- kagayamakagari
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息抜きにコメディ書いたらくっそ下らない短文が出来上がったからツイッターに放流します。見たくない方はミュート推奨かも
2016-03-19 17:31:17一体全体何があったのか、そんなことを俺に聞かれたって分かるはずもない。 たった一つ確かそうなことといえば俺は多分一度死んでいて、それからここがどこだか分からないってことだけ。 (勇者、勇者よ!) 頭の中に声が聞こえた気がした。きっと気のせいだ。
2016-03-19 17:32:54そんなことよりここは一体どこなんだ。 俺は確か日課の真夜中ランニングの最中に目だし帽を被った怪しいやつに後ろから背中をずぶりとやられたはずだ。 だから、本当なら俺は道に倒れてないとおかしいし、それ以外の場所ならば病院辺りにいるはずなのがきっと穏当なはずなのだ。
2016-03-19 17:33:59(聞いているのですか! 勇者、おぉ勇者よ!) それなのに、というかそもそもここはなんだろう。 まず黒い、そして次に浮遊感が凄い。黒くて地に足がついてる感じがしない。 わかった、分かったぞ、ここは俺の精神世界だ! 『勇者! いつまでわたくしを無視するのですか!』
2016-03-19 17:34:59とうとう物理的な騒音がどっぎゃんと響き渡って来やがりました、の巻き。 「分かったよ、わっかりました。観念します! 一体全体はあなた様はどちら様で此処は一体お何処様なんですか!」 俺はもう完全に投げやりになって、姿さえ見えない声の主的な野郎を思い切り煽り倒してやることにした。
2016-03-19 17:36:10『わたくしは世界の創造神にして主神、世界の子らからは精霊神キッ・ターヌゥ。と呼ばれる存在です』 どうやらこの声の主は完全に頭のおかしな奴らしい。なんだキッタヌゥって、タヌキかよ。ふざけてやがる。 『今あなた不敬なことを考えませんでしたか?』 「いえ、滅相もありませんマム!」
2016-03-19 17:37:17どうやらなかなか鋭い感性をお持ちのようで。 『それで話を進めたいと思うのですけれど、よろしいですか?』 「あっ、ハイ。どうぞ傾聴させていただきたく存じ上げまする所存です」 『あなた、わたくしのことを馬鹿にしていますね。コホンッ、まぁいいでしょう』
2016-03-19 17:38:23どうやら俺の無礼千万な考えなどお見通しのようだ、が俺はやめない! 『あなたは前世であまり良縁に恵まれず、最後には通り魔に刺されてその生涯を閉じました』 「あ、どうもそうらしっすね」 『鼻くそをほじくりながらわたくしの話を聞くとは恥知らずここに極まれりって感じです』 「さーせん」
2016-03-19 17:40:11ごちんっ、とどこからともなく俺の頭上から音と傷みが降ってきた。 畜生一体何がどうなってやがるんだ……。 小指が鼻の奥に突き刺さって鼻血が出たじゃねぇか! 『いいですか。今のは天罰です』 完全に俺にムカついてあんたが手を出したんだろうが!
2016-03-19 17:41:18「あ、あの。反省してるんで鼻血止めてもらってもいいですかね?」 右小指を右の鼻から抜いてみれば血でべっとべっと、しかも全然止まる気配もない。やべぇ、ちょっと出過ぎだ。 『問題ありません。あなたはもう一度死んでいるのですから。死んだまま死になおすことはあり得ませんよ』
2016-03-19 17:42:26いや、そういう問題じゃない! 『それにあなたがおとなしく話を聞いてくれた方がわたくしも楽なのです……』 うわぁ! 鼻血吹かせて口封じしてきやがったぞ、この主神様! 器小せぇ……。 『さてとそろそろ本題に入ります』
2016-03-19 17:43:54声の主様はコホンッ、と一度咳払いをしてからもう一度口を開いた。 『一度死んだあなたにもう一度人生をやり直すチャンスを与えましょう!』 「あっ、そういうのパスで」 『そうでしょう! うれしいですよね、感涙ものですよね! ……、えっ?』
2016-03-19 17:45:19「いや、そういうのほんと止めてください。いりませんから、何度もクソゲー周回する趣味とかないですし」 沈黙は痛かった。 物理的にも、精神的にも痛かった。 訳が分からない。全身が発狂しそうだった。分からない。
2016-03-19 17:46:32『こほんっ、あなたは創造神を怒らせた罪により人生というクソゲーをもう一周する罰ゲームを課せられました』 横暴だった。完全無欠に横暴だった。 やっぱり創造神なんてやつには碌な奴が存在しないってのは正しかったんだ。 「拒否権は?」 『あるわけないでしょう』
2016-03-19 17:47:47ガックシ、やっとドロップアウト人生からドロップアウトしたと思ったんだけどなぁ。 何でまた辛く苦しい生を送らなならんのか……。 「それで、あなた様は俺をよみがえらせて一体何をさせようってんですかぁ? まさかただの善意ですとは言わねぇよなぁ?」
2016-03-19 17:49:15初めから裏しかないようなこの話、俺はどこまでも疑りたくなった。 『あなたの使命はたった一つです。それさえ遂げてくれればあとはもう気ままな一生を保障しましょう。精霊神権限で!』 「ほう?」 遊んで暮らせる一生を保障するとか、嫌な予感しかしないんだけどな……。
2016-03-19 17:50:30『あなたの使命は魔王を打倒することです!』 沈黙した。今度の沈黙はいたくなかった。 「やっぱクソゲーじゃねぇか!」 『大丈夫安心してください、あんたにはわたくしからとっておきの従者を二名つけて差し上げます。破格の待遇ですよ!』
2016-03-19 17:52:17二名の従者という言葉に俺は、反応せずにはいられなかった。期待するべきじゃないというのは分かっているのだが。 「その従者ってのは、かわいいのか?」 『片方はとてもかわいいです。もう片方は、かわいいというよりはとても頼りになります』
2016-03-19 17:53:37これはもしや、縁のなかった美女や美少女とお近づきになれるチャンスなのでは? 「仕方ない。どうぞもう勝手にしてください。俺も諦めがつきました……」 『やっと素直になりましたか。それではお行きなさい! 新しい我が子よ!』 そして俺は新しい世界へと召喚されたのだった。
2016-03-19 17:54:52が――、 「勇者ちゃんよろしくね? タヌゥ」 「あなたが勇者君ね、どうぞ、よろしく。ゴリゴリ」 従者はかわいらしいメスタヌキと、頼りがいのありそうなメスゴリラだった。 騙された、やっぱ騙された! 案の詐欺神めぇ、いつか下克上してやる!
2016-03-19 17:56:01つづ、かない。 以上くっそ下らない転生モノの冒頭でした それとはまったく全然これっぽっちも関係がない自作kakuyomu.jp/works/48522014… もよろしくお願いします
2016-03-19 17:57:57