『トライ・トゥ・ホールド・オン・タイト』#2

ジュセー @shiroboshi2

-------------------- 23 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

「……イィイヤァーッ……」「ノロマめ！」メタルスネイルの緩慢なカラテをひらりと躱すロングホーンド。「貴様なぞ直ぐに細切れにしてやるわ！イヤーッ！」手に持った巨大な鋏を開き、メタルスネイルに突撃！「……オオオオ……」対するメタルスネイルはその場に留まった。24 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

そのまま彼は独特な構えをとった。「ウ、ウ、ウ……ウウウーッ……ブフーッ」「イヤーッ！」ロングホーンドの巨大鋏が迫る！このままメタルスネイルは何もできないままに切断されてしまうのか！？「もらったァーッ！……ヌゥーッ！？これは！」25 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

目を見開くロングホーンド。彼の持つ、開かれた巨大な鋏は、石のように佇むメタルスネイルを今まさに切断せんとしている。だが、刃が閉まらない。「チィーッ！」即座に鋏を戻し後退するロングホーンド。メタルスネイルが構えを解く。「ムテキ・アティチュードか！面倒な！」26 #S57Ninja

Ⱡན˝ @m0zun0hayanie

#S57NINJA ムテキ！しぶいぜ…

きゃんてら @Cantera36

構えが重鈍なだけに強度もひとしお #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

苛立たしげに言葉を吐き捨てるロングホーンド。「俺のカラテでは、アレは破れぬ……インテンシティ=サンならば破れるだろうが……」彼は視線をインテンシティの方へと向けた。褐色肌のそのニンジャは、熊のごとき獣人とカラテの応酬を繰り広げている。27 #S57Ninja

Ⱡན˝ @m0zun0hayanie

#S57NINJA 褐色肌に獣人…届きすぎる…ッ

ジュセー @shiroboshi2

「オイ！インテンシティ=サン！」声を張り上げるロングホーンド。インテンシティが横目で彼を見た。「ム？なんだねロングホーンド=サン」「交代してくれないか！俺はコイツと相性が悪い！」「それはそれは。では直ぐに」「イィイヤァーッ！」「おっと。イヤーッ！」28 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

迫り来るオウルベアの拳に己の拳をぶつけるインテンシティ。「貴様の相手は私だ、インテンシティ=サン」重たく静かな声でオウルベアが言う。インテンシティは、やれやれというように首を横に振った。「それはそうだ。すまない、ロングホーンド=サン。もう少しかかりそうだ」29 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

「イヤーッ！」反対の腕を振るうオウルベア。「イヤーッ！」その拳を受け止めるインテンシティ。両者が睨み合う。「力比べといこうじゃあないか」とオウルベア。直後、「イィイヤァーッ！」圧倒的なカラテでインテンシティを押し潰さんとする獣人ニンジャ！30 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

「……ヌゥーッ……」インテンシティが踏ん張る地面に亀裂が走り、砕け、陥没していく。だが彼の口元には不敵な笑みがあった。「……離すなよ」ボソリとそう呟くインテンシティ。「なに？」オウルベアは訝しんだ。一瞬後、「グワーッ！？」彼は己の拳に、両腕に痛みを感じた。31 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

反射的に腕を引き戻そうとするが、腕が動かない。何故か？……見よ、インテンシティを。オウルベアと組み合っていた拳を。そして腕部を。それを覆わんとするミディアムブルーの鎧を。オウルベアの獣毛に覆われた腕が、鎧に強烈に押さえつけられ、メキメキと軋み出す。32 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

「グワーッ！イ、イヤーッ！」苦悶の声をあげながらも、インテンシティに向かって蹴りを放つオウルベア。だがその攻撃が届くことはなかった。既にインテンシティの全身はミディアムブルーを基調とした鎧に包まれていたからだ。「フハハハ！破れるものなら破ってみるがいい！」33 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

……「イヤーッ！」「イヤーッ！」ファルカタの振るう湾曲剣を回避しながら反撃を試みるグレーフール。「イヤーッ！」ファルカタはそれを紙一重で躱す。「イヤーッ！」踏み込むグレーフール。「イヤーッ！」飛び退がるファルカタ。その時、彼女の眼にオウルベアの姿が映った。34 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

「アァ？苦戦してやがるのか？」「イヤーッ！」グレーフールがチョップを仕掛ける。「イヤーッ！」ファルカタは右回し蹴りでこれを弾く！「ヌゥーッ！」「ハン！アンタの相手はまた後でしてやるよ！」そう言い残しながらグレーフールを軽々しく飛び越えるファルカタ！35 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

……「グワーッ！」オウルベアの両腕から血が噴き出した。ヘルム型フルメンポのバイザーの奥で、インテンシティの眼が喜色に歪んだ。「ハハハ！そろそろ終わりにしようか！」彼がそう言った瞬間、腕部を覆わんとしていた鎧が忽然と姿を消した。蹌踉めくオウルベア。36 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

「ウ、ク……ウオオーッ！」ボロボロの両腕をダラリと垂らしながら、それでも戦意を失うことなく突撃する獣人ニンジャ。ヤバレカバレの突撃だ。インテンシティはそれを鼻で笑い「イヤーッ！」彼の片腕をガッシリと掴み、「イィイヤァーッ！」「グワーッ！」宙へと放り投げた！37 #S57Ninja

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

アアーッ最初の脱落者になってしまうのか！ #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

「さて……」「イヤーッ！」「……ム？」跳躍せんと踏み込んだインテンシティが、小首を傾げた。オウルベアのものではないカラテシャウト。彼は声の主の方を、空中を見た。そして軽く溜息を吐いた。「ヌゥーッ、オノレ！だが、私は！まだ！」空中でもがくオウルベア。38 #S57Ninja

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ここでインターラプト！ #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

彼は眼下の敵を睨もうとする。そして気づく。新たな敵が現れたことに。「なっ……」その敵ニンジャは、地上から跳躍し、彼と同じ高さに。なんたる非凡なニンジャ跳躍力か。だがニンジャ跳躍力以外に注目すべきところがある。そのニンジャのシルエットは、異形であった。39 #S57Ninja

きゃんてら @Cantera36

こいつもヘンゲするのか…？ #S57Ninja

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ぶ、ブラックスライサー！？ #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

頭部に生やした巨大な剣。刀身にはルーンカタカナで『アテマデッカチ』と刻印されている。「イタダキィーッ！！」ニンジャが叫ぶ。「……！」オウルベアの主観が鈍化した。縦に回転するニンジャ。刀身が迫る。迫る。迫る……「マップタツーッ！！」「アバーッ！」40 #S57Ninja