ショッピングモールから考える -ユートピア・バックヤード・未来都市-」を読んでいる。今日は付章「庭・オアシス・ユートピア」を読んだ。
2016-03-31 21:18:54まず面白いのが、「ショッピングモール・聖書起源説」という指摘である。 石川初さんによると、モールによく見られる植物は、多くが聖書に登場する植物であるという。つまり、「今から2000~3000年前、パレスチナあたりの人が「やっぱりこういう植物が良いよね」と聖書に植物を書いた。(続く
2016-03-31 21:20:04俺的には、楽園っぽい植物って言ったらこれだよ、やっぱりオリーブだよ、と。そのイメージがそのまま現代まで受け継がれ、ショッピングモールの風景として世界中に拡散している。」のである。モールの風景が、”エデンの園”的なのである。
2016-03-31 21:20:19そのモール空間がどのように実現しているかというと、徹底的に室温湿度をコントロールした、「モール性気候」に基づいている 。そしてモール性気候の中で広がるモール空間は、「焼畑構造的に室内を砂漠化した上で、局所的に熱帯雨林を設けたオアシス構造」という捻れの上に成り立つ空間なのだという。
2016-03-31 21:21:23さらにモール性文化、モール性教国、モール性宗教と呼べるような、人工的環境の上にそこにあるはずのないイベントが催されているモールならではの倒錯した景色が存在する。社会階層も混沌とするのだという。面白い…。
2016-03-31 21:21:32このように植物という視点からモールを見て浮き出た仮説は、「モールは、「人間にとって最適な環境をどう作るか」という1つの実験場」であるということである。
2016-03-31 21:21:55そして「モールという実験を重ねて、進化したときに現れた植物、配置計画、その光景こそが人間の考える楽園の光景になる。僕たちは今、ショッピングモールというサービスを使ってエデンを再創造する壮大な実験をやっている。」と述べられている。
2016-03-31 21:22:00付章はこんな感じだな。一旦全てをリセットした更地上に、すべての人間にとって快適な空間を再構築するというのが、モールの核心的な構成原理なのだな。
2016-03-31 21:22:16結果としてショッピングモールから考えられる重要な点は、”新たな公共”という影響力を決して否定できないショッピングモールという空間が、巨大空間を快適にコントロールできる現代テクノロジーによって成り立っているという事実だよな。
2016-03-31 22:11:14モールという箱を成り立たせることが技術的に可能であれば、その中にさまざまな空間設計理論を盛り込み、誰にとっても快適な都市スケールの空間が成り立つのである。
2016-03-31 22:11:44多くの建築家は、これがグローバル化がもたらす均質化であると嘆くが、モールの動員力、快適さを否定できるほどの理論を果たして持ち合わせているのであろうか?モールを都市空間や公共空間への欲望の具現化として前向きに捉える必要があると感じるな。
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