cdbさんC4Dbeginnerの「映画ちはやふる、ここが素晴らしい」

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これっていわば映画学校で教えるような基礎と言えば基礎なのかもしれないけど、基礎を徹底的に洗練すると、映画はこんなにも一つの場面で多くのことを雄弁に説明できる。『ちはやふる』の演出はまるで五七五七七に多くの情景を詰め込む和歌のように、美しいリズムで大胆な省略と繊細な描写が重ねられる

2016-03-25 17:10:12
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小泉徳宏監督、明らかに原作をめっちゃ読み込んで作っていて、単に原作をなぞるんじゃなくて、原作が表現したいものは何かという本質を捉えた上で、本質を外さず大胆に変えてるから、結構変えてるのに破壊感が少ない。台詞は変わっても、登場人物の人格は1ミリも変えていない。見事だと思う。

2016-03-25 17:10:54
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正直「このイケメン監督、どうせ小洒落た恋愛映画にしちゃうんじゃないの?」と疑ってたんですが脱帽。非凡な才能を備えた、誠実で『熱い』監督だと思う。 絶賛してますけど「慶応出身でイケメンで映画監督とかもう死ねよ」という言葉を飲み込んで絶賛せざるを得ない。それほど素晴らしい。死にたい。

2016-03-25 17:11:16
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『ちはやふる』ここが素晴らしい⑤ 机君が浅田彰に似ている いやまあ、『ちはやふる』の広瀬すず世代で浅田彰知ってる子なんて一人もいないかも知れませんけど、似てる。浅田彰物語が映画化されたら主演不可避なレベル。されないけど。 pic.twitter.com/ZlCr0yTEkc

2016-03-25 17:12:20
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『ちはやふる』ここが素晴らしい⑥ ヒョロ君がヒョロ君に似ている これはもう説明不要というか、似すぎ。僕も銀幕に彼が登場した瞬間「世界よ、これが日本の誇るTOKUSATSUだ」と思ってしまいましたが、素顔です。素でヒョロくんなのです pic.twitter.com/vEyCqSTwTs

2016-03-25 17:13:02
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ブログでも初対面の原作者・末次由紀先生に 「ヒョロくんだ!ヒョロくんが生きている!」 とまるでそれは千早のような天真爛漫さではしゃがれたと書く坂口涼太郎氏。無理もありません。ナチュラルボーンヒョロくん。ボーントゥービーヒョロくん。 ameblo.jp/ryotaro-sakagu…

2016-03-25 17:13:41
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『ちはやふる』ここが素晴らしい⑦ 小学生時代を演じる子役が素晴らしい 映画の持っている「運」みたいなものを感じたのがここで、子役がそれぞれ三人に似てるんだよね。普通こんな面影のある子役ってなかなか見つからないと思うんですけど。 pic.twitter.com/WJcl6YhyVY

2016-03-25 17:15:17
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『ちはやふる』の小学生時代のエピソードって量としては少ないんですけど、物凄く重要で絶対に外せないシークエンスなんですよね。あそこに物語の本質があると言っても過言ではないというくらい重要なところで、そこを演じる時に、三人の面影があって、しかも演技の上手い子役が見つかったのがすごい

2016-03-25 17:16:10
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『ちはやふる』ここが素晴らしい⑧ そもそも原作が素晴らしい アニメも実写映画も大評判という希に見るメディアミックスの成功例になった『ちはやふる』だけど、やっぱり土台になる「物語の構造」が原作にあるからこその成功だと思う。少女漫画でありながら、幅広い読者に訴える普遍性を持った作品

2016-03-25 17:16:44
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かるたというのは誰でも知るように幼児の言語教育の教材として使われるゲームの定番で、作品の中でも百人一首という競技は明らかに言語とか学問の隠喩として描かれている面がある。美人の姉に自我を投影するしかなかった小学六年生の千早に、自分自身を語る言葉を教えたのが孤立した少年綿谷新だった。

2016-03-25 17:17:12
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「わたしは野球という言葉を得てそれを話しはじめる。それを語り、生きはじめる。その言葉は野球である」というのは映画「フィールド・オブ・ドリームス」の原作になったアメリカの小説、「シューレス・ジョー」の一節だけれど、綾瀬千早は百人一首という千年前の歌を言語として世界との対話を始める。

2016-03-25 17:17:51
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原作者・末次由紀氏が最も好きな歌と挙げる『逢ひみての 後の心にくらぶれば 昔はものを 思はざりけり』の通り、千早はヘレン・ケラーのように、あるいは姓よりも早く『馬』の一字を書いた坂田三吉のように『ものを思う言葉』を手に入れていく ddnavi.com/dav-contents/2…

2016-03-25 17:18:22
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映画『ちはやふる』のクライマックスにも、試合の真っただ中の千早が歌を言葉として仲間に届ける、決定的で息を飲むほど美しい場面があるのだけど、それは見てのお楽しみ。 本当のことは/歌の中にある いつもなら照れくさくて/言えないことも youtube.com/watch?v=pJanaH…

