- tasobussharima1
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「田中ブッダ。人を滅びに導く者だ」 ハーフブッダマスクの男……いや、田中ブッダは答える。 空海は、その名に覚えがあった。徳エネルギーの普及に生涯を捧げた偉人の名だ。ならば、モデル・クーカイの存在を知っているのも道理。 だが、何故。 「何故、人の滅びを願う」
2016-03-24 21:04:11「私の願いではない。人は既に滅びの道を選んだ。私は、時の歩みを進めたいだけだ」 対峙する二人の後ろで、地面から生えたパイプやケーブルが自動的にタイプ・ガルーダへ接続される。 肆捌空海は思考を巡らす。既に徳の残量は僅か。仮に奇跡を繰り出せたとして、相手はそれを無効化する力を備える。
2016-03-24 21:08:05ここで田中ブッダを仕留められる可能性は限り無くゼロに近い。だが、この場を逃れるだけならば一縷の望みはあるやもしれぬ。 「あの街は何だ。プラン・ダイダロスとは何だ」 何故か田中は彼を殺そうとはしなかった。ならば可能な限りの情報を引き出し、逃亡する。それが肆捌空海の立てた方針だった。
2016-03-24 21:12:04田中ブッダ氏的にはどこからが滅びの道だったんだろう。徳エネルギーを発見した時か、徳エネルギー推進のために他のエネルギー技術を破棄(推定)した時か、徳カリプスを発生させたときか #徳パンク
2016-03-24 21:12:46そういえば、肆捌空海の語った歴史だと田中ブッダ氏は200年以上生きてる形になるのかな。南極を拠点にしてるしここに飛んできたことから考えても何か知ってるわな #徳パンク
2016-03-24 21:15:25「……記録を読んだのか。あれは、ただの昔話だ。嘗ての人類の描いた夢の残骸に過ぎない」 「夢の、残骸」 「そうだ……但し、今のあの村の有り様は、人の夢ではない。差し詰め得度兵器の見る夢、と言ったところか」 2010年に固定された村。その村(システム)は得度兵器によって成立している。
2016-03-24 21:16:03生きた人間を組み込んだ、機械の夢。箱庭の景色。 「あそこは、得度兵器の源となった機械達の最も古い時系列の記憶を元に組み上げられている。人が、滅びへ向かう前の景色だ」 田中ブッダは、言葉を繋ぐ。決して忘れることのない記録を持った存在は、どんな夢を見るのだろうか。
2016-03-24 21:20:03得度兵器の源となった機械。以前のTipsだったかから考えてトリニティ・ユニオン製の何かだと思ってたんだけど2010年となるともっと別物か #徳パンク
2016-03-24 21:22:27「人がまだ徳エネルギーを知らず、機械に依存せず、ネットワークにも接続されず暮らしていた狭間の時代。或いは最良の時。滅亡から最も遠い時間軸。人の存続に囚われるが故の歪さだ。尤も、彼等は合理的だ。そのためだけに、あの村を組み上げた訳では無論無いがね」 「機械が、人を玩具にするのか」
2016-03-24 21:24:00…ということは”人間は滅ぶべき”というより”徳エネルギー文明は滅びるべき” に近いのか、人間を飼う事自体に矛盾が無いってことは #徳パンク
2016-03-24 21:26:00