なぜアメリカは「世界の警察」を始めたか、なぜ「世界の警察」をやめようとするのか

アメリカはどうやら、自分の命を懸けて「世界の警察」を続ける意欲を失っている。たぶん、やめるだろう。なぜやめるのかを理解するには、「そもそもなぜ世界の警察を始めたのか」を考えると容易だ。 追記:ニクソンショック時の「石油兌換紙幣」の策は、キッシンジャーが画策したのではないかと考えています。この「石油兌換紙幣」から以降についてはユダヤ資本を主語としていないように、ユダヤ資本以外のファクターが大きいでしょう。ドミノ理論を基礎にした共産主義封じこめまではユダヤ資本の主導の可能性がありますが、それ以後はメインファクターとは言えないだろうと考えています。
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shinshinohara @ShinShinohara

しかし「石油はドルでしか買えない」構造を維持することはすでに困難になり始めた。イラク戦争の失敗は大きい。「なんで遠い国まで行って自分たちの命を捨てなきゃいけないんだ」というアメリカ国民の不満はどんどん高まっていた。

2016-03-29 22:52:51
shinshinohara @ShinShinohara

決定打となったのがリーマンショック。レーガノミクス以来、金融で大儲けして何が悪い、という、金融業礼賛の風潮だったのが一気に変わった。わずか1%の金持ちがアメリカの富の大部分を握っている現実への怒りがアメリカ国民に広がった。

2016-03-29 22:56:32
shinshinohara @ShinShinohara

アメリカ金融を牛耳るユダヤ資本は発言力が弱くなった。あまり無理押しすればアメリカ国民から憎しみの対象になってしまう。世界金融を牛耳るための起点である「世界の警察」も維持しづらくなった。世界を支配する構造が、もはや維持できなくなってきた。

2016-03-29 22:57:57
shinshinohara @ShinShinohara

もはやユダヤ資本がアメリカ政府にロビー活動をしたとしても、「世界の警察」を続けることを、アメリカ国民が忌避するようになって、難しくなった。金融で大儲けするユダヤ資本への不満も爆発しかねず、金融優遇もアメリカでは難しくなった。戦後アメリカを主導したユダヤ人の発言力が低下した。

2016-03-29 22:59:54
shinshinohara @ShinShinohara

アメリカ政府は「新たなアメリカの形」を模索する必要に迫られた。「世界の警察」を続けることは難しい。ピケティ教授が「20世紀の資本」を著してから、金融で世界を牛耳るというやり方にも理解が得られなくなるという恐れが高まっている。どうすればよいか。

2016-03-29 23:04:26
shinshinohara @ShinShinohara

そこで選択されたのがおそらく「世界のことは口を出さないからアメリカのことは放っといてくれ」、つまりモンロー主義への回帰。その方針がアメリカの長期的戦略になったと決定づけられたのが、おそらくシェール革命。

2016-03-29 23:07:13
shinshinohara @ShinShinohara

シェール革命は技術革新によってもたらされたとテレビで解説されているが、私はあまり真に受けない方がよいように思う。アメリカは世界有数の石油産出国なのに、戦後はあまり自国で掘らなくなった。「いざという時まで大切にとってあるのだ」と以前から言われていた。その「いざという時」が来たのだ。

2016-03-29 23:09:08
shinshinohara @ShinShinohara

シェール革命は「地下の石油を搾り取る」技術に過ぎない。それはコストもかかることだからやらない、と決めていただけのこと。「いざという時まで手を出さない」としてきた隠し玉を使う気になったのは、一大決心をしたからに他ならない。「石油はドルでしか買えない」構造が壊れてもよい、という決心。

2016-03-29 23:11:32
shinshinohara @ShinShinohara

アメリカはシェール革命により、国産の石油やガスだけでエネルギーを自給する腹を固めた。これはとりもなおさず、中東から石油が手に入らなくても構わない、という覚悟も意味する。ということは、中東がどうなろうと知ったことじゃない、という覚悟も意味する。

2016-03-29 23:13:32
shinshinohara @ShinShinohara

国産エネルギーで完全自給する、と決心したということは、「世界の警察」をやめ、中東から手を引き、「石油はドルでしか買えない」という構造もムリして維持しようとは考えない、ということ。アメリカは世界から手を引き、自国だけよければそれでよい、となりつつある。

2016-03-29 23:16:13
shinshinohara @ShinShinohara

以上を考えると、アメリカが中国を敵視する理由は特にない。そもそもアメリカが「世界の警察」を買って出た理由は、共産主義が世界中に伝染し、ソ連であったような虐殺が再び起きることをユダヤ人が恐れたから。しかし今の中国に共産主義イデオロギーを輸出しようという意図は見られない。