2016-03-25 17:18:46
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村上春樹がたびたび言及する「総合小説」という概念があって、色々な世界観を1つの作品に詰め込んでそれらを擬似計算するような作品世界のことなんだけど、漫画でもそういう試みの作品はいくつかある。一見限定されたジャンルを描いているようで、小さな雨粒の表面が360度の世界を映すような作品。

2016-03-25 17:19:10
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例えばヤンマガに『湾岸ミッドナイト』という漫画があって、改造車両で首都高をぐるぐる回って決着のつかないレースを繰り返すスピード狂のおっさんや若者を延々と描き続けた漫画なんだけど、そこにはほとんど日本社会のすべてが描き映されている。経済があり、技術があり、世代があり、死がある。

2016-03-25 17:19:39
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『ちはやふる』もそういう意味で、今の時代の少女漫画にとっての総合小説の一つとして描かれている、もしくはそれを試みている作品なのではないかと思う。 原作ではまるで世界のサンプルのように多様なキャラクターが投入され、お互いの価値観をぶつけ合う。その中心に千早と太一、そして新がいる

2016-03-25 17:20:52
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巻を重ねる原作では、育児とキャリアの両立を望む女性選手と、名家に呪縛された天才少女が対決するクイーン戦が描かれ、『普通の男』である真島太一が 「俺が石でできてるとでも思っているのか」と千早を問い詰める。そして名人の座には世界に意味を認めず、ただ才能の強度のみを誇る怪物が君臨する。

2016-03-25 17:21:11
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映画をきっかけに、素晴らしい原作に触れる人がさらに増えるといいなと思います。もう既に累計1500万部のベストセラーコミックに対してこんなことを言うのも何だけど、少女漫画、あるいはふだん漫画自体を読まない人にまで届く長い射程距離を持った作品だと思う。百人一首ブームも来るといいな。

2016-03-25 17:21:27
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そして最後の『ちはやふる』ここが素晴らしい⑨ 後編「下の句」の予告動画が神。 これ、「上の句」のラストにも流れるんですけど、「もう一人の怪物」若宮詩暢を演じる松岡茉優が良い。「西の坂田に東の関根」を東西逆にしたような西のライバル。 twitter.com/chihaya_koshik…

2016-03-25 17:21:50
ちはやふる公式 @chihaya_koshiki

映画公式サイトに『下の句』の予告と特報をアップしました!『下の句』サイトのメニューから予告をクリックしてください。 chihayafuru-movie.com #ちはやふる pic.twitter.com/YxVGchRSGQ

2016-03-23 12:16:35
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「上の句」がこれだけ出来がいいと期待も不安も膨らむ所もあるけど、連載誌「BELOVE」の広瀬・野村・真剣佑鼎談でもむしろ「下の句」推しなので期待したい。やっぱり「しのぶれど」の若宮詩暢と「ちはやふる」の綾瀬千早の東西対決はこの物語の大きな山。予告だけでも緊張感と白熱感がバリバリ。

2016-03-25 17:23:02
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上の句は大ヒット中だけど、もっと多くの人に見て欲しい。宣伝ポスターで誤解されそうなのは「イケてる美男美女が和服とか着て手遊びするおしゃれ映画なんでしょ?」というイメージなんだけど、実は全然そういう物語ではない。映画の中で競技百人一首に集まるのは社会の変わり者、アウトサイダーばかり

2016-03-25 17:23:24
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美人モデルの姉に対する依存から抜け出すために百人一首を始める千早、永世名人の祖父の介護のために才能を伸ばせない新、恵まれた環境を持つが故に自分自身が何者でもないことの不安に揺れる太一、『ちはやふる』はそういう現代の片隅にいる少年少女たちが彼等の歌と言葉を探し、やがて話しだす物語。

2016-03-25 17:23:43
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『ずっと金のままでいて』というのはコッポラの名作『アウトサイダー』の有名な台詞だけど、ゴールデンエイジと呼ばれる小学校高学年、神経と自我の爆発的な発達期に三人の少年少女は出会い、百人一首という言語ゲームを共有する。千早の新への思いは実はこの『ずっとあの頃のままでいたい』という思い

2016-03-25 17:24:05
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原作漫画の最新31巻では千早に対して『あいつの中身は小学六年生男子じゃん』というセリフがあるんだけど、その言葉通りにずっとゴールデンエイジのままでいたい千早と、千早に女性を求める太一や新の葛藤の物語が語られて行くのだけど、それは映画とはまた別の話。映画は素晴らしく要約された導入部

2016-03-25 17:24:25
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だから、この素晴らしい映画を導入部にして、もっともっと原作を読む人が増えればいいと思うし、強い構造を持った原作を土台にして色々な作品が作られればいいと思う。

2016-03-25 17:24:44
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