日本生態学会第63回全国大会・企画集会「ネオニコチノイド農薬による生態影響〜何が、どこまで分かったのか?」

2016年3月22日に仙台で開かれた日本生態学会の企画集会「ネオニコチノイド農薬による生態影響〜何が、どこまで分かったのか?」の内容を、日本自然保護協会の高川晋一さん(@s_takagawa)のツイートを中心にまとめます。
自然 ハナバチ 農薬 日本生態学会 ミツバチ 昆虫
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日本生態学会大会 第63回仙台大会公式ホームページ
http://www.esj.ne.jp/meeting/63/

企画集会「ネオニコチノイド農薬による生態影響〜何が、どこまで分かったのか?」 講演要旨
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/63/T12.html

Shinichi Takagawa @s_takagawa
生態学会参加2日目。今日も育児と並行です。
Shinichi Takagawa @s_takagawa
午前中はネオニコチノイド系農薬の集会に参加。ネオニコチノイド系農薬は、1990年代に急速に普及した新農薬。従来品とことなり、神経伝達に関わる細胞のイオンチャンネルに直接作用します。私も既に利害関係者なので、いろいろ配慮しつつ発信ですね、
Shinichi Takagawa @s_takagawa
まずは玉川大学の中村先生から基調講演。相変わらず、膨大なレビューから入らるのが素敵です。
Shinichi Takagawa @s_takagawa
中村『世界の主要農作物の7割が昆虫に送粉を依存。アメリカ・オランダの100年でのハナバチ類は、農作物の花を利用できる種類は増加したが、利用できる種類が少ないものは減少。その要因は多様。ウィルス蔓延、土地利用改変と、花資源の減少、農薬・・・』#生態学会 #ESJ
Shinichi Takagawa @s_takagawa
つづいてたくさんのレビュー論文紹介。ミツバチへのネオニコの毒性は確かにあるが、ネオニコ農薬だけが問題ではない。また、ハナバチ類への影響が見過ごされていることが問題。
Shinichi Takagawa @s_takagawa
ネオニコ7種間でもセイヨウミツバチへの毒性は大きく異なる。また花や蜜への浸透移行よりも、機会をつかった大量播種による拡散が問題。農薬の種類より巻き方で影響が大きく変わることも。また、これまでの毒性評価研究では、屋内実験がほとんどで、方法も不適切・限界のある部分が多い。
Shinichi Takagawa @s_takagawa
(うーん、やっぱりこういう問題は、明らかにすべき問題の全体の枠組みを先に示すべき。それなく、各論に入っていく進め方は、多くの聴者に誤解を与えやすいのではないか。)
Shinichi Takagawa @s_takagawa
中村『EUの2年限定の使用規制は、結局検証が不十分となり、2017年1月まで延長されている。並行してオーストラリア政府では、利用規制の必要性なしという結論。フィンランド政府も規制に否定的結論。カナダケベック州では、規制はないものの、使用時に農家がIPM研修をうけたり影響報告義務。
Shinichi Takagawa @s_takagawa
中村『アメリカではネオニコ農薬の問題に対し、ミツバチの喪失率減少の数値目標と、オオカバマダラの保護に関する大統領覚書が2014年に出されている。USDAなどは過剰規制として反発気味。ここでもミツバチ以外のハナバチの評価が欠落しているとの批判がある。』#生態学会 #ESJ
Shinichi Takagawa @s_takagawa
中村『今後の取り組むべき課題としては、ハナバチ類の個体群トレンドの把握と、ハナバチ類への影響評価法の確立、多種農薬の複合的影響の評価が必要。並行して、送粉者と農薬との接点を回避したり、ハナバチ類の資源創出(生息地回復)、農薬使用の法令順守徹底。』#生態学会 #ESJ #ネオニコ
Shinichi Takagawa @s_takagawa
続いて農環研の江川さんから。マルハナバチ類への毒性については、ネオニコと従来の有機リン・ぴレスロイド系で大差がない。ただし浸透性・残留性があるため、ネオニコのついた花粉を持ち帰ることで巣全体が汚染される影響がどれくらいあるかを、国内で初めて検証。#生態学会 #ESJ
Shinichi Takagawa @s_takagawa
イミダクロプリドのコロニー毒性をクロマルハナバチで検証。異なる2つの濃度で検証している。かなり興味深い結果。早くパブリッシュされてほしいですね。続いて森林総研の滝さんより、ニホンミツバチへの生態リスクについて。
Shinichi Takagawa @s_takagawa
(ちなみに日本では、ネオニコ農薬の問題として多く騒がれているセイヨウミツバチは農業利用されている「外来種」であり「家畜」です。生態系影響の評価としては、マルハナバチ類やニホンミツバチへの影響評価こそずっと大切。)
Shinichi Takagawa @s_takagawa
様々な従来農薬の毒性試験の結果の紹介がありました、また、全国のミツバチの遺伝構造から、遺伝的多様性等に影響を与えている要因を網羅的に解析し、そこに今後土地利用だけでなく農薬使用量などの変数を加えていくとのこと。
Shinichi Takagawa @s_takagawa
国環研の林さんから『農薬が数年以上残留するこよによる生態系影響も非常に大きい。浸透性殺虫剤は生物全体でみると影響は少ないが、特定種に強い影響。特にフィプロニルのトンボ類への影響は大きい。影響のない農薬はなく、「何を守りたいのか」が問題となりそう』#生態学会 #ESJ
Shinichi Takagawa @s_takagawa
この国環研での研究成果については、昨年NACS-Jが開催したシンポでも話していただいております。以下にスライドを公開してるのでご覧ください nacsj.or.jp/katsudo/satomo…
Shinichi Takagawa @s_takagawa
続いて国環研の五箇さんから「 ネオニコチノイド農薬規制の今後」。なかなか聞けない、ネオニコの基礎知識と、日本の農薬規制・評価の法的システムについてのご紹介。
Shinichi Takagawa @s_takagawa
五箇『農薬の生物影響評価はOECDにより手法が世界的に統一されており、たとえばオオミジンコ(アメリカ産外来種)を使っている。生物多様性への評価としては限界がある。』
Shinichi Takagawa @s_takagawa
五箇『今後も生物種により感受性が異なる農薬が開発される。これをうけて、この4月から、新たにユスリカが試験生物に追加されることに。これは大きな一歩。』

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