2016-03-29 23:18:49
shinshinohara @ShinShinohara

アメリカに住むユダヤの人々も、中国が台頭したからと言って自分たちが虐殺される心配をあまりしていないだろう。ソ連が共産主義を広げようとした時の恐怖を考えたら、何でもない。また「1%の金持ち」に属するユダヤ資本も、下手に発言して国民から憎まれたくない。

2016-03-29 23:20:38
shinshinohara @ShinShinohara

つまりアメリカは「世界の警察」を続ける理由を失ったのだ。ソ連が崩壊して共産主義への恐怖が薄れ、アメリカ在住のユダヤ人は恐怖せずに済むようになった。シェールオイルがあるから中東を支配する動機も薄れた。「世界の警察」なんていうコストばかりかかる仕事を引き受ける理由が、アメリカにない。

2016-03-29 23:23:06
shinshinohara @ShinShinohara

そうはいっても急激にアメリカ軍を撤退させると世界中が大混乱する。そこで「中東から東アジアへ」とあたかも前向きな理由でアメリカ軍を動かしたかのように見せて、事実上、世界中からアメリカ軍を徐々に引き上げようとしている。もはや「世界の警察」は、割に合わない仕事だと感じている。

2016-03-29 23:25:00
shinshinohara @ShinShinohara

「ソ連を憎み恐れたように、アメリカは中国を憎み恐れるに違いない」と考えるのは、少々楽観的過ぎるように思われる。中国は支配政党こそ共産党だが、共産主義を事実上捨てているし、何よりユダヤ人に憎しみを持っていない。中国をむやみに敵視する理由がアメリカにはない。

2016-03-29 23:27:09
shinshinohara @ShinShinohara

トランプ氏が「金を払え、でなければ軍を引く」と言って国民から拍手喝さいを受けているのは、アメリカ国民の本音をうまく掬い取っていると言える。クリントン候補は世界各国の友人たちへの手前、「徐々に撤退」を考えているが、トランプ人気が続くようだと、そうも言ってられなくなる恐れがある。

2016-03-29 23:28:56
shinshinohara @ShinShinohara

アメリカに住むユダヤ人は、虐殺される心配も薄れている。アメリカ国民は「世界の警察」をもうやめたいと思っている。シェール革命が起きて中東から石油を買わなくてもやっていけると思っている。金融で世界を支配するということにも嫌悪感を持つようになった。ベクトルが大きく変わったのだ。

2016-03-29 23:30:29
shinshinohara @ShinShinohara

次期アメリカ大統領が誰になるかで事情は異なるが、それでもアメリカ国民の本音が「世界の警察、早く辞めたい」で固まりつつあるから、大統領もそれに配慮せざるを得ない。「世界の警察」をやるメリットも、「石油はドルでしか買えない」構造を維持する必要が薄れた今となっては、ほぼなくなっている。

2016-03-29 23:34:40
shinshinohara @ShinShinohara

世界の支配構造が大きく変わる。アメリカは、日本を守るメリットをすでにあまり感じていないだろう。日本の支配層をなだめながら、徐々にフェードアウトする。それがアメリカの方針だとみてよいように思う。そうなると、日本は非常に難しい立場に置かれる。

2016-03-29 23:37:11
shinshinohara @ShinShinohara

アメリカ軍が完全撤退すると、日本一国で軍備を整えようとすると、もう無理。少子高齢化で通常でも経済が苦しいのに、軍事予算を負担する余力はない。それでいて、中国をさんざんバカにしてきたツケがある。アメリカの虎の威を借りようとしてアメリカがいなくなり、困った立場になる恐れがある。

2016-03-29 23:38:47
shinshinohara @ShinShinohara

アメリカのユダヤ資本はどうやら「世界の警察、やめよう。中東の石油にこだわるの、やめよう。「石油はドルでしか買えない」構造の維持もムリしないようにしよう。アメリカの中でひっそり暮らそう」と腹をくくり始めている。ならば、海外にアメリカ軍を配置する理由はなくなっている。

2016-03-29 23:40:37
shinshinohara @ShinShinohara

今のうちに、中国要人とのパイプを形成しておかないと、禍根を残しかねない。アメリカは日本を守ってくれない、と覚悟する必要がある。しかし日本一国で中国と戦うのは、国力から見て愚の骨頂。いかにしてうまく付き合うか、という戦略を模索する必要に迫られ始めている。

2016-03-29 23:42:36