墨東公安委員会氏による『運輸と経済』東海道新幹線50周年期年号の須田・葛西両者のインタビュー評

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墨東公安委員会 @bokukoui

今日は北海道新幹線開業を記念して、2014年の『運輸と経済』東海道新幹線50周年期年号を呼んで考える記事をブログに書こうと思ったのですが(元は北陸新幹線延長に合わせるつもりが・・・)、現物が見つからず延期を余儀なくされております。 trec.itej.or.jp/data/201409.ht…

2016-03-26 22:42:03
墨東公安委員会 @bokukoui

東海道新幹線開業50周年の『運輸と経済』には、JR東海初代社長の須田寛氏のインタビューと、いわずと知れたJR東海のドンにして現首相のブレーン・葛西敬之が、東大の鉄道工学の家田仁と対談した記事が載っています。これを読み比べると(続く trec.itej.or.jp/data/201409.ht…

2016-03-26 22:45:57
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)JR東海の新幹線の「成功」について、須田寛氏は「好景気という天の時、東海道と中京の地の利、社内の人の和があって成功した」と述べています。一方で葛西の方は、一年半前の記憶では、「東海道新幹線はワシが育てた」くらいの勢いです。地域にくっついたインフラ事業でそれはねえ。(続く

2016-03-26 22:48:28
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)ちなみにこの、葛西敬之・家田仁対談を読んだ、鉄道史を含む日本近代史のある先生はこう感想を述べられました。「家田先生の葛西への姿勢に、これが『御用学者』というものなんだと感心した」

2016-03-26 22:50:30
墨東公安委員会 @bokukoui

小生が『運輸と経済』新幹線50年記念号をもらったのは、高速鉄道50年の歴史を考える、的な集まりでしたが、そこで中央リニアの諮問会議に出ておられた先生の話もなかなか壮烈なものでしたので、ご紹介しておきます。(続く)

2016-03-26 22:52:26
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)何でも、中央リニアについて推進の結論を出した諮問会議の最後の集まりは、東日本大震災直後だったそうです。で、その先生が、震災と原発事故という大事件を受けて、「リニア計画もこのような状況では考え直すべきところがあるのでは」と、まことにあの状況では無理からぬことを発言したら…(続

2016-03-26 22:54:39
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)何でも座長の家田仁先生と、JR東海から来ていた人達に「思いっきり睨まれた」んだそうで。それでリニア計画については、震災も原発事故も何のそので諮問会議は終わったらしいですが、何というか、葛西敬之とその輩下の姿勢をよく反映しているエピソードと感じます。

2016-03-26 22:57:05
墨東公安委員会 @bokukoui

さて、北海道新幹線開業の佳節に合わせて、インフラについて小生が思っていることを(葛西敬之的なものへの批判を)述べておきたいと思います。 インフラというのは本来、人間の生活をよりよく活発にするために作られるものですが、いったんできるとインフラが人間の生活を規定する面があります。(続

2016-03-26 22:59:41
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)つまり、人間の生き方の可能性を広げるはずのインフラが、場合によっては生き方を固定化することもあるのです。例えば日本の大都市(首都圏と近畿)は、鉄道で通勤通学するライフスタイルに最適化しており、家族のあり方などもそれに規定されている面があるといえるでしょう。(続く

2016-03-26 23:02:04
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)最初は確かに、インフラが生活を豊かにするために整備されてきたのですが、どこかでそれが逆転して、インフラによって規程された生活が「幸福」であるとされるようになり、生き方の幅を狭めてしまう桎梏ともなりえるのです。現在の日本社会の閉塞には、そういった蓄積があると考えられます(続く

2016-03-26 23:05:57
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)さて、こういった観点でインフラを捉えた場合、東海道新幹線とJR東海というのは、ひいては葛西敬之は、自分(たち)のインフラに人々が従うべきだ、という傲慢さを感じるのです。彼らの高慢さを支えているのは東海道新幹線の「成功」ですが、それはそもそも地盤の良さがあってでしょう(続く

