『善悪問答 之 夢』【夢の話32】

実際に見た夢の話です。あっさりと忘れるせいで脈絡が無く、オチなんて物もありません。心の広い方向け。
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天晶 @tensyou99

自分は、最寄り駅に向かって歩いていた。時間帯は朝であり、腰に掛かるか掛からないかの長さの黒い外套を羽織っていた。 ある歩道橋に差し掛かった時であった。道の脇に設置されているベンチに座っていた老人が立ち上がり、こちらに向かって手を伸ばしながらふらふらと歩いてきた。 #夢の話

2016-03-25 23:36:21
天晶 @tensyou99

老人からの距離が一番近かった自分は、自分に何かあるのだろうかと、つい歩を止めて老人の方を見てしまう。 唐突に老人が身を翻し、一気にこちらに向かって距離を詰めてくる。目の前で銀色が煌めき、首に衝撃が走った。 老人が懐から取り出したナイフで、素早く首を切りつけられたのだ。 #夢の話

2016-03-25 23:38:39
天晶 @tensyou99

自分は突然のことに反応が遅れ、2、3歩後ろによろめきながら舌打ちし、切りつけられた首に手を当てた。 明らかに致命傷の傷口から鮮血があふれ出て、抑えた手と外套を汚していく。が、すぐに血は止まり、傷口もみるみるうちに塞がっていった。 #夢の話

2016-03-25 23:39:56
天晶 @tensyou99

こんなモンで殺せるわけ無いだろ。と、自分は呆れながら老人に変装していた若者に、外套で血を拭った傷口を見せる。とっさに傷口に手を当てたでのどうにか地面を血で汚さずにすんだようだ。 #夢の話

2016-03-25 23:42:40
天晶 @tensyou99

恐怖で顔をひきつらせた若者が、大げさな悲鳴を上げながら背を向けて逃げ出した。 と思ったら、少し離れたところで立ち止まり、振るえる指先でこちらを指し示しながら口を開ける。口の形から最初の一文字は『ば』だろうなと自分は予想をつける。 #夢の話

2016-03-25 23:44:57
天晶 @tensyou99

ばけもの。若者がそう叫ぼうとしたであろう次の瞬間、白い上着を身にまとった大柄の男が彼に向かって軽く、体当たりをした。 衝撃をそのままに、若者は仰向けの状態で地面へと倒れた。 #夢の話

2016-03-25 23:47:47
天晶 @tensyou99

ぐったりと地面に横たわる若者の左胸には、赤いシミがついていた。鮮やかなそのシミは花が開くように、ゆっくりと服の上に広がっていく。 若者に体当たりした男の右手には、若者が持っていたものとは別のナイフが握られていた。 確認するまでもなく血で汚れている。 #夢の話

2016-03-25 23:49:40
天晶 @tensyou99

俺は。と、白い上着を着た男が口を開く。 俺はお前を殺そうとした、こいつを殺した。そう言いながら、男はこちらを振り向いた。思ったよりも若い。若干の猫背を直せば体格からしても随分と今より若く見えるようになるだろう。 #夢の話

2016-03-25 23:51:32
天晶 @tensyou99

こいつを殺したオレは、善人か、それとも。ゆっくりと言い聞かせるように、確認するように喋る男が、自分を見据える。 悪人か。 男は、そう言うと口を閉じる。こちらの回答を待っているのだろう。 #夢の話

2016-03-25 23:55:42
天晶 @tensyou99

自分は。と、そう思いながら男に向ける目を細めて、確信する。 自分はこの男に以前、会ったことがある。 #夢の話

2016-03-25 23:58:20
天晶 @tensyou99

で、終了。 会ったことなど無い。 …多分 #夢の話

2016-03-26 00:00:58