茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1751回「フィクションの第一選択」

脳科学者・茂木健一郎さんの3月25日の連続ツイート。 本日は、感想です。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1751回をお送りします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、感想です。

2016-03-25 07:16:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

脳がフィクションをつくる能力について議論するとき、「どんなフィクションが好きですか?」と聞くことがある。それで、小学生あたりから、大人の方まで、最近、「どんなフィクションが好きか?」と聞くときの方法が変わってきた。

2016-03-25 07:17:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

一昔前は、「フィクション」というと、小説が真っ先にきて、その次に映画とかだったのかもしれないけれども、今はそうではない。多くの人が、フィクションの第一選択として、漫画やアニメを挙げるようになってきているのだ。

2016-03-25 07:18:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

だから、「どんなフィクションが好きですか?」と聞く時に、補って、「漫画とか、アニメとか、小説とか、映画とか」と聞く。すると、ほぼ8割から9割、漫画かアニメの作品名が返ってくる。小説や映画は少数派だ。

2016-03-25 07:19:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

フィクションと言うと、漫画やアニメが中心である。これが、現在の日本の、小学校から30代くらいまでの方の、等身大の心象風景なのだと思う。そして、そのことがフラットに事実としてあって、そこに、価値観からの評価はない。

2016-03-25 07:20:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

今や、小説や映画、特に小説は、「マイナー」な分野なのだということを実感する。私自身は、フィクションでは圧倒的に小説や映画に接している時間が多いが、今や少数派なんだということを認識させられる。

2016-03-25 07:20:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

さらに面白いのは、小学生、中学生、高校生あたりが挙げるアニメや漫画の作品名が、聞いたことがないものが多いことで、世界が完全に分裂してしまっていることを実感する。メジャーになった作品は、彼らの宇宙の一部でしかないのだ。

2016-03-25 07:21:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

大人が、子どもたちと向き合う時に、「名作を読もう」ということで漱石や太宰を挙げるのはもちろんいいと思うのだけれども、それと少なくとも同等の時間をつかって、彼らの世界で流行っている作品を教えてもらわないと、対称性が失われる。

2016-03-25 07:22:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

私は、小中高生と向き合うときは、彼らが先生だというつもりで、「どんなのが流行っているの?」と教えてもらう。その中で、「弱虫ペダル」や、「オトメイト」みたないな固有名詞を教えてもらう。へえー、と驚く。

2016-03-25 07:24:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

もちろん、子どもたちだって、昔からの名作を読んだ方がいいけど、大人たちも、子どもたちの世界で流行っていることに関心をもった方が、世界が広がると思う。フィクションの第一選択は、今やアニメや漫画だということを、肝に銘じなければならない。

2016-03-25 07:25:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1751回「フィクションの第一選択」をテーマに、9つのツイートをお送りしました。

2016-03-25 07:26:16