- tasobussharima1
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村の地下大徳ジェネレータは起動した。200年の時を越え、人の遺物は息を吹き返した。 老人をモニタールームへ残し、少年と空海の二人は地上……偽装発電所事務所のある、眼下に村を見下ろす斜面の上へと戻っていた。空海は、万一の戦いに備えるため。そして、少年は己の決断を見届けるため。
2016-03-30 21:04:04発電所は完全に偽装なのかね。となると結局村の電力はどこで発電してたんだろ……。少年は自分が下した決断の結果を見届けに。本来彼が背負う必要のあるものでもないはずだけどそうは割り切れんわなぁ #徳パンク
2016-03-30 21:07:04ブッシャリオン! nicovideo.jp/watch/sm285134… #徳パンク
2016-03-30 21:07:41外は暗かった。嵐は、いつの間にか止んでいた。眼下に見る村の明かりは、それまでと何も変わらないように見えた。少年は、それを心に焼き付けていた。空海はそれをただ見守っていた。 だが、そこには変わらぬ異物もあった。静かに佇む、多面の観音像をモデルとした赤色の得度兵器。タイプ・バトウ。
2016-03-30 21:08:04俺も今日は、この物語の成り行きを、自作「ザ・グールー」をリピート再生しつつ、黙って見届けようと思う。 #徳パンク
2016-03-30 21:11:55しかし、それは既に動きを止めていた。そして、次の瞬間。 その機体の内側から、弾けるように光の粒子が溢れ出す。得度兵器の内部に存在する徳エネルギーキャパシタが、大徳ジェネレータの干渉によって破損・決壊したのだ。 「……綺麗な光だなぁ」 少年は思わず目を奪われた。
2016-03-30 21:12:04単に徳エネルギーを抽出されて停止するだけじゃなくて内部機構が破損しちゃうのか。この光が箱庭に何をもたらすのか #徳パンク
2016-03-30 21:13:52「あれこそがブッシャリオン。大気中でコロイド化した徳エネルギーそのものだ」 いつの間にか二人の後ろに居た老人が、そう口にした。 「祖父殿、もう良いのですか」 「ああ、動作を自動に切り替えた」 「ブッシャリオン……」 少年は唱える。それは、少年にとっては日常の終わり。
2016-03-30 21:16:02ぶっしゃりわー…いや、ブッシャリオン! 人型(?)メカは爆発しないとね、きっと書いてる経典もある 力場に押し込む感じのキャパシタだったのかな・・・? #徳パンク
2016-03-30 21:16:27それを告げるかのように、コロイド化したブッシャリオンは光を放ちながら宙へ舞い上がり、雪のように地へ降り注ぐ。 同時に、村の家々の明かりが消え、タイプ・バトウが糸の切れた人形めいて静かに倒れ伏した。 「そうだ。この光が、文明をも滅ぼした」 老人は続ける。
2016-03-30 21:20:02徳カリプス、或いはそれより遥か以前に遡る、衰退の始まり。 いつの世も、技術は幾つもの顔を持つ。多面の仏像のように。それは徳エネルギーすら例外では無かった。 徳エネルギーを失い、機能を停止したタイプ・バトウ。それは今、地面に倒れ伏し……側面の柔和な顔を晒していた。
2016-03-30 21:24:03