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夢路千里―夢路一夜

とりあえず自分用まとめ。やげさに風
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晴間 @haluma_toolv

「!?おい、大将は」「敵と鉢合わせちゃったから一旦食糧庫に隠れてもらってる。ボクの代わりに厚が向かったから…薬研も早く行ってあげて。ここは大丈夫だから」乱の言葉に頷き、言われた方向へと駆けた。食糧庫と書かれた札の掛かっている部屋を見つけ、開いている扉から中を覗く。敵の気配はない。

2016-03-20 01:42:34
晴間 @haluma_toolv

きぃと音を立て開いた扉を押し食糧庫に入ると刀を構える音がした。「…厚か」「薬研?」仲間であることが分かり、武器を下ろした厚が敵はいないと告げる。「大将は」「わりぃまだだ」「…まぁ、穏やかじゃねぇよなぁ」厚と背中を合わせ、辺りを見回す。薄暗い食糧庫には小麦粉が床一面に撒かれていた。

2016-03-20 02:18:45
晴間 @haluma_toolv

乱の話だと敵を撒いて食糧庫に隠れていたようだが見つかったか。どうする。厚が小声で問うた。もし大将が既に捕まっていたならば下手に攻め込むとやられる。捕まっていなくても、敵が身を潜めているならこちらは不利だ。大将という人質がいる。(…もっとも大人しく人質をしてるとも思っちゃいねぇが)

2016-03-20 02:36:57
晴間 @haluma_toolv

薬研はああと笑う。「…どうにもならねぇな」夢だと分かっている。夢の中でさえ、あの人の身を案じている。「は?」「すまん。厚、お前だから好きにするぜ」「何言って」薬研は息を吸って、食糧庫中に声を響かせる。「大将、いるなら返事をしてくれ」背後で慌てる厚、奥からは銃を構える音。そして、

2016-03-20 02:43:30
晴間 @haluma_toolv

「嘘でしょ」銃を構える音と逆、倉庫の端から聞こえたのはこの場にそぐわない笑い声。懐かしい声がする。「いきなりかよ」「断りは入れたぜ」「薬研の晩飯、半分俺が貰うからな」「勘弁してくれ…あれは俺っちが引受ける」銃を構えた輩の方へと突っ込んでいく薬研に厚はため息をつき主の方へ向かった。

2016-03-20 02:51:38
晴間 @haluma_toolv

弾丸を避けながら一気に距離を詰め、銃を蹴りで叩き落とし、剣を構えて敵の前に立つ。すると、敵の影が揺れた。(こりゃ改修主義者、か?)見慣れた改修主義者の形になる前に一発打ち込むと薬研の方へと倒れてくる。倒れる瞬間に聞こえた声は、鼻で笑っておいた。「…こんなとこまでご苦労なこったな」

2016-03-20 03:11:55
晴間 @haluma_toolv

「やったか?」「ああ完全に伸びてる」敵の武器を回収して手足を縛ると厚の方へと向かった。夢でもなんでもいい。あの人に会える。食糧庫の隅で厚の隣、身を小さくし背を向けていた。「…大将?」声が震えた。見慣れた背中だった。いつも執務室で見ていた。「やげん?」――顔を見る前に、目が覚めた。

2016-03-20 03:18:47