【備忘録】「東大早野氏誤訳論争」の源であるWHO『福島事故5年目のFAQ』の #甲状腺がん に関する項目6の全訳+「訳者あとがき」+前後の議論
- tkatsumi06j
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訳者あとがき6. 前段として、世界保健機関WHOが原子力の平和利用についておよそ中立的立場にはなく、国連システムの中では国際原子力機関IAEAと連携して原子力過酷事故の被害実態を矮小化してきたという、ロシア科学アカデミーをはじめとする世界の多くの専門機関の見方を私は共有している。
2016-03-21 12:57:06訳者あとがき7. 然るに、 #WHO_FAQ6 がこれまでの例に倣い、福島原発事故の被害実態についても矮小化しようとする意図があることは、まずバイアスとして存在する。しかしそれでもWHOは責任ある国際機関なので、広く一般に知らしめるFAQであからさまに偏見に満ちた誘導は行えない。
2016-03-21 12:58:00訳者あとがき8. この前提の下、私は #WHO_FAQ6 を全訳することで、その文意を的確に読み取った上で、再度”要約”してみた。全訳については、専門外の分野なので適宜TL上でいただいたインプットを反映し、より誰もが定訳として参照できるようなものにしようと努めている。 続く
2016-03-21 13:16:24訳者あとがき9. #WHO_FAQ6 はいち設問としては長大なのだが、実はたった2パラグラフで構成されている。"要約"問題の対象となっているのは最後の2センテンスのうちの1つで、いわば「結語」の部分である。早野氏の"要約"は、全7センテンスのうちこの1センテンスに集約されている。
2016-03-21 15:15:00訳者あとがき10. この"要約"を「大意は掴んでいる」とする意見もあるが、真に全体を要約するなら「結語」部分"全体"が重要。早野氏の要約は14字を残して別の情報(避難のリスク)を掲載している。この14字を有効活用すれば、結語"全体"の要約は十分可能であることは示した通りである。
2016-03-21 15:16:11訳者あとがき11. 前述の通り早野氏の"意図"はこの際考慮せずとも、 早野氏の"要約"が「的確でない」ことは読み取れる。これは原典著者のWHOの"意図"を加味しても同じことがいえる。WHOは一般読者に不信感を与えないよう全体最適に配慮していることがその内容から読み取れるからだ。
2016-03-21 15:16:44訳者あとがき12. 原典著者が結論ありきの姿勢で、「甲状腺がんの多発は放射線影響によるものではない」と結論誘導する思惑があったとしても、WHOはあまり偏りすぎないように文を構成し、全体最適化を図っている。その意図を汲むならば、結語部分は"完全なもの"として伝える必要がある。
2016-03-21 15:18:19訳者あとがき13. #WHO_FAQ6 の結語が意図するのは、「甲状腺がんの多発は、○○の理由で放射線影響よりも高感度検診によるものであるとされてきたが、放射線影響”ではない”ことを証明するには疫学データの検証が必要である」ということ。これを集約すると、前述の修正版のようになる。
2016-03-21 15:19:21訳者あとがき14. 東大早野氏の #WHO_FAQ6 の"要約"を「誤訳」であり、「正しい訳はこうだ」と示すのは、本来は筋が違う。"要約"にその対となる原文は存在しないからだ。したがって、「早野氏の「"要約"は文意を的確に捉えていない」とするのが、より適切なアプローチとなる。
2016-03-21 15:20:09訳者あとがき15. この"要約"の正誤」論争に一石を投じるつもりで、全訳+再要約を試みたが、それらプロセスを経た個人の結論として、やはり早野氏の"要約"は文意を的確に捉えずまた結語を繋ぐ重要な要素が抜け落ちているという点で、「精緻な訳に基づいたものではない」と評価せざるを得ない。
2016-03-21 15:21:17訳者あとがき 完. 尚、「全訳」については、ツイートのように140字のうち80数文字に集約する必要がないので、引き続き「仮訳」として皆さまからのインプットを吟味して、よりよい翻訳として完成してブログ公開するため、研鑽を積む機会としたいと思う。 その節は宜しくお願いいたします。
2016-03-21 15:22:23巻末資料1/2 (右)2パラグラフで構成する #WHO_FAQ6 (左)問題箇所(ハイライト部分の全訳) pic.twitter.com/6U4YfHJPBJ
2016-03-21 15:30:50巻末資料2/2 (右)#WHO_FAQ6 のパラ2の全訳 (中)早野氏による"要約"紹介 (左)勝己による"要約"紹介 pic.twitter.com/m53OKcuWK3
2016-03-21 15:35:43全訳や「あとがき」の背景になった議論
該当箇所全訳「福島県民健康調査で多くの甲状腺がんが観測されたのは、放射線被曝よりもは高感度の検診に拠るものと考えられてきた。甲状腺がんの発症が被曝によるものかどうかを評価するには、現在収集中の疫学データの更なる分析が必要となる。」 pic.twitter.com/0QNkwrBZBx
2016-03-18 21:30:37@asuka_250 @kazumyagu @hayano 「福島県民健康調査で多くの甲状腺がんが観測されたのは、放射線被曝よりもは高感度の検診に拠るものと考えられてきた。甲状腺がんの発症が被曝によるものかどうかを評価するには、現在収集中の疫学データの更なる分析が必要となる。」
2016-03-18 21:33:25@mikihirano @hayano @kazumyagu2 つまり、「結論は出ていない」ということですね。
2016-03-18 21:35:46@tkatsumi06j @hayano @kazumyagu2 「甲状腺がんの発症が被曝によるものかどうかを評価するには、現在収集中の疫学データの更なる分析が必要」というのはとても重要だと思います。
2016-03-18 21:40:50@mikihirano @hayano @kazumyagu2 県民健康調査の結果のみに依拠したら、医科学的な検証がなされたことにはならないし、第一に世界保健機関 @WHO ともあろう組織が疫学データを検証せずにローカルエビデンスのみで断定的な情報発信を行ったら信用に関わります。
2016-03-18 21:48:31@mikihirano @hayano @kazumyagu2 @WHO はい。だから、結論が出ているかのような情報発信は、責任ある立場にいる人たちは厳に慎まなければならないと。まあこういうことですね。まして誤って報道されたなら、そこは訂正なり補足するのが責任ある者の対応ですね。
2016-03-18 21:58:58「正しい翻訳」とやらを初めて見る
@hayano 【拡散】 早野氏は英訳を間違えてます。意図的でしょうか?違うなら早急に訂正を。 正しい翻訳はこちら👇 「これまで甲状腺がんが沢山見つかったのは放射線影響よりはスクリーニングの精度のためと考えられてきたが、現在集められている多数のデータは更に分析が必要。」
2016-03-17 15:36:36@kazumyagu @hayano WHO who.int/ionizing_radia… pic.twitter.com/IYNRR1QRoL
2016-03-17 17:36:12@tkatsumi06j @kazumyagu @hayano こんばんは。いろんな人達から聞きましたが早野氏は今回が初めてではなく今までもわざと誤訳していたそうです。それがもう5年も続いてるそうです。こんな人とは知りませんでした pic.twitter.com/XDU56fsEWs
2016-03-18 22:05:19