2016-03-26 23:09:14
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)先に紹介した trec.itej.or.jp/data/201409.ht… の記事に見るように、須田寛氏は地の利を成功の要因に挙げていましたが、葛西にはその観念は希薄です。なるほど、自分たちが日本を支えているという自負が悪いわけではありませんが、同時に自分たちも支えられているという(続く

2016-03-26 23:11:08
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)意識が欠けているのではないかと懸念します。東海道新幹線の立役者・十河信二は、東京駅の新幹線の建設記念プレートに「この鉄道は日本国民の叡智と努力によって完成された」と刻ませました。まさにこの精神のことです。インフラと利用者はともに支えあう存在なのです。(続く)

2016-03-26 23:14:04
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)JR東海の新幹線は、きわめて画一的です。二階建て食堂車もグリーン車個室も世界最速だった500系も排除して、ひたすら能率を上げています。これはどうも、人間をインフラに合わせようとしている思想のように、小生には感じられるのです。それは傲慢かつ危ういもののように思われます。(続く

2016-03-26 23:19:34
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)人間の多様なあり方で生活を豊かにする、というインフラの整備も可能なはずですが、あまりに画一化したモデルを利用者に押し付けていると、次第にずれが大きくなってきて、ある点を越えるとインフラが利用者から見捨てられるような、共存関係が崩壊するような、そんなこともありえます。(続く

2016-03-26 23:22:23
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)で、JR東海(葛西敬之)の姿勢には、たまたま高度に蓄積されている東海道を走っている地の利に感謝するというより、その成功を自分たちの「偉大さ」「正しさ」とすり替えて、利用者に押し付けているように感じるところがあります。(続く

2016-03-26 23:28:19
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)その葛西敬之が、安倍首相のブレーンとしてやっていることが、まさに生き方を国民に押し付けることそのものです。彼が「エリート養成」と称して愛知県に拵えた全寮制の学校の方針なども、とにかく自分の「正しい」と思うことを押し付ける姿勢という感を受けます。(続く

2016-03-26 23:32:41
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)東海道新幹線は確かにすごい存在です。でもそれは、沿線地域あってこそのものです。それを、自分たちの「偉大さ」「正しさ」にすりかえ、さらには政治的に運動してその「偉大さ」「正しさ」を人々に押し付けようとする。こんな詐術は許しがたいことです。夜郎自大も極まれりです。(続く

2016-03-26 23:37:59
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)小生はインフラが単純に好きですが、なによりそれが人間をより自由に多様に生きさせる可能性を与えてくれるからです。そのインフラの根幹を顛倒させている、葛西敬之とその一派どもの姿勢には、断じて反対を叫びます。それがインフラを愛好する者として、この世界への義務と思っています。

2016-03-26 23:41:31
墨東公安委員会 @bokukoui

というわけで、本日開業した北海道新幹線が、北海道と東北を中心とした人々に、より広い可能性を与えるインフラとして育つことを祈念してやみませんが、・・・JR北海道にそれだけの体力があるかというと、うーん・・・。東日本が面倒をそれなりに見るしかないかな・・・。

2016-03-26 23:44:02
墨東公安委員会 @bokukoui

インフラと利用者の相互作用というのは、もともと日本の大都市の特徴といえる私鉄沿線の「電鉄家族」モデルを説明ために考えていたことで、小林一三が時代の要請に合わせて育てていったモデルは20世紀にマッチしていたけど、今は限界が露呈しつつあるといったことを考えていました。

2016-03-26 23:46:22
墨東公安委員会 @bokukoui

承前)小林一三と阪急も、いわば生活スタイルをパッケージして売り出していたわけですが、そうやって沿線に根付いてくれた人への感謝の念は(商売っ気とともに)忘れていないところ、葛西一派と同列に論じることはできないと考えます。憲法いじくって生き方を押し付ける、なんて妄想は抱いてないから…

2016-03-26 23:50:09
墨東公安委員会 @bokukoui

昨晩ツイートした『運輸と経済』が発掘されました。で、須田・葛西両者のインタビューを読み比べると、須田氏が語っていて葛西が語っていない、重要なファクターがありました。 それは何と、「安全」です。 twitter.com/bokukoui/statu…

2016-03-27 13:35:06