発達障害のある人の就職に必要な条件その②「障害への自己理解」
- gameryouiku
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さて、今日は発達障害のある人が就職に必要な条件「コミュニケーション力」「障害への自己理解」「体力」とあるうち、ふたつ目の「障害への自己理解」についてお話したいと思います。
2016-04-15 21:37:10障害者雇用においては、「障害への自己理解」というのは単に自分は自分の障害を理解している思っているだけでは不充分です。それを面接で担当者に説明できて、それが先方にきちんと伝わる、というのでないといけません。そういう意味では「コミュニケーション力」にも被ってきます。
2016-04-15 21:40:30自身の障害を説明するにあたって、相手に「この人ちゃんと自分の障害理解できてないのでは?」と思われてしまうパターンが大きく二つあります。
2016-04-15 21:43:27一つは、診断基準にあるような抽象的なレベルの症状を羅列すること。例えば「私はADHDでして、主に不注意と、あと衝動性もあります。あとASDもあってこだわりの他に音声と感覚の過敏があります。」といった説明です。
2016-04-15 21:44:53こうした説明では、具体的に業務でどのような支障があるのか、配慮の仕様があるのかないのか、わかりません。面接者としては、よくわからないネガティブな要素を並べられて採用に不安を感じるだけです。
2016-04-15 21:46:08もう一つ意外と多いのは、障害に対する配慮を聞かれて「大丈夫です。配慮は要りません」と答えてしまうケース。実際にその会社で仕事をしているわけでもないのに大丈夫かどうかなんてわかるはずがありません。「働くイメージができていない」と認識されます。
2016-04-15 21:50:17これら二つのケースに共通しているのは、自身の障害の説明に、どこかで働いた、活動したなどの社会的経験の裏付けがないことです。そのため、実際にその会社で働いた時にどんな困難が起きうるのか、どう対処できるのか、本人も採用側もイメージできないのです。これだと採用につながりにくい。
2016-04-15 22:01:46このことから、障害者雇用で必要となるのは「社会的経験に裏付けられた障害への自己理解」です。これがあれば、たとえば障害の症状を説明する上でも「ADHDの不注意があります。前職では口頭で言われた内容を忘れてしまうことがありました。なので指示はメモでお願いします」などと具体的にいえる。
2016-04-15 22:10:12「大丈夫です」という答えについても、「前職では、総務部として電話応対や書類作成、接客等を一通りこなしました。御社の業務でも特段の配慮は必要ないと思います」といった風に具体的にアピールできます。
2016-04-15 22:14:27ですから、就労経験のある人は自己の仕事を振り返って何ができて何ができなかったのか、どんな配慮があればできたのかを整理して、人に説明できるようにしておくことが大切です。この作業はできれば、障害者就労に詳しいハロワの職員など、就労支援の経験がある人に相談したいですね。
2016-04-15 22:14:39問題は新卒です。このTogetterでも「障害者雇用において新卒は不利」と書きましたが、就労した経験がない分、「社会的経験に裏付けられた障害への自己理解」を得にくい事情があります。togetter.com/li/961782
2016-04-15 22:22:12この発達障害がある子が社会に出て行くにあたってどうやって働いて経験を積むか。ここは社会的支援が必要な部分だと思います。たとえば就労移行支援施設でやっている企業実習の部分だけを、大学に通っている子ができる制度とか。「障害者枠でのインターンシップ」とか。
2016-04-15 22:31:44「障害への自己理解」についての解説は以上です。最後の「コミュニケーション能力」ですが、これは壮大なテーマなのでやるかどうかわかりません(汗)。期待せずにお待ち下さい。
2016-04-15 22:41:26