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chrishna_c2
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「うむい。わかればいいんだよ。仲直りしてくれてあたしゃ嬉しいよ。こうして二人が仲睦まじくしてくれると涙がちょちょ切れるねぇ。谷風さん感無量だよ」 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:24:29![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ねーちん達が仲良しなのはいいことだ。これで心置きなくおっぱいを揉めるってもんだよ。こうしていつでも揉めるおっぱいが二人に増えて、ダブルぱふぱふできるあたしは幸せものだな! はっはっは!」 「……浜風。お前はこっちを使いんさい」 「わかりました。姉さん」 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:25:49![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「そうじゃそうじゃ。谷風にはさっきやられた分のおしおきをせんといけんね」 「なんだと。あれはいくらでも揉んでいいと言ってたじゃないか」 大破着底して満身創痍になった谷風を追い打ちをかけるように押し倒し、上から覆いかぶさってマウントポジションを取る浦風姉さん。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:33:30![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「悪いおっぱいはおどれかー!」 「やめろぉおおぉぉぉお嫁に行けなくなる――!!」 「安心せい。もしもの時は提督さんとこにお嫁さんにやるけぇね!」 ――浦風姉さんのことは、なにがあっても怒らせないようにしよう。 私はそう心に誓うことにしました。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:34:31![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ほんじゃ、おしおきの時間はこれで仕舞いじゃね」 いままでのが全部おしおきだったんですか? 「? なに言うとるんじゃ。うちが可愛い妹に酷いことするわけないじゃろ?」 どの口がそんなことを言うんですかね。 「話が済めば頭を切り替える。それが大人というものじゃ」 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:36:52![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「うちもここに住むことにするけ、空き部屋をひとつ使わせてもらうけぇね」 「え、あ、はい。お好きに使っていただいてどうぞ」 姉さんはすぐに荷物を取りに行くと言って艤装をまとい、川を航行しながら鎮守府へと戻っていきました。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:39:26![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
その数時間後。浦風姉さんがぱたぱたと足音を立てて戻ってきて、その手に握られているのは呉鎮守府から徒歩わずか6分の場所にあるゆ○タウンの買い物袋と大量の調理器具。 どこからどう見ても、お好み焼き作りとは程遠い品々が握られていました。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:40:29![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「じゃあ、うちが持つ48手のひとつ。クレープ焼きを披露しちゃるよ」 「……浦風はん。48手の意味わかって使ぉてはるんかな」 言って厨房に向かっていった浦風姉さん。持参した食材と調理器具をてきぱきと広げていきます。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:43:10![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
2つのボウルに卵を落としわけ、黄身の入ったボウルに薄力粉と砂糖に塩に牛乳。香りつけにバニラエッセンスを少量加えて生地をつくり、卵白の入ったボウルに砂糖と生クリームを混ぜ合わせて手早く泡立て、真っ白なクリーム状に仕上げていきます。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:44:15![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
そうして生地の素になる液体を普段は使っていない鉄板面積の部分に流しこみ、きれいに洗ってあるヘラで薄くのばして焼きあげます。 クレープ生地の焼き方は、どこか広島お好み焼きの焼き方に通じるものがあります。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:44:52![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
これまでお好み焼きばかりを焼きあげてきた鉄板の上から、お好み焼きともソースとも違う、甘い香りが漂ってきます。 「ただ匂いを嗅いでいるだけで食欲が出てくるよ」 あんな目に遭ったばかりなのに、本当に立ち直りが早いですよね谷風。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:45:44![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「谷やんは食いしん坊さんやなあ。うちもやで」 「そりゃあんな料理上手なねーちん達に囲まれてたら、イヤでもそーなる」 「わかる気ぃするで」 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:46:17![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
それは。浦風からお好み焼きを教わっていた頃に習ったデザート。厨房の鉄板の端の部分を使って焼きあげた生地に、クリームと果物の甘みを包みこんだ、ほんのり甘い、思い出の味。 「うちはね。自分が食べて美味いと思えるもんを作りとぉて料理を始めたんじゃ」 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:46:53![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
そうこうしているうち、瞬く間に三人分のクレープが完成しました。 「できあがりじゃ。さぁさ。できたてのうちに食べんさい!」 「くぁー! うめぇー!」 「ほんまや。ほっぺが落ちそうになる美味さやで」 「……うん。すべてがあの頃のまま。優しい姉さんの料理の味」 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:48:44![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
要は鉄板料理というわけで。手元には鉄板とヘラがある。そこでお好み焼き以外を作っちゃいけない決まりごとなんてありません。 ウインナーやステーキを焼いてもいいし、焼きそばに焼きラーメン、焼き飯やスクランブルエッグだってアリだと思いました。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:49:28![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
私たちが思い思いの感想を言い合うのを確認すると、浦風姉さんも自分の分にと作っていたクレープを一口ほおばります。 「ん~~~~~~!!」 そこで私たちは、浦風姉さんの天使のような笑顔を目の当たりにするのです。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:50:14![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「「かっ……」」 「か?」 可愛い。言いかけたところで私と龍驤さんはなんとか思い留まることに成功します。 「浦風。もう辛抱たまらん。つべこべ言わずにおっぱい揉ませろー!」 「なんじゃー!?」 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:51:23![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「まったく。うちの胸に手ぇ出したらぶち落とすよ?」 殴ってからそれを言う浦風姉さん。 谷風が頭にできたたんこぶを痛そうに押さえています。自業自得です。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:52:08![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ま。やるからにはスジは通す。これがうちなりの仲直りの印代わりじゃ。しっかり受け取ってもらえたかの?」 「はい。それはもう」 宵越しのケンカはしない。事が済めばすっかり気持ちを切り替える。 そんな大阪生まれの広島育ち。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:54:12![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ん、なんじゃ浜風? うちの顔に何かついちょるけ?」 「はい。それはもう顔じゅういっぱいに」 「?? 浜風は変わった子じゃねえ」 そんな、いっぱいの強さと優しさとを合わせ持った陽炎型11番艦・浦風。 この人が、私のお好み焼きの師匠で、私の自慢の姉さんです。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:54:48![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
……そういえば、前々から思っていたことなんですが。 スイーツを作ったり食べたりしている時の浦風姉さんは、お好み焼きを作っている時より活き活きとしているような気がします。 はっきり言葉で説明することはできないんですけど。妹としてのカン……でしょうか。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:55:28![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ほれ浜風。そこはこうして焼くんじゃ」 それほど混んでいない時間帯では、お好み焼きの焼き方について指導などもしてくれます。 「んー? どうしたんじゃ浜風。手が止まっちょるよ」 あ。浦風の髪からふんわりと甘い匂い。シャンプーじゃなくてシナモンの匂いでしょうか。 #お好み焼き屋浜風
2016-03-27 10:56:15