ①④】 後片付けもずっと後ろから抱きしめられてる 『やりにくい』 「我慢せえって。本当は今すぐソファに行きたい」 後ろから手が伸びてきて 洗い物を急速に終わらせる 『旅行ってどこに行くんですか?』 「ん?えーっと」 信五さんが漁るのは旅行雑誌を隠した辺り

2016-03-05 23:29:16
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【旅行 sideS ①⑤】 「あった。あった」 ぺらっと捲るページ 私が折り目をつけてたページ 「ここ取ってん」 『え?あの…』 「その為に頑張って仕事片付けた」 『私の為に…?』 「せやで。一緒に行きたい」 信五さんにぎゅっと抱きつく 「ゆっくりしよな?」

2016-03-05 23:29:19
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【旅行 sideS ①⑥】 目一杯頷く 「あ、部屋に露天風呂あるしー。俺めっちゃ頑張ったし…」 『…一緒に入ります…』 「よっしゃ!準備してはよ寝るぞー。明日早いでな」 子供みたいにはしゃぐ信五さん 私の為に考えててくれたなんて それだけでニヤけが止まらない…

2016-03-05 23:29:21
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【旅行 sideM ①⑦】 車で進む道のり 遠出も初めてやし 旅行ってのも初めてで 終始笑顔の彼女 地元の名物をお昼ご飯にして 先に旅館に 『すごーい!ほんとに海一望ですよ!』 雑誌通りの風景に感動してる彼女 「気に入ったか?」 『はい!ありがとうございます!』

2016-03-13 23:32:19
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【旅行 sideM ①⑧】 お茶で一息着く 彼女は観光地のパンフレットに夢中で あれ食べたいとか これ買いたいとか 俺はさっきから音がしてる 露天風呂が気になって仕方ない 置かれた座椅子の配置上 向かい合わせなんが歯痒くて 足伸ばしてツンツンしてみる

2016-03-13 23:32:29
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【旅行 sideM ①⑨】 『何やってるんですかー』 って笑っている彼女 「夕ご飯6時やしそろそろ行くか」 『はい!』 立ち上がって近づいて来る彼女 ひょいと抱きしめてキスをする ジタバタ暴れるのを押さえ込んでキスする 開放したらめっちゃ息切れしてる彼女

2016-03-13 23:32:32
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【旅行 sideM ②⓪】 『もう!信五さんっ!』 「補給や補給」 すっかり取れたグロスを直す彼女 目ウルウルしてるし すっかり女顔やし こんなんで我慢しろってのが拷問やけど 今我慢せんかったら楽しみ無くなりそうやし 仕方なく旅館を出て 彼女の行きたいところに

2016-03-13 23:32:35
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【旅行 sideM ②①】 有名な神社に行ってお参り お守りを2人で買って おしゃれなカフェでお茶をして おしゃれな雑貨屋さんで小物を買う ピアスやネックレスもおしゃれでずっと見とった 手をつないで歩いたり 柄でもなく写真取ったり 『いい天気で良かったですね』

2016-03-13 23:32:37
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【旅行 sideM ②②】 海に沈んでく夕日見つめながら彼女が言った 「ほんまに。明日はもうちょい色々行こ」 『はい!』 旅館に戻ると部屋に夕食の準備がされてる また向かい合わせやったのを隣同士にする 『せ、狭くないですか?』 「どうもない」

2016-03-13 23:32:40
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【旅行 sideM ②③】 『お酒飲まないんですか?減ってないですよ?』 「この後があるでな」 晩酌を進める彼女を交わす そこから顔を真っ赤にして 黙々とご飯を食べる彼女 「ははっ。お前わかりやすすぎやろ」 『意地悪…』 「約束したしなー」 ちらっとこっちを見た

2016-03-13 23:32:42
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【旅行 sideM ②④】 『食べてすぐは嫌です…』 デザートのイチゴを口にして言った わがままやなー でも仕方ない 我慢した分ってやつやな そう思って 彼女の入れてくれた玄米茶をすする 『ご馳走様でした』 いただきますとごちそうさまをしっかり手を合わせてする彼女

2016-03-13 23:32:44
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【旅行 sideM ②⑤】 そういうところ好きやなって思う 俺も一緒に 「ご馳走様でした」 をするようになった しばらくテレビを見たりして時計を見る 「なぁ、風呂」 耳まで真っ赤になった彼女 もう一回ここで襲ったろかって思ってしまう 「5分遅れて入ってきてくださいっ…」

2016-03-13 23:32:47