なぜ日本の会社では技術者(熟練工)が育たなくなったのか

○無駄(冗長性)の喪失
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連理木 @renribokushu

刃具研磨の技術を失ったことで、外注費が年数千万円って話も補足すると、職人さんは社内の加工に精通してたから、その加工に合った研ぎ方をしていたんだよね。刃の付け方やシンニングの取り方を微妙に変えたりしてね。だけど外注先はそんなこと知らないから、通り一辺倒の研ぎ方しかしない

2016-03-20 19:34:15
連理木 @renribokushu

結果的に、再研磨の頻度が増えて、外注費が跳ね上がったんだよね。

2016-03-20 19:36:36
連理木 @renribokushu

ちなみに、ウチの会社では入社して5〜10年は賃金カーブは上昇し、40代を過ぎる頃に少しずつ緩やかになるように賃金設定してますよ。従業員さんには大きな声で言えないけど、入社して数年は役に立たなくても賃金は勢いよく上がる。

2016-03-20 19:11:20
ケルビン@斜壊人 @legendkelbin

若い人がどの世代を指すか不明だが、仮に新卒クラスとみた場合、言い換えると「企業は新人一人につき五千万円の負債負担しよう」なんだけれど。その負債を誰が埋めるのか、プラス人材に到達させるまで何年かかるのか、を考えると非現実的すぎるなぁ。 twitter.com/renribokushu/s…

2016-03-20 19:22:46
連理木 @renribokushu

若い人たちが10年後に活躍できるように、常に一定以上の無駄を用意してあげる必要があるんじゃないですかね。彼らがやらかしても問題にならないような「無駄でどうでもいい仕事」を彼らにやらせて、10年後に彼らにホントに大事な仕事を任せられるスキルを身につけさせてあげるべきじゃないですか。

2016-03-18 22:54:59
連理木 @renribokushu

その5000万円っていう数字はどこから来てんのよ?

2016-03-20 19:27:34
ケルビン@斜壊人 @legendkelbin

@renribokushu ちなみに「五千万円」の根拠は「企業が役に立たない人材を定年(40年)まで雇った場合の平均損失は2億5千万円」説と、新卒給与を年収300万として年一万昇給で10年換算した結果を併合した結果。

2016-03-20 19:38:37
連理木 @renribokushu

@legendkelbin なるほど。ちなみに僕が10年後と言ったのは、20代の若い人が30代で脂が乗ってバリバリ活躍するという話を想定してるので、10年間丸っきり役立たずという設定ではないです。

2016-03-20 19:44:16
ケルビン@斜壊人 @legendkelbin

@renribokushu 30代で脂が乗ってバリバリ活躍、ということは、少なくとも20代である程度基本的な利益を出せるだけの力は持ち、30代でその利益をより伸ばす、ということでよいのでしょうか。度々すいません。

2016-03-20 20:15:37
連理木 @renribokushu

@legendkelbin 細かいことを言えば、利益ではなく儲けですけど、そういうイメージで大丈夫です。

2016-03-20 20:20:37

きっかけは90年代の会計ルールの変更か

連理木 @renribokushu

企業が人材育成に対してお金を使わなくなり、結果として今のように人材不足、技術継承の失敗を招いたのはどこからだろうと遡って考えていたんですけど、何となく90年代のような気がします。

2016-03-21 16:26:36
連理木 @renribokushu

バブル崩壊後、何が問題になったかって不良債権ですよね。で、不良債権処理が急ピッチで進められたんですけど、それと同時に進んでいたのが会計ルールの見直しですね。外圧もありましたしね。

2016-03-21 16:27:06
連理木 @renribokushu

90年代までの日本の会計ルールというのは、割といい加減なところがあったのは事実です。回収見込みの無い多額の売掛金が計上されてたり、簿外負債が隠れてたり。別に粉飾してたわけじゃなく、そういうのを反映しなくても良いルールだった。

2016-03-21 16:27:48
連理木 @renribokushu

これが90年代に見直されて、2000年代に国際標準並みに追いつくんですけど、見直している段階から日本企業は「これはヤバイ」と思ってたと思うんですよ。何せ決算報告が思った以上に悪くなるから。

2016-03-21 16:28:13
連理木 @renribokushu

そこに、不良債権処理や、97年には消費税増税やアジア通貨危機なんかもあって、企業にとってはトリプルパンチだったでしょうね。

2016-03-21 16:30:10
連理木 @renribokushu

だから、当時の企業は何とかして決算書を良く見せようとしてたと思います。不良債権はごまかしようがないので、不良債権があっても大丈夫、つまり黒字を何とかして計上したいと考えたと思うんです。

2016-03-21 16:30:40
連理木 @renribokushu

その時の企業の頭を悩ませていたのは人件費でしょうね。これを何とか削りたいと思ってた。そこに派遣社員の適用が製造業にまで認められ、企業は渡りに船でこぞって非正規化を進めたんですね。

2016-03-21 16:31:02
連理木 @renribokushu

企業の中でも一番仕事ができない層、技術レベルが低い層というのは、当然入社して間もない若い層になります。言い換えれば、その層はまだ十分戦力にならず、言わば誰にでもできるような仕事をしている層です。だから、非正規に切り替える時に狙われるのもこの層になります。

2016-03-21 16:31:20
連理木 @renribokushu

例え高給取りのベテランを削りたいと思っても、企業の持つ根幹の技術に携わる人は切れないし、その層を何の技術の蓄積も無い派遣に切り替えることは不可能です。だから、尚のこと若い層が狙われたんだろうなと。

2016-03-21 16:31:48
連理木 @renribokushu

派遣社員に教育の必要は無いし、技術を継承させる必要も無い。中高年の技術者たちもまだまだ元気で働ける。会社の技術レベルを維持しながら、固定費だけを下げ、利益を計上していったのが90年代から2000年代の日本企業のやってたことじゃないかなと思います。

2016-03-21 16:32:02
連理木 @renribokushu

ただ、やはり10年もすれば中枢で働いていた技術者も定年になるし、それを引き継ぐ人もいないとなれば、そのツケは必ず払うことになります。それが今、そして今後なんだろうなと思いますね。

2016-03-21 16:32:15
連理木 @renribokushu

会社というのは、その仕事に対する専門家集団、技術者集団であって、その集団こそが価値を生み出しています。彼らの賃金は、育成や技術継承を含めて価値を生み出すための必要経費であり、会社を維持・成長させるために固定的にかかるもの。だからこそ固定費なんですよね。

2016-03-21 16:32:29
連理木 @renribokushu

その固定費を安易に削ってしまい、価値を生み出せなくなってしまった。色んな要素が重なってそうなってしまったとは言え、一番最初のきっかけって、会計ルールの見直しのような気がしますね。

2016-03-21 16:32